パソコンと自作比色計を用いた
  環境調査の方法
   


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1.自作比色計の製作方法
2.本システムの使用パソコンと測定ソフトウェアについて 
3.本システムのデータ処理ソフトウェアについて
4.大気中の二酸化窒素(NOx)の測定方法
5.酸性雨のpH測定の方法
6.水質中の亜硝酸イオン(窒素汚濁を示す)の測定方法
7.水質中のCOD(有機汚濁を示す)の測定方法
8.ホームページへ戻る

   


1.自作比色計の製作方法


製作手順
・水道管用のT字型塩ビチューブとフィルムケースを本体として、緑色発光ダ
 イオード(GL5G8 5φ)とCdSセル(浜松ホトニクスP368)を図のように
 組み合わせたもの。                         
 フィルムケースを半分に切り、底の中央に発光ダイオード・CdSセルを接
 着剤で固定する。これを塩ビ管の両側から装着する。その間にフィルムケー
 スの底1cmだけ残して、中央に8mm程度の穴をあけたフィルターを入れ
 る。塩ビ管の上部には、比色セルとして試験管を利用する場合は、長さ10cm
 で20mmの径の塩ビパイプを接続し、キャップをはめる。         

 比色計部品
・水道管用の塩ビT型チューブ:1個、塩ビチューブ:径20mm ×10cm  
塩ビキャップ:1個、フィルムケース:3個、塩ビ板:厚さ3mmで 
7.5cm×12.5cm、CdS光センサー:浜松P368、発光ダイオード:緑色 
GL5G8 5φ各1個                       
     

・パソコンへの入力は、鳥取大学の杉本良一先生の開発したマウスインター 
   フェースを用いる。比色計本体の製作費用は2千円程度である。       
 
インターフェー部品
トグルスイッチ:1個、タイマーIC:IC555、電解コンデンサー:
  25V33μF、抵抗:20Ω、小型プラスチックケース:1個、赤と黒ビニール線
60cm程度各2本、2芯シールド線:1m程度、マウスピン:9ピンオス
マウスカバー1個                        

・詳細な組立図等の資料は、返信用封筒に切手190円を貼って、大阪府教育セン
ターの紺野宛に資料請求して下さい。                 

        

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2.使用するパソコンと測定ソフトウェア

現在、NEC社のPC−98シリーズの全機種と、COM2の9ピンポートをもつ
DOS/V機のみです。測定ソフトは、MS・DOS上で動作します。    
本ソフトウェアは、大阪府教育センター紺野に問い合わせると入手できます。 

 ソフトの主な機能                
 1.濃度算出に必要な検量線の作成と保存      
 2.比色計の吸光度データから、試料濃度の算出   
 3.測定データの保存とデータベース化       

                 


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3.データ処理ソフトウェア

測定したデータを、スキャナーで取り込んだ校区などの画像上に円グラフで表
示し、環境の汚染状況の理解を図るねらいのソフトウェアです。      

       
        校区地図上に表示した測定データと解説文の例

        
          市単位での測定結果と解説文の例

 本ソフトウェアも、大阪府教育センター紺野に問い合わせると入手できます。


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 4.大気中の二酸化窒素の測定方法

(1).測定原理

 飽和炭酸カリウム溶液のしみ込んだろ紙を、フィルムケースの内側に貼り採
取器とする。これを1日測定場所に設置し、二酸化窒素を吸収させる。その容
器にザルツマン試薬を加えて発色させる。その発色を比色計で測定し、二酸化
窒素の濃度を求める。                         

    


(2).測定方法

1.1日設置した採取容器にザルツマン試薬(スルファニル酸5gとN-1-ナフチ
 ルエチレンジアミン2塩酸50mgと、リン酸30mlを精製水に溶かして1リッ
 トルとしたもの)を15ml加え、赤色に発色させる。           
2.10〜15分後に色は安定する。試料を試験管に移し、別に水10ml程度入った試
 験管を準備する。                           
3.コンピュータを起動し、画面の表示から二酸化窒素の測定を選ぶ。最初に比
 色計に水の入った試験管を入れ、メニュウ2の検量線の補正を選ぶ。    
 リターンキーで、検量線の補正を行う。                 
4.次に、試料の入った試験管を比色計に入れ、メニュウ1の測定を実行する。
 リターンキーで溶液の濃度が表示される。                

