| 校長室便り |
| 2012年5月 安全安心の学校づくり 今年の防災訓練は地震を想定してのものなので、校長として講評をするために自然災害についてネットで調べてみました。 昨年の東日本大震災では死者・行方不明者を含め23,769名の尊い命が奪われました。それ以前は、1995年の阪神大震災における6,482名の犠牲者が突出して多い結果となっています。 長期的な統計をみると1945年に三河地震・枕崎台風で6,062名の犠牲者をだし3年後の1948年には福井地震で4,897名の犠牲者をだしています。その後、1959年に伊勢湾台風で5,098名の犠牲者をだして以降、阪神大震災がおこるまでの36年間、自然災害による犠牲者は日本全体で19名〜607名と激減しています。ちょうど戦後の高度成長期にはそれほど大きな自然災害は発生せず、または発生しても比較的少ない被害で収まっていたようです。 偶然でしょうが、この現象は日本人が汗を流し幸福を追い求めて努力していた時期と重なります。天の神様はおとなしく見守ってくれていたのかな、と思いたくもなります。一方、火災による犠牲者はこの5年ほど1,025名〜1,220名と1,000名前後で推移しておりやや減少傾向にあります。 学校は知識や情報を教えるだけではなく集団活動を通じて自分の役割を認識し協力して行動する事を教える場でもあります。震災に対してとる行動としては、 @身の安全を守る(座布団やカバンで頭部を保護して倒れてくる家具等や落下物から身を守る) A揺れが収まってから外へ避難する B狭い路地や塀、崖、川べりに近づかない C津波に注意する Dラジオ等で情報を入手する、 の4点が考えられますが集団で避難する際は危険を回避しながら整然と指示に従い行動する事が求められます。もしパニックに陥り我先に動くとパニックが増幅し思いがけない事故に発展する事もあります。また茨木・栃木両県で発生した、竜巻の被害で家にいた中学生の尊い命が奪われました。安全であるべきはずの家中でも自然災害の犠牲になる事もあるのです。何が災いするか予想することは難しいですが、もし災害が起こった場合に必要最低限の命を守るものを入れたリュックを準備しておくとか、家族が離散したときの集合場所を決めておくとか万一の場合に備えておく必要があります。加えて、日頃から体力を鍛えておくこと家族でコミュニケーションをとり役割分担を明確にしておくことが大切ではないでしょうか。 今、学校では災害発生時に生徒をご家庭に引き渡す手段を規定し非常時に備えて、乾パン等の非常食を整える準備をしています。安全安心の学校づくりとともに生徒一人ひとりが将来の非常時に備えてとっさの判断を下し適切な行動がとれるように教えていきたいと思います。 |
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| 2012年3月 民間人校長の夢 「近頃の若い者は・・・」と口に出すようになったら年をとった証拠であるといいます。でも、それは原始時代からあったようでアルタミラの石窟にも古代原始人がそのようなことを書いていました。若者は育った環境に反応して成長します。もし、夢を持たない若者が増えているとすれば、それはその時代の大人が「夢なんて・・・」とか「そんな夢みたいなこと・・・」といっていたに違いありません。この言葉を選ぶ大人は、夢を現実との対局としてとらえ、けっして叶わないことであると思っています。でも、少し世の中を見渡せば誰でも気づくことですが、医療の進歩で難病が治療できるようになったり、電気で自動車が走ったり、皆が携帯電話を持ったりしている技術革新は、全て「こうなればいいのに、という夢が実現したものです。逆説的にいえば「夢しか実現しない」ということです。少なくともこれからの未来を背負う子供達を教育している先生方には、放電して枯れてしまった大人の戯言「夢なんて・・・」と口にして欲しくないのです(そんな先生はいないと信じていますが・・・)。 話は変わりますが、夢を実現して新たに民間人校長として平成24年度から府立高校の校長先生になられる竹本三保校長先生と松本安雄校長先生が15日に研修のため本校を訪れました。当日は終業式や入学試験の準備で学校が多忙でありけっして満足のいく対応ができませんでしたが、よい機会でしたので、お二人に終業式で講話をお願いしました。 竹本先生は海上自衛隊の一佐(昔の大佐)で、女性初の地方協力本部長として東日本大震災では即応予備自衛官を招集し救援活動を支えてこられました。ご自身が震災復興で活躍されたこともあり、自衛隊の震災復興支援と国防の重要性を話されました。 松本先生は三洋電機コンシューマーエレクトロニクスでリビング商品企画部長として活躍されていましたので、3つのリンゴの逸話から、アップル創業者の故スティーブジョブスの言葉を引用し、生徒に夢を抱かせる話をしていただきました。あらためて竹本、松本両校長先生にお礼を申し上げます。私も民間人校長として河南高校の校長を拝命して3年が経とうとしています。両校長先生にはそれぞれの持ち味を生かして夢のある学校経営・学校改革を推進して頂きたいと願っています。応援しています。生徒達には世の中を変えるくらいの大きな夢を持ち自己成就する大切さを訴え続けたいと思います。なぜなら「夢」しか実現しないのですから。 |
