教諭からの寄稿

Contributions from teachers

22期生の想い出

22期教諭 小櫻 登詩子

 22期生が2年生になった春、私は日根野高校に転勤して来ました。その1年は選択古典の授業だけのお付き合いでした。最初は、授業中の集中力が高く意欲的なクラスがある一方、明るく楽しいけれども少し落ち着きを欠くクラスもありました。それが修学旅行を機に一変しました。新型インフルエンザの流行で延期された修学旅行は11月の北海道になり、旭山動物園ではお目当てだった動物たちが冬眠していたり、突然の雨で屋外の体験が中止になり震えたりすることもあったようです。けれども不平を言うことなく、修学旅行を実施できたことへの感謝を態度で示し、ルールを守り前向きに十二分に楽しんだようですね。学校に戻ってからの授業に臨む態度も落ち着き、苦手な勉強に真剣に取り組む姿に成長を感じました。修学旅行の成功を22期生ほど感じたことはありません。
一番印象に残っている思い出は3年生の文化祭。雨でした。円形広場で行う演目は屋内に場所を変えての発表になりました。けれども最後の文化祭。「どうしてもたくさんの観客に見てもらえる円形広場でやりたい」という思いで、雨でびしょびしょになっている円形広場の拭き掃除を始める子が現れました。それは学年全体に広がりました。その思いが通じたのでしょう。放課後に雨が上がり、3年生の強い要望に応えて文化祭全プログラム終了後、再度の発表が円形広場で行われました。後輩や保護者の方々の温かい声援を受けながら、22期生は一つになり皆輝いていましたね。私が担任だった3年6組は「ONE PIECE」の劇でした。仲間の絆を大切に困難に立ち向かうストーリーさながら、お互いの進路希望やクラブ活動や家庭の事情を気遣いながら、全員ができる範囲ぎりぎりで頑張った姿に胸が熱くなりました。
 思い返せば、1年生のときは雨で体育祭延期。2年生では新型インフルエンザで修学旅行延期。3年生では文化祭雨。体育祭も猛暑と雨で2回延期。その影響で球技大会中止など、本当にアクシデントの多い学年でした。でも、その不運を幸せな思い出に変えられるパワーがあった学年でした。全員前期入試で日根野高校に合格したことを誇りに思う、友達思いの明るく元気な生徒達でした。個性の強い子が多く、教師と意見が合わずに衝突したこともありましたが、その度にしっかり意見を言い、教師の思いを受け止め、お互いの信頼関係が深まったように思います。学年主任の土井先生はじめ北山先生、西畑先生、佐々木先生、井口先生に本当によく叱られ、励まされて成長したと思います。私は3年生の1年間の担任でしたが、幸せな1年でした。卒業式の後、3年間担任を持ちたかったとしみじみ思いました。
あれから5年、22期生の健康と活躍を遠くから祈っています。