(3).検量線の作成(使用する前に実行する必要がある)

1.亜硝酸ナトリウム69mgを正確に量り、250mlの水に溶かす。(原液)    
2.この原液5mlを取り、250mlに水で薄める。この液が標準液である。   
3.試験管に10mlの標準液を取り、ザルツマン試薬10mlを加えて約15分間放置
4.コンピュータを起動し、メニュウで検量線作成を選ぶ。最初に水の入った試
 験管を比色計にセットして、濃度を0.0001と入力する。次に標準液の入った
 試験管をセットし、0.04を入力してデータを記録して終了である。    

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 5.酸性雨のpH測定の方法

(1).測定原理

 比色法によるpH測定は、一定量(10ml程度)の試料水に酸塩基指示薬を加え
発色させ、その色相から比色計でpHを換算するしくみである。       

 使用する指示薬と測定範囲は以下のとおりで、濃度はすべて0.1%である。 

  指示薬                測定範囲           
 MO(メチルオレンジ)          3.1〜4.4 (黄〜赤)      
 MR(メチルレッド)           4.4〜6.2 (赤〜黄)      
 BCP(プロムクレゾールパープル)    5.2〜6.8 (黄〜紫)      

(2).測定方法

1.試料の雨水を10ml(または5ml)試験管にとる。            
2.MRまたはBCP指示薬を0.2ml(または、0.1ml)を加える。      
3.コンピュータを起動し、画面に指示薬選択のメニューから用いた指示薬を 
 選択する。                             
4.比色計に試料をセットし、画面の指示に従って測定すると、pHを表示。 

(3).検量線の作成

 本比色計を使用する前に、各指示薬について変色領域の上限と下限の溶液を 
準備し、指示薬を加えた溶液で、初期設定する必要がある。         

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 6.水質中の亜硝酸イオンの測定

(1).測定原理

 亜硝酸イオンの検出は、一定量の試料水にザルツマン試薬を等量加えて赤紫
色に発色させる。亜硝酸イオンの量に応じて発色しており、その吸光度を比色
計で測定し、亜硝酸イオン濃度を求める。                

(2).測定方法 

1.試料水10mlを試験管にとる。試料が濁っている場合は、予めろ過しておく。
2.これにザルツマン試薬10ml加え、約15分間静置する。また、別の試験管に 
 20ml程度を準備する。                        
3.コンピュータを起動し、亜硝酸イオンの測定を選択。メニューで検量線補正
 を選ぶ。水の入った試験管をセットし、リターンキーで検量線の補正を行う。
4.次に試料の入った試験管を比色計にセットする。メニューで測定を選択ぶ。
 リターンキーで濃度を表示、試料濃度は測定時に2倍に希釈しているので、
 表示する値の2倍である。                      

(3).検量線の作成

 二酸化窒素の測定で用いた標準溶液を利用する。標準溶液での設定値は、 
 1.86 である。                            

       

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 7.水質中のCODの測定方法

(1).測定原理

 CODの測定は、有機物を酸化分解するときに必要な過マンガン酸カリウム
量(KMnO4)で求める。本法は、試料に対して一定量のKMnO4加え、反応前と酸 
化分解後のKMnO4の量を比色法によって定量し、その減量に変換係数をかけて、
CODを求める簡易法である。                      
 なお、本比色法により測定できるCODの範囲は、0〜20ppmである。   

(2).測定方法

1.試料水10mlを試験管にとる。6Mの硫酸1mlと、0.005MのKMnO4を1ml加
 える。                               
2.比色計で反応前のKMnO4の量を測定する。コンピュータを起動し、反応前の
 測定を選択する。試料の整理番号を入力すると測定値を保存する。    
3.300ml程度のビーカーに湯を沸かし、これに試験管を約30分入れ加熱する。
4.25mlメスシリンダーなどに移し、蒸発分の水を補充し反応前の12mlにする。
5.その後液が濁っている場合は、必要に応じてろ過する。         
6.コンピュータを起動し、反応後の測定を選択する。測定前に設定した整理番
 号を入力すると、ppm単位のCODの値を表示する。           

(3).検量線の作成

 比色計を使用する前に、過マンガン酸カリウムの標準溶液と水で、検量線を
作成する必要がある。                         

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