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| 2012年2月 インセンティブ 「人はインセンティブにより行動する」と経済学では定義されています。インセンティブとは、人は費用と便益を天秤にかけてプラスに作用する方向に動くというものです。簡単な例を挙げますと、プロ野球選手の年俸に打率やホームラン数に応じて別途支給される出来高払いや、一般企業でも営業成績が特に優秀な社員に特別賞与を与えるといったものです。もちろん逆のインセンティブもあって、例えば飲酒運転の罰金が法改正によって多額になったために飲酒運転が減少するといった例も多々あります。人のプラスになる行動を引き出すために、あるいはマイナスの行動を抑制するために、インセンティブは有効な手段になりえます。インセンティブが(行動の)誘因と訳される所以です。 さて、学校現場においても学業やクラブ活動で顕著な実績を上げた生徒、あるいは善行を行い周囲に良い影響を与えた生徒は称賛されます。校長としてできるだけ広く生徒の良い面を発見して表彰等を通じて光をあてたいと思っています。逆は、校則を厳格に適用してルール違反を減少させる方法です。ルールを守ることは、学校生活はもちろん、将来社会人になったときに重要です。でも、もし実態に合わなくなったルールがあれば、生徒自治会活動で意見を表明し民主的な手順を踏んで変更していく行動も求められます。生徒からの自主的な申し出を待っています。 ところで、昨日、学力向上委員会(校長・教頭・首席・指導教諭の6名で構成)で「勉強マイレージ」(家庭学習時間の増加をめざして自己の勉強時間を日々記録するとりくみ)を検討しました。1ヵ月に100時間をベストプラクティスと規定して指導することを決めたのですが、達成者に何かご褒美を、と考えています。自分の頑張りを担任の先生はもちろん、進路指導部の先生、校長も知っている。大したものはできませんが形に表したいと思っています。要領は悪くてもいいので愚直に努力をする生徒を増やしたい。辛いこと、嫌なことから逃げずに頑張るこころを育てたい。 今、同委員会では「土曜講習会の受講者増加」「進学クラブの新設」「英検の受験者増加」「クラブ活動と学習指導の融合」「スタディーサポートの活用」「平成25年度から週2回7時限授業の導入」等、学力向上につながるインセンティブを検討しています。 |
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2012年1月 クラブ活動ができる進学校 28日に女子バスケットボール部の新人戦(中央大会)の応援に行ってきました。その日は市岡高校との対戦でしたが、危なげない試合運びで119対40のスコアで勝ちました。試合が終わって帰ろうとスタンド席の階段を下りた所で選手たちが待ってくれていました。礼儀正しく大きな声で「応援ありがとうございました」「反省お願いします」と感謝の言葉と試合の感想を尋ねてきたのです。私は試合の頑張りを褒めて、翌日に対戦する羽衣学園との試合も勝負にこだわらず実力を出して悔いのない試合をして下さい、と伝えました。高等学校におけるクラブ活動は一部の学校を除いてプロの選手を養成する場ではありません。クラブ活動も重要な教育活動であると思っています。運動部に限らず文化部であっても技を磨くと共に礼儀を身につけ、指導者・先輩を敬い、部員(仲間)と協力することで社会性を学ぶことに意味があるのです。 ある知り合いの外国の方から日本では子供が親や先生を尊敬していない、それが不思議であり問題であると聞いたことがあります。もちろん上から目線で威張るだけでは駄目です。子供達(生徒達)の立場に立って共に考え行動することの必要性は変わりません。しかし、それに加えて、育ててくれた親や先生を尊敬しお世話になった方々に感謝する心が大切です。彼女たちの行動はクラブ活動では当然の行動かもしれませんが、高校生らしい清々しさを感じました。
