デンプン:(C6H10O5)n
・糖類(炭水化物)の一種で、多糖類に分類される。
・一般に、植物の根や種子などに、デンプン粒として広く存在する。
・デンプンを加水分解するとブドウ糖(グルコース)が得られる。つまり、デンプンはブドウ糖が多数つながったものである。そのうち、ブドウ糖が直鎖状につながったデンプンをアミロース、ブドウ糖が枝分かれ状につながったデンプンをアミロペクチンという。ふつうは、アミロースとアミロペクチンの両方が植物に含まれているが、モチ米、モチとうもろこしはアミロペクチンだけしか含まれず、モチ特有の粘り気の原因になっている。
デンプン中のアミロ−スとアミロペクチンの存在割合(%)
アミロース
アミロペクチン
さつまいも
19
81
じゃがいも
25
75
とうもろこし
25
75
モチとうもろこし
0
100
ウルチ米
19
81
モチ米
0
100
小麦
30
70
・ヨウ素デンプン反応の色は、デンプン分子中のブドウ糖のつながっている直線部分の長さに関係する。長くつながったアミロースは青色を示す。アミロースが分解して短くなったものや、枝分かれして直線部分の短いアミロペクチンは赤色〜赤紫色を示す。
・デンプン粒は水に溶けないが、水とともに加熱すると膨潤し、ついには糊になる。生のデンプンでは、アミロースとアミロペクチンがミセル(粒子が球状に集まったもの)を形成(β-デンプンという)しており、酵素が働きにくいため消化が悪い。水と加熱するとミセルの間に水が入り、ミセルがくずれて糊化(α-デンプンという)するので、消化もよくなる。α-デンプン化したものを急速に乾燥すると、β-デンプンにもどらず、α-デンプンのまま保存される。せんべいやインスタントラーメンなどはこのようになっている。
──── ☆☆☆ 糖類(炭水化物)の分類 ☆☆☆ ─────
単糖類・・・甘味がある・・・ブドウ糖、果糖など
糖類の基本構造をもつ。これ以上加水分解されない。
二糖類・・・甘味がある・・・麦芽糖、ショ糖など
加水分解されて2分子の単糖を生じる。
多糖類・・・甘味はない・・・デンプン、セルロースなど
加水分解されて多数の単糖を生じる。
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