カワセミ通信10(2号)

 

ヒナが巣立たなかったわけ

五、六月の青葉の季節、はるか東南アジアから、日本へ繁殖のため渡ってくる夏鳥。『アオバズク』という名前はそれにちなんで名付けられました。フクロウの仲間で、体長30cm程。もし、家の近所に大木があるならば、夜、ホウホウというメスを誘うオスの柔らかい鳴き声がきこえてくるかも知れません。
池島周辺にも、毎年きまった時期にやってきます。六万寺町にある梶無神社の楠は、繁殖には好都合なウロがあるらしく、四、五十年も前から毎年、繁殖しています。今年は例年より、一週間ほど早い五月一日にやってきました。メスが抱卵する約1ヶ月間、オスはメスのために餌を運びます。夜、電灯に集まる虫やセミを捕まえる姿を、よく観察されています。
順調にいけば、七月二十日頃にヒナが巣立ち、八月には元気に南へ飛び立って行くはずでした。しかし、その時期になっても一向にその気配がなく、とうとう八月十日頃、夫婦も去ってしまいました。神社の方によると、昼間、オスは見通しの良い枝にとまって巣を見張っていますが、丁度ヒナが卵からかえる頃、カラスが旋回していたそうで、メスの鳴き方も少し違った感じだったそうです。
最近ではウロのある大木も貴重ですが、雑食のカラスも増えたよう。(ギャラリーの人間もね・・・)子育ての環境は厳しくなる一方ですが、来年もまた来てネ。

 

TOPIC ハヤブサ

8月の夕方、4時頃になると、鉄塔に留る一羽のハヤブサが現れました。400km/hで急降下するお馴染みの猛禽類。池島では、珍鳥です。そしてなんと彼が目をつけた獲物は、アブラコウモリ。少なくなってしまったカヤネズミのかわりに目を付けたのでしょう。しばらくの間華麗な狩りのショーが繰り広げられました。

 

8/23 深北緑地を訪ねて

工事中の恩智川治水緑地と同規模で、既にほぼ完成している大東市の寝屋川治水緑地にカワセミ楽会から数名で見学に行きました。水辺・ふれあい・スポーツの3つのゾーンで構成された同じく大雨災害時の遊水地です。深北も元々ハス池などの湿地で、水路は水質浄化に有効なアシやガマが生い茂り、トンボがたくさん飛び交っていました。現地で毎日清掃していらっしゃる釣りグループの方々は、魚や鳥、様々な生物の住処となる水草を植えたり、完全なコンクリート三面張りの深野池の端に丸い岩を敷いたり、捨てられた釣り糸を拾い集めたり、水辺の環境に積極的に関わっておられました。また、池島では想像できないほどバンなどの水鳥が人馴れしていて、すぐそばで見ることが出来ます。(池の幅が狭く、水鳥が人と距離をおくことができない。草の繁った浮き島が少なく身を隠す場所がないので馴れざるをえないのでしょう)人が水辺と親しめる環境設計をされていますが、より良く自然との調和をはかり、次の公園計画に活かして頂きたいと思います。しかしここでもポイ捨てゴミは想像以上に多く、他の生物に及ぼす影響は深刻な問題となっています。お話を聞かせていただいた森北の皆さん の努力には、頭の下がる想いです。どうもありがとうございました。

 

季節掲示板
巣立ち雛
無事に帰れと
野鳥塚 

 岩本昭広
福万寺のアゼ道に
いつもより10日ほど早く
ヒガンバナが咲きました。
鱗茎は有毒ですが、吐剤や
去痰剤にもなるそう。
 YAMADA
クズの花ってご存じですか?
きってもきっても生えてくる、
あのツタです。小さな花が集合
して一つになったような
紫の美しい花をつけるんですネ。
 9月10日 R.M
恩智川で、バンは9羽、カルガモは
6羽元気なヒナが、かえりました。
残念ながら、夏の大雨の日、山から
一気に流れこんできた急流で、
カルガモ一家は離散。しかしヒナは
餌が採れる程、大きくなっていた
のでどこかで生き残ってくれてい
ることを願います。
 けいこ

身近な自然を愛する気持ちで自然発生的にうまれた地元民によるナチュラリストの会。弥生橋周辺でカワセミバッヂをつけた人を見かけたら気軽に声を掛けて下さいネ。池島・福万寺地区周辺の自然に関する情報やご意見などもお待ちしています。会員スタッフ募集中!