この普遍的な価値観をもう一度学校全体で再構築する時かも知れません。本校は勉強だけではなく、クラブ活動だけでもない、その両方ができて学力・体力に加えて心も豊かな人間を育む「クラブ活動ができる進学校」です。このフレーズは、クラブ活動の顧問をしてくれているある先生が何気なくいった言葉です。文武両道といえば堅苦しいですが、「クラブ活動ができる進学校」をさらに推し進めたいと思っています。 ※女子バスケットボール部は、翌日の羽衣学園にも勝利してベスト8まで勝ち進んでいます。 |
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2011年12月 第1回河南杯ソフトテニス大会開催 12月18日(日)富田林中野テニスコートにおいて近隣地域(富田林市、羽曳野市、大阪狭山市、河南町、太子町)の中学校女子ソフトテニス部を対象に第1回河南杯ソフトテニス大会を開催しました。河南高校の女子ソフトテニス部は近畿大会に常時出場するほどの実力ですが、ふだんより地域中学校に技術指導を行うなど地元の中学校との交流を深めています。当日は7中学校から約100名の参加があり、高校生と中学生が交流試合形式でソフトテニスを楽しみました。 交流試合ですので、基本的に高校生と中学生が試合をするのですが、中学生ペアが高校生ペアを打ち負かす場合もあり、会場は大変賑わいました。 なお、夏休みには女子バスケットボール部が同様に河南杯を実施してくれました。 今後とも地域の中学生とクラブ活動を通じた交流に力を入れたいと思います。
創立100周年を控えて---その2 前回、同窓生のお話から河南高校の歴史をご披露しました。今回は、元教員の皆さんのお話からお伝えしたいと思います。戦後新制高校になってからの先生方7名に集まって頂きました。 当時の河南高校は普通科の内に家庭科・商業科(この2つは現在のコース制の位置づけです)があり別に工業科がありました。多様なコースをそろえた高等学校として、今でいう総合高校のような体裁を整えていたようです。お集まり頂いた先生方からは、河南高校に赴任してまず思った事が「金剛山が間近に見えるし田舎の学校に来たんだ」との共通の印象を持たれたようです。 また当時は、高等女学校のなごりで100畳敷きの作法室や広い調理室がありました。家庭科でこの施設を使い、昭和30年から食を中心とした宿泊実習を行いました。文化祭では、ぜんざいやドーナツを数百人分作って振舞っていました。進路指導は、戦争でひとり親になった生徒を企業が採用しない時期があって、採用して頂けるよう先生方が企業にお願いにあがることもありました。 昭和40年代は、進学希望者が増えて多くのコースを抱えたままカリキュラム対応を行っていて30数通りの選択科目(学校設定科目)の振り分けの詰めを徹夜で行っていました。後に予備校化反対の声もあり平等な授業に移行した。また、時代を象徴するエピソードとして、大学の学園紛争が本校にも飛び火して2日間図書室をバリケード封鎖し占拠する事件が発生しました。警察の介入や教員による実力行使の意見もありましたが生活指導部が中心となって対応しました。特に生指部長の先生が粘り強く対話と説得を行い自主的に解除させました。 クラブ活動では、ソフトボール部が国体で準優勝、軟式野球部が近畿大会で優勝、陸上競技でやり投げで国体優勝、昭和47年の第54回高校野球大阪府予選では決勝まで進んでいます。集まって頂いた先生方から、当時は若い先生が多くベテランの先生が意見を聞き任せてくれる風潮があった。ホームルームの時間を大切にして生徒の意見を尊重することで生徒自治会活動も活発であった。部活動指導で教師と生徒が一体となって良い結果をだした。この教員相互あるいは教員と生徒の良好な関係の積みかさねが、現在の人のつながりを大切にする「絆」精神を教育のバックボーンに据える河南の校風を育てました。 授業を大切にして皆で学ぶ、頑張るクラブ活動、活発な学校行事は現在も受け継がれています。「絆」は今年の流行語大賞の3位になったそうですが、原発事故の後処理も含めて震災後の復興は日本人が絆を深め、心を一つにして解決していかなくてはならない問題です。自分を高める努力は当然のこととして、他人を巻き込み個人では成し遂げない大きな課題に挑戦する人材を一人でも多く輩出したいと思っています。 |
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| 2011年11月 創立100周年を控えて 来年度に創立100周年を控えて、同窓生の方々と元教員の方々にそれぞれ13日と20日の日曜日に来校頂き、太平洋戦争中と戦後の混乱期から新制高校に移行する時期を中心にお話を伺いました。詳しくは100周年記念誌に掲載しホームページにもアップする予定ですが、私が印象に残った部分をかいつまんでご披露します。 今回は同窓生のお話です。
