カワセミ通信10(8号)

透明な羽のしたたか者
コサギ(小鷺)
コウノトリ目 サギ科

 「あっ!シラサギや!」弥生橋に野鳥の噂を聞きつけて来られた方が、まず真っ先に目にされるのが、このコサギ。「青い穂を湛えた田んぼに映える純白な羽−。」と言いたいところですが、泡で濁る黒い川にたたずみ、虎視耽々と待ち伏せしていたかと思えば、時に片足をガサガサと忙しそうに泥の中で動かす独特の漁法を使って獲物を狙う姿を見る度、心痛む思いで一杯になります。コサギは、ダイサギやチュウサギなどのように、遠距離の渡りはしませんが一部の個体が冬季に日本南岸に移動する漂鳥で、池島では、一年中見ることができます。サギは、日没後、集団の『寝ぐら』に帰ります。この付近では、大和川周辺の林に集まるそうですが…。
ちなみに下の写真のように池島でも晩に過ごすこともあるようです。今後、きちんと調査してみたいと思います。
早春の繁殖期になると更に、『サギ山』と呼ばれるコロニーに集まります。コサギは、枯れ枝を粗く編んだ巣で一日おき位に卵を一個づつ合計4〜6個生みますが、小鳥たちと違い、全て生み終わらないうちに抱卵するので、当然、兄弟のふ化もずれ、後からかえったヒナは生きられないことが殆ど。それでも人が現われるはるか昔、約9千万年前の太古から生き続けていると云われているのですから、自然の摂理とは、面白いものですね。以前大阪では、仁徳陵が数万羽規模のサギ山でしたが、農薬、公害などが要因で、昭和40年代初頭に潰滅。果たしてその後、そんな寛容な環境が府下には残されているのでしょうか。

この2月、メダカが絶滅危惧種に指定されました。取り代わって近年、ボウフラ退治のため北米国から輸入されたカダヤシ。動きも素早く、胎生で出産することからもメダカより優勢。また、ブルーギル、バス、アメリカザリガニetc。植物界に限らずとも、帰化勢に日本固有種が脅かされています。
治水緑地の浸水時にも様々な生物が流れ込んできます。これを機に、主に下記内容の問題点、提案をカワセミ学会から府へ文書で送りました。
●越流の際の生物の問題点
酸欠や、枯れ草やブロックなど障害物による生物の大量死の報告。対策を要望。
●越流の際のご未処理(今後も含めて)
●野鳥の看板の設置のお願い
(自然環境学習、及び次期繁殖期に備えて、公園内のマナー、モラルを間接的に啓蒙する為の手段)


季節掲示板
カワセミの 広げし波縞ゆらゆらと
ゆれし水面は 吾が思いに似て
(幹)
大雨以降、流れ込んだ土砂が恩智川に
溜まり、弥生橋下は、干潟のようになっ
ています。ケリ、コチドリ、サギ類やシ
ロチドリ、トウネン、オバシギ、カルガ
モetc、そしてまだ9月末なのにコガ
モの姿が見られ、通りがかる人の目を
楽しませてくれています。  S.K.







keiko
●ヒガンバナ、ホシヒルガオ、イヌ
タデ、ミゾソバの花、ジュズの青い実、
オギ、ススキの穂、それに加え、ミ
ズオオバコという水草を発見!水路
に直径4cm程の花の部分だけ突き
出し、まるで可憐な一輪のハスの
花のよう。また注意して探してみて。
8/11前夜、生駒山では、観測史上初を記
録するほどの局地的な大雨が降り予想外
のことで川が通常の水位調節されていた
こともあって、治水緑地内にも一気に水が
流れ込んで来ました。今までも年に数回
恩智川が越流することはありましたが、こ
の時はケタ違い。突然出現した深さ5m程
にもなる湖の上をツバメが喜々と舞う穏
やかな光景がとても印象的でした。by筆入









10/1夜、水抜きした弥生橋東
側の池で眠るサギたち