カワセミ通信4(第5号)


水田と共に生きぬく勇者。

 2月25日今年の春は、ケリのけたたましい鳴き声とともに慌ただしくいっせいに訪れたような気がします。ケリという名は、あの独特の警戒の声からきているそうですが、繁殖期のあの存在感が嘘だったように秋冬は、いるのかいないのか…というくらい目立ちません。

 池島では、ごくふつうに見られる鳥ですが、生息地は局部的で、兵庫県以北で繁殖し、中部地方以北で冬越しします。今では数も稀少となり、関東地方では見ることができません。田んぼがあれば、どこにでもいるという訳ではないようです。毎年10つがいほどで、それぞれが縄張りを固めてコロニーを作って営巣しています。池島では田んぼでいえば一区画〜3区画以上に1ペアの割合ですから、ある程度まとまった面積の繁殖に適した土地が必要とされるのでしょう。

 今年は3月第2週の頭くらいに抱卵が確認されました。草原や河原、田畑の地面に枯れ草などで皿状の粗い巣をつくり、4個の卵を生みます。卵がかえるには、温度と転卵、適当な湿度も必要です。餌の昆虫やカエルが豊富で雨でも水浸しにならない休耕田などの畝の上などは、営巣に適しているのでしょう。オス、メス交代で座り込んでじっと抱卵している姿は、保護色となって容易には見つけられません。

 しかし、不幸なことに、ヒナがかえる時期が、田おこしや、梅雨のシーズンと重なることもあり、よく卵が犠牲になってしまいます。毎年そんなことを繰り返しながら、細々と生き残ってきました。カラスやイヌ相手の空中戦などから気の強いイメージが先行しがちですが、すべては子孫を残す決死の術なのです。追い討ちをかけるように繁殖可能な環境の消失が、確実に彼らの存在を脅かしています。せめて池島周辺の原野が残るあいだは、あたたかく見守っていたいものです。

 

ちまたにタヌキ出没

昔から人里近くに、好んで生活していたタヌキが、再び住宅地の真ん中で、度々発見されるようになった。夜行性で、雑食。自然下では、主に昆虫や果実、キノコなどを食す。フンの混入物には、山中でもビニールやゴム類が多く混ざる。近眼のせいか取り敢えず何でも口に運ぶようだ。小生が発見した時も、何者か確認するため少し距離を縮めてきた。そんなところが民話のキャラクターにあった由縁だろう。どう言うわけで人家に降りてきたかは不明だが、されど椰子動物。彼等を尊厳し、むやみに餌をやったりせず、あたたかく無視しよう。人のエゴによる安易な餌付けは、結果的に彼等を傷つけることになる。

 

悲しいことに生き物の繁殖期を前にして、あちらこちらの工事が着手されています。現在治水緑地周辺の自然環境は最悪です。また、あろうことかヨシ原が火事の被害にあったりと、このままでは、生物の逃げ込む場所がどこにもない状況。しかし、ここは治水緑地建設予定地。

とりあえず、工事の進行状況と秋に提出した要望書に対する成果についてお伺いするため府と、寝屋川水系へ出かけてまいりました。先方の方々も口頭では、よく理解は示して頂いています。果たしてそれがどれだけの成果になるか…?難しいところですが、これからも地道なアプローチを続けていきたいと思います。

季節掲示板  カワセミは工事中土手の昨年の南側の2回目の繁殖に使った巣を掃除して流用。若いツバメならぬ若いオスらしい。堀江。♂♀
3/3 ウグイスの初鳴き。
鳴き始めはたどたどしいそうですが、とても美しい鳴き声でした。  gansan
 
前回記載した外環状、、長崎屋前の、ハクセキレイのねぐらですが、すでに2月はじめから繁殖の準備のため数の激減。今や居残り組が40羽ほど。 @
恩智川の川沿いには、タガラシの黄色い花が満開です。 R.M



 
ヒバリがさえずりあっているので不思議に思って見てみると、杭のてっぺんにはモズしかいない。また、その20mほどはなれた木の上にはヒヨが…。2羽は競い合ってヒバリの鳴きまねをしていました。よっぽど気分が良かったのかな。 Keiko