同窓生のお話から戦中・戦後の大変な時期のご苦労を垣間見る事ができました。次回の元教員の方々のお話で、より鮮明になりますが、長い歴史の中で少しずつ現在の河南高校のスタイルが形成されてきます。ひるがえって、今年は先生方に「最高の教育を目指して・・」から始まる学校教育目標をお願いしています。100周年を機に先人に感謝しながらも、勉強・クラブ活動・学校行事で最高のパフォーマンスを発揮したいと願っています。昨今の不確実な時代にあって「温故知新」も大切ですが、新しきを知るのみに止まることなく、新しきを創造する「温故創新」のスタンスで学校経営に取り組んでいきたいと思います。 |
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2011年10月 グローバル化に対応する人材づくり バブル経済が崩壊して失われた20年と言われる日本経済にあって、社会の様々なところで若者が厳しい状態にさらされています。例えば年金制度です。つい最近ニュースになりましたが、年金受給年齢を70歳まで段階的に引き上げる案が検討されています。加えて、年金受給年齢が引き上げられることにより定年が延長されれば、ますます新卒者の採用が控えられるでしょう。 また、今年度も40兆円の税収で90兆円の予算を組む我が国の債務残高は1,000兆円にも達するといわれています。この債務を返済する年代は若者達です。 政治も相対的に構成人員が多く、票につながる高齢者の立場を擁護する政策をとりがちです。端的にいえば、今の日本は未来という果実を食って生きながらえている国であるとも言えなくはありません。 また、目を外に転ずれば、グローバル化により好むと好まざるとに関わらず外国の若者との競争にさらされます。教育に携わる者として、この競争原理を認識させて将来に備え学力と体力と精神力を身につけさせたいと切に願っています。ただ競争は切磋琢磨することだと思っていますので、対立軸で見るのではなく協力関係を築くためにも、諸外国の若者とのコミュニケーションツールとして、とりわけ会話を中心とした「使える英語」が教育現場に求められる所以です。 「使える英語」教育も含めて、生徒達の学力・体力・精神力を鍛えることでグローバル化に対応し、私が前述した若者をとりまく危機に対して、堂々と誇りを持って立ち向かう日本人(若者)を育成する事が我々の責務であると思っています。危機という字は、危険の「危」(リスク)と機会(チャンス)「機」の二文字からなっています。危うい時にこそ勇気を持ってチャンスをgetして欲しいものです。
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2011年8月 軟式野球部準優勝! 今年の夏、河南高校軟式野球部は高校軟式野球大阪府大会決勝戦に進出しました。その前日の準決勝は日曜日でもあり応援に駆けつけました。準決勝、対大阪高校戦は、5回終了時で6対2と勝ちムードでしたが、本校のエースが連投で故障していたこともあり、途中で投手交代した途端に2点入れられてハラハラドキドキの試合展開になりました。しかし、試合終盤の8回からエースが再登場して何とか逃げ切りました。
決勝戦は仕事もあり応援に行くかどうか迷いましたが、優勝の瞬間を見たい衝動に駆られて仕事を早く片付けて試合会場(寝屋川公園野球場)に駆けつけました。到着した時点では、3回表裏が終了し2対2の同点でしたので一安心しました。というのも、準決勝のもたつきから、一方的な試合にならないか心配していたからです。でも、選手達は気合十分で随所に好プレーを見せてくれました。 結果は、ワンチャンスをものにした初芝富田林高校に4対3で惜敗しましたが、粘り強く精一杯力を出してくれました。優勝した初芝富田林高校には全国大会で頑張って欲しいと願っています。 さて、勝負は時の運と言います。確かに運に左右される事もあるでしょう。でも、優勝したチームは勝つべくして勝ったと思います。結局は努力の差、努力(練習)する時間と努力する方向性です。練習時間が長ければよいというものではないし、練習の目的をはっきりさせて集中して結果を出して欲しいものです。 本校は部活動が活発で、軟式野球部も例外なくグランドを使用できる時間が限られています。でも、それは大会に参加した多くの学校で事情は同じでしょう。また、勉強をせずに部活だけ頑張るのは高校の部活動としてはどうかと思います。勉強と部活の両立を果たして、来年こそは優勝して大阪府の代表として全国大会で活躍してくれることを期待しています。 |
