教諭からの寄稿

Contributions from teachers

私と日根野高等学校

高野 朋子

 日根野高等学校へ赴任が決まったのは今から12年前、前任校が初任校で2校目の新たな楽しみを抱き、期待を膨らませて平成17年4月1日に着任したことを思い出します。当時は田園風景の中、学校へ直通の一本道を上がり、こんもりと盛り上がった竹やぶを見つつ、桜で覆われたなんと風光明媚な高校。体育館裏手は竹やぶで十二谷池や田畑など校舎からの眺めは最高。そして何より校舎内は廊下の隅々まで掃除が行き届き美しさを保ち続けていることにとても驚きました。現在竹やぶは住宅街に変貌し、田園風景の田畑は大きな住宅地へと変身、また日根野駅周辺の空き地は大きなビルで覆われて駐輪・駐車場がいたるところに存在しています。時代の流れを感じるくらい日根野高校とともに自分が成長させてもらっていることを街並みの移り変わりやカリキュラムの編成に関わることで感じます。

 日根野高校では、普通科総合選択制の導入に伴う家庭科の科目の多さに驚きつつも、前任校の家政科での経験を頼りに頑張ってきました。生徒のやる気を引き起こすことができる授業をと考え、いろいろ取組みを進めながら被服分野・調理分野・保育分野に看護・介護・医療関係と多岐にわたった授業に関わってきました。日根野高校の生徒の意欲と実技授業の特色を活かして、自分なりに様々な取り組みを積極的に実践して来たつもりです。印象に残っている内容としては、被服製作のひとつとして浴衣を作りさらに自分でそれを着装する授業、「さをり織」機を使ってオリジナル作品を制作する授業があげられます。調理実習では生徒同士で作り上げて行くことの手際が回数を重ねるごとに上手になっていく様子を実感し、生徒の達成感や満足感が感じられました。食についての大切さを学ぶ授業、保育士・幼稚園教諭を志す生徒達が学ぶ生命の誕生についての妊婦体験や育児体験、地域の連携保育所での体験学習など数え上げればきりがありません。どの授業についても生徒の声を聴きながら発展させてきました。平成28年度入学生から、複数の専門コースを持つ普通科高校へとカリキュラムが改編されました。自分が関わってきた内容が「子どもみらいコース」「看護メディカルコース」へと姿を変え、今までやってきた授業内容を更に深めていく必要が生じてきています。

 部活動のハンドメイド部では、生徒の意欲と自発性を重んじて様々なコンテスト等にも取り組んだ結果、和菓子甲子園で2年連続の受賞をしたり、淡路島で行われた具-1グランプリへ出場したことなど、文化祭での販売を含め多くの思い出が浮かんできます。また、女子バレー部に関わり、主顧問の橘先生の情熱あふれる熱意と生徒のひたむきな姿に感動し微力ながら自分にできる手助けと応援をしています。汗と涙で青春を過ごしている生徒が卒業後OGになってバレー部の同窓会に欠かさず出席する姿に部活動で築いた絆の太さを体感しています。

 日根野高校はアットホームな雰囲気を醸し出し、とても大らかな学校です。織物の「さをり織」のように日根野高校という縦糸に30期までの生徒が横糸として織綴られている・・・個々の自己実現を叶えて行く場所としては、そんな日根野高校が私は大好きです。これからも多くの横糸がオリジナリティをあふれさせながら紡がれていくことを心より願っています。