カワセミ通信2(4号)
冬の水部の主役。
美しさは恋のなせるワザ
昨年10月に越冬のため逸早く渡って来たコガモを筆頭に、池島では、約10種類のカモを観察することが出来ます。一見同じように群れているカモですが、その姿形や生活スタイルは種類によって様々です。カモ類は大ざっぱに、海ガモと淡水ガモ、または陸ガモなど、便宜上分けることが出来ます。
マガモ、コガモ、などは、イネ科植物の種子や、水草などをついばんだり濾し取ったりして食べ、ハシビロガモは、水面に嘴をすべらせて自ら渦を描きながら泳ぎ、植物の破片やプランクトンなどを、嘴の合わせ目に櫛状に並ぶ板歯で濾し取ります。これらを水面採餌ガモと呼び、オナガガモ、ヒドリガモはそれに逆立ちの方法も加え、水草を引きちぎって食べたり、水性昆虫なども捕えます。
それに対しホシハジロなどは潜水採餌ガモと呼ばれ、それに適応した体型を持ち水に浮かぶ姿も比重の差の違いか少し沈み気味です。
カモと言うと、そのオスの美しさが印象的ですが、求愛ディスプレイも種類によって様々な個性を発揮します。しかし、自然界で派手なことはメスを引きつける反面、天敵にも狙われやすい。繁殖期を過ぎると『エクリプス』と言うメスに似たカモフラ柄に換羽します。渡って来てすぐの初冬の池はメスばかりに見えることも…。実は今が、繁殖期だけの仮の姿。春までに頑張って池島でペアと出会い、しっかり栄養をつけて無事、シベリアへ旅立てますように。
フクロウ元気に回復◎
12月15日の早朝、池島高校の校庭で衰弱していたフクロウが保護されました。
急に冷え込んだ天候のせいか、餌不足のせいか、それとも何か事故にあったのか…。カゴに入れられたフクロウは元気こそなかったが、外傷もなく鶏肉も順調に飲み込みました。
長居はかえって危険と、部屋の中ではばたきの様子を見せるまでに回復した5日後の晩、無事山で放鳥。
私たちの知らない夜の間に小鳥などを狙いに来ていたのか、自然のダイナミズムに想像を膨らますと共に、池島の懐の深さがいつまでも続くことを祈ります。
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ジュズ玉の 群生している湿地で、 カヤネズミの巣を発見。 3本の茎を軸に葉を編んで直径 7cm位の球形の巣を作る。名の通 りカヤ場を住処にした日本最小 の野ネズミ。カヤ場のなくなって しまった今では、食物連鎖 の底辺を支える貴重な存 在である。KEIKO |
恩智川はだれのもの ニンゲンたちのもの サカナたちのもの トリたちのもの 水辺のショクブツたちのもの 水辺のコンチュウたちのもの すべては水にすむヒトビトのもの 越川&筆入れ |
乾いたイチジクの枝に刺さった干からびた獲物。 きぃー、きぃー、と鳴いては庭に来たモズ。 日溜まりの梅の木に来て見え隠れしながら、ちゃ、ちゃ、 と鳴いていたウグイス。幼い頃の思い出である。 ある探鳥旅行家の宿でモズが何やら追い回していた。 仕留めた獲物は何とウグイス。それはのどかな思い出を 強烈に上塗りされる程ショックな出来事だった。 それ以来モズと聞けば、反射的にそのことが脳味噌を充 満させるのである。gansan |
池島探鳥会 結果報告
1/3 晴れ 午後9時30分〜午後12時頃穏やかな陽気につつまれた絶好の観察日和。予想以上に沢山の鳥に出会えました。中でも200羽以上のユリカモメの飛行ショーは圧巻でした。
●ハヤブサ ●チョウゲンボウ ●モズ ●ムクドリ ●ハシブトガラス
●ヒヨドリ ●ハクセキレイ ●セグロセキレイ ●バン ●カイツブリ
●マガモ ●コガモ ●オナガガモ ●ケリ ●ハシビロガモ(♀)
●ゴイサギ ●コサギ ●アオサギ ●キジバト ●セグロカモメ
●ユリカモメ ●ツグミ ●ヒバリ ●ジョウビタキ(♀) ●アオジ
●カワラヒワ ●スズメ ●ドバト ●シロハラ ●ウグイス ●ホオジロ
●タヒバリ ●カワセミ