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2011年7月 障がい者スポーツ 高橋明先生の講演から 去る7月4日に行いました「保護者と教職員の集い」という行事で障がい者スポーツに長年携わっておられる高橋 明先生に講演をお願いしました。 高橋先生とは私が信用金庫で研修の仕事に携わっている時に、講演をお願いしたご縁で、ご多忙の中講師を引き受けて頂きました。「可能性を信じて」と題したその講演は、私達が障がい者と同じ目線に立って不自由なところを手助けすることで健常者と同じようにスポーツを楽しむ事ができる。ちょうどゴルフのハンディキャップや柔道など格闘技における体重別で競技するのと同じように。また、障がい者のオリンピックであるパラリンピックの100m走の記録は10秒台とオリンピック記録と1秒程度の差でしかないことや障がいを持つプロテニスプレイヤーの話等々、ややもすると、できない理由を並べ立てて自分の壁を破ろうとしない人が増えている昨今、とても有意義な講演をしていただきました。 そして、講演の最後の方では、朝日新聞の投稿から、大縄とび大会で「とぶ事が不得意な生徒を回数を数える役として出場させるか否か」悩む小学校の先生の話がありました。クラス討議を重ねるうち「優勝しなくても良いから全員で大縄をとびたい」との意見でクラスがまとまり、結果その子も加わって確か70数回飛ぶことができました。最下位に終わったけれどクラス全員で達成感を味わう姿が紹介されとても感動しました。 私は講演に先立ち、冒頭の挨拶のなかで「勉強ができない子(生徒)はいません、でも勉強をしない子(生徒)はいます」と申し上げました。これは「努力に勝る精進なし」を言いたかったのですが、反対に自分だけ良ければ的な発想を助長する風潮が教育現場にまで押し寄せることにはやや違和感を覚えます。 学校は社会の縮図です。それぞれ得意・不得意の多様性があって、それを認め、補い、助けあう気持ちで社会性を学ぶのです。個人が可能性を信じて努力を重ね成長する。このとても大切な営みは仲間と切磋琢磨することが前提となります。人を押しのけることではなく、人と協調して(つながって)個人の努力では達成できないことを成し遂げることの大切さを学んで欲しいと思います。 この度、高橋先生には80名を超す保護者の前で講演いただきましたが、再度生徒達に熱いメッセージをお願いしたいと思います。ありがとうございました |
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2011年6月 授業研究 大阪の教育力向上プランに「授業力の向上」という大項目があります。先生方の最も大切な仕事はもちろん授業です。でも、授業力向上を単なるスローガンとして片づけるには奥の深い問題があります。 ひとつは、授業で用いる教材は副教材も含めて学校単位で決定しており教える進度も調整している。教師が自由に(勝手にではない)オリジナルな授業がしにくい制約要因がある。他方、教えることは、つきつめればコミュニケーション能力の多寡であり授業力の大きなウエイトを占めています。他にもありますが、この2点から授業について考えてみたいと思います。 前述について、最近あるテレビ番組で灘中・高の伝説の教師といわれる橋本 武さん(98歳)のことを知りました。橋本さんは、戦後教材がなかったこともあり小説「銀の匙」(中 勘助作)を題材にずっと国語の授業を行いました。えっ、小説一冊で?と思いましたが、橋本さんの授業風景を見て直ぐに納得しました。 その授業は、まず教科書からではなく『遊ぶと学ぶ、の同じ「ぶ」で終わる動詞を思いつく限り書いてごらん』、と始まり『せいぜい20語程度しか思い浮かばんだろう、もっと言葉を知らないと』とさりげなく学ぶ大切さを諭しながらも『学ぶことはしんどいので遊ぶ感覚で』とも付け加えています。また、宿題をする時は、まず自分で言葉の意味を考えてなお分からなければ辞書をひくようにと指示しています。 今は子供もインターネットをつかって自由に手軽に知識を得ることができます。しかし橋本先生は『すぐに役立つものはすぐにダメになる』とあえて時間をかけて自分で考えることを勧めます。 ひるがえって、先生方も組織の一員ですので、ルールに従って組織或いは社会が求めるように授業を行わなければなりません。でも、少し脱線してもどんどん横に広がっていく知的好奇心をくすぐるような授業もあって良いのでは、とも思います。個人的にはオリジナリティーに満ちた授業が好きですし、ひきつける魅力を感じない四角四面の授業は、自分の頭で考えようとしないマニュアル型人間を大量生産しているのではないのでしょうか。 他方コミュニケーション能力は、社交的か否か、との性格や資質に負うところが大きいし口下手な人は少ししんどい所があります。ちょうど営業トークの練習方法にロールプレイングというのがありますが、口下手な人は教室で先生というロール(役)をプレイング(演じる)ことに専念して観客(生徒)に響く授業を行って欲しいものです。授業を教える技は経験から学べるでしょうが、生徒の心に響く授業は、真に先生の伝えたい、理解させたいとの熱意に左右されるのですから。 |
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2011年4月 最高の教育を目指し輝く生徒を創る 去る4月8日に第66期生の入学式を行いました。どの生徒を見ても初々しくて『河南高校の主役は、君達一人ひとりであり、それぞれが眩いばかりの青春を謳歌して欲しい』とのメッセージで入学式の式辞を締めくくりました。 式辞に先立ち、東日本大震災で被災された多くの方々にお悔やみとお見舞いを申し上げると共に、こうして無事入学式を挙行できることに感謝しようとの言葉を述べました。 連日、メディアで福島第一原発の事故と頻繁に発生する余震の報道がなされています。被災地の皆さんは、さぞかしご心配されていることと思います。本校でも生徒会が中心となって義援金活動をしたいとの申し出があり募金活動をしてくれました。さらに、他の府立学校でも生徒会・クラブ活動単位で熱心に募金活動をしてくれています。この思いやり、助け合いの精神はとても尊いし今後も育んでいきたいと思っています。 少し前に行われた春の選抜高校野球で、創始学園高校の野山慎介主将が、スポーツマンらしく、堂々とかつ爽やかに『人は支えあい大きな困難も乗り越えられると信じています。頑張れ日本、今僕たちが出来るのは精いっぱい正々堂々と戦うことです』との感動的な選手宣誓をしてくれました。 被災地がとても大変な状態で、同じように苦しみを分かち合い何事も自粛する気持ちは同胞として痛いほどわかります。でも、今、しなくてはならないこと。それは、自粛という縮み思考に陥ることなく自分の役割を被災地の方ができない分、精いっぱい果たすことではないでしょうか?直接支援に関わっている方々のご苦労に敬意を表すると共に、今、私たちは生かされている自分に感謝して面前の職務に邁進したいと思います。 私も河南高校学校長を拝命して3年目に入りました。今年は、教職員の力を結集しALL河南で『最高の教育を目指し輝く生徒を創る』年にしたいと思います。 |
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2011年 3月 東日本大震災に思う 去る11日に発生した東日本大震災は、時間が経過するにつれて阪神大震災の1000倍とも言われるその猛威のすごさや奪われた人命・被害の大きさに驚かされます。亡くなった方々や被害にあわれた方々には心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。個人的なことで恐縮ですが、私の頭にふと浮かんだのが仙台で暮らす友人の安否がどうなのかとの心配でした。携帯電話で何度も連絡するもつながりませんでした。でも、ちょっと携帯を置いた隙に友人からの着歴がありました。無事でよかったと一安心しました。また、別の東京に住む友人は『ガスが止まって困っているのでカセットコンロを送ってほしい』との連絡があり急いでその準備をしました。友人ですらこの慌てようですから、ご家族や身内の方が被災された方はさぞかしご心配の事と思います。 ところで、このような天変地異が発生した時に、諸外国と比べて日本人は冷静に対応し、暴動や略奪行為が起こらないことが不思議そうに海外メディアで紹介されます。これは、混乱や弱みにつけこまない日本人の正しい倫理観(良心)があるからだ思います。同様に、助け合いや思いやりの気持ちも非常時にはとても大切になります。この良い点についてはグローバル化を避けたいものです。つい最近起こった携帯電話を使った不正入試事件では、日本人のモラルハザードが海外メディアから指摘されましたが、多くの日本人がもっている正しい倫理観(良心)は失われていません。社会全体に少なからず利己的な言動が見受けられる中、教育現場で良心に支えられた思いやりや助け合いの心を育む重要性を感じました。また、いったんこの様な非常事態に陥ると、普段は何気なく享受している豊かな生活も根底から覆されることを忘れてはなりません。家族を始め周りの人には『ありがとう』と言えますが、実は顔も名前も知らない人々のおかげで今の生活があることを感謝したいと思います。 震災の二次災害としてクローズアップされているのが東京電力福島第一原発の事故です。 多くの犠牲を出した1986年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の二の舞にならないよう、電力会社の作業員の方々は命がけで大惨事に至らないよう頑張って頂いています。被災現場の方々の努力に心から敬意を表したいと思います。 |
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2011年 1月 「夢」を叶える最善の方法 おけましておめでとうございます。 新年がはじまり11日(火)には3学期の始業式を行いました。前日が成人の日だったこともあり、始業式では生徒達に「高校生は年齢的にもう大人の仲間入りが近いので、新年にちなんで新たな目標を持って充実した日々を過ごして欲しい」との趣旨の挨拶をしました。よく1年の計は元旦にありといいますが、今までの怠惰な自分を反省して、新たな気持ちで目標に向かって努力を始めようと思った時は、そのスタート日が計画実行の初日すなわち元旦としての意味を持ちます。一度決めた事を初志貫徹できる人はよいのですが途中で気持ちが切れる人も多くいます。だから、三日坊主に終わっても、新たな目標を何度でも作り直して、1年の内に再挑戦の意味での元旦が何日あってもよいと思える柔軟性も必要なのではないでしょうか。 要は目標(夢)を持ち続ける事が重要です。最近よく日本の若者は夢が無いといわれます。特に大阪でこの傾向が強く、府立高校でも生徒達に夢を持たせることを目標に、道徳教育に軸足を置いた「志」学が今年からスタートします。従来までの教科指導のように具体的に何を教えるのかが学習指導要領で示されているのではなく「夢」を持たせるために各学校で工夫を凝らした授業にすることが求められます。具体的に何をするかは先生方が考えてくれていますが、一人ひとり境遇・価値観・性格等が異なる生徒達が夢を持つためには、先生に限らずいろんな人の話を聞いて本などで調べて行動する中から生徒自身が考え抜いて答えを見つけ出す形になるでしょう。従来の価値観にとらわれない多種多様な「なりたい自分」が出てくることを期待しています。 でも、普通科高校である本校では「なりたい自分」を目指す自己実現の主流が進学(大学・専門学校等)である事は間違いありません。昨年ある電子系の専門学校の方に聞いたのですが、専門学校で2年間勉強した後に有名な国立大学の工学部に編入試験で合格する学生さんもいるようです。入口が専門学校だったけど卒業は国立大学工学部。編入試験で合格することは大変な努力でしょうが、視点を変えれば「なりたい自分」を目指して夢を持ちそれを叶える方法はたくさん見えてきます。 夢を持ち、くじけそうになっても何度でも挑戦し、固定観念を捨てて柔軟に考えることが夢を叶える最善の方法だと思います。 |
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| 2010年 12月 世紀の大発見から見えるもの(一般入試にトライする諸君へ) 筑披大学の渡邉信教授と仮谷邦光特任教授らの研究チームが沖縄の海に生息する石油を作る藻類「才一ランチオキトリウム」を発見したと発表しました。これまでも藻類が炭化水素を合成することは知られており、これから石油化学工業の原料であるナフサや軽油・ガソリンなどを作ることができます。渡邉教授らによれば、今回発見されたオーランチオキトリウムは、これまで石油を作る藻として有望視されていたボトリオコッカスの1O倍〜12倍の能カを有すると言います。 これは1メートルの深さのプールで培養すれぱ琵琶湖の3分の1の広さあるいは全国の休耕田の1O分の1の広さで日本が年間に輸入する石油に相当する分量が確保できる見込みとのことです。これは資源のない日本にとって朗報です。本当に試算通りに大量生産できれば新たな産業や雇用の創出につながります。特に職が無くて困っている若者にとって救いの神になる可能性を秘めています。そして石油の利権を求めて戦争をしてきた人類にとっても良いことに違いありません。 同様に人類全体に貢献するような発見に1929年にアレキサンダーフレミングによって発見されたペニシリンがあります。このペニシリンの発見は、ブドウ球菌の研究をしていたフレミングが、菌の培養実験に使ったシャレーをきれいに洗わず窓際の机上に放っておいたことに端を発します。どこからともなく青カビの胞子が飛んできてシャレーで青カビが育ちました。でも、よく見るとその青カビの周りにはブドウ球菌が増殖していない。ひょっとして」という気づきが世紀の大発見につながりました。 これらの大きな発見に至るには3つの要素があります。 @集中:とにかく集中して打ち込むこと A客観視:見つめなおすこと。壁にぶち当たったら少し肩のカを抜いて自分を見つめなおすと『思わぬ気づき」につながります B信じる:努カをする人には天が味方する、ということです。 この話は3年生諸君にもっとも伝えたい事です。年が明ければ15日からセンター試験が始まります。国公立大学を目指す諸君にとって、またセンター試験の結果をもって私立大学を受験する諸君も正念場です。だからこそ残された時間を大切に集中して受験勉強をしましょう。でも、頑張りすぎて体調を崩すと貴重な時間の浪費になります。また、行き詰まりを感じたらあせらず肩のカを抜いてリラックスしてください。試験は勉強した以上に答えることはできません。でも、直前に勉強した範囲から出題されることもあるのですから、最後まで、諦めず、粘りぬいて、突破してく ださい。。 |
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| 2010年 11月その2 嬉しい出来事 今月は嬉しい出来事が沢山あります。一つは2年生の永月 心さんが11月6日(土)に読 売新聞大阪本社行われた「第54回大阪府学生科学賞」の授賞式に出席し「最優秀」の表彰 を受けた事です。研究テーマは「磁場の物質への作用について」というもので、そのレポ ートが高い評価を受けました。難しい分野の研究でしたが、永月さんの努力に祝福を送り たいと思います。 もう一つは男子ソフトテニス部(武内弘孝、小岸健太、藤田真二、牧山和真岩田凌侑、 森川祐資、山際翔太、出島慎也)が大阪総合体育大会団体戦で準優勝の栄誉に輝いた事で す。残念ながら、優勝は私立の雄上之宮高校にさらわれましたが、よく頑張ってくれまし た。他にも演劇部が地域の予選で優勝して11月13日(土)よみうり文化ホールで地区の代 表として日頃の練習の成果を披露してくれます。さらに、近隣に在住する女性の方が、本 校のバスケットボール部の生徒が財布を拾い警察に届けた事に対してお礼を言いに来校さ れたことです。実は、このようなトピックスは学年通信等を通じて在校生に知らされるの ですが、保護者や同窓生・地域の方々にも広く知って頂きたくて校長室だよりで取りあげ ました。 ところで、先日韓国の政府関係、教師、生徒の35名からなる視察団を受け入れました。 韓国では受験競争が厳しく学校は勉強ばかりです。そして、学校の授業が終わっても午後 10時まで自宅学習をし、さらに学習塾に通い毎日15〜16時間勉強をするそうです。これで は生きていくための食事や睡眠の生理的な時間以外は勉強していることになります。勿論 韓国の全ての高校生がこの様な生活を送っているとも思えませんが、挫折から若者の自殺 も問題になっています。そこで韓国でも勉強とスポーツをバランスよく教育する必要性が 高まり今回の視察につながったようです。高校時代は、頭脳も身体も一番よく成長する時 期です。大人になる直前でもあり正義感や思いやり等の情緒の発達も欠かせません。勉強 ばかり運動ばかりではなく、やるときはやる集中力こそが大切です。いくら部活動で疲れ ていても自分で決めた時間は勉強する。その姿勢が生徒自身の将来を決定するし、学校と しても最も力を入れているところです。 |
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| 2010年 11月 熱心な先生 このホームページをご覧になっている方々は先生がどのような仕事をしているかご存知でしょうか?何となく知っているが詳しくは知らないという方が多いのではないでしょうか。 私も民間企業から転職して今があるのですが、この世界に入って教師の仕事はとても幅が広くて奥深いものがあることを知りました。もちろん授業がメインになることは間違いないのですが、クラブ活動の指導や進路指導・生活指導に加えて、PTA等の対外的な仕事を行う総務、生徒達の健康面に配慮する保健等々の分掌という仕事があります。授業で学問を教えること以外にクラス担任とこれらの分掌の仕事がマトリックスになって教師の仕事を構成しています。これに加えて、本校は2年後に創立100周年を迎えますので記念誌の編纂、記念行事の企画・進行もそうです。そういえば学校に配布された教員用パソコンのセッティングも教師自身が行っていました。 このように多岐にわたる仕事をこなす必要性から、少し前に行われた教師の時間外業務時間の調査では、全日制の学校で1割以上の者が月80時間以上の時間外勤務を行っているとの結果が出ました。本校でも部活指導をしている方を中心に多くの先生が土・日曜日も休まず頑張っています。でも皆さんからはこの不景気の中、民間企業ではもっと仕事をしているし心身ともに血のにじむ努力をしている、とのお叱りを受けるかも知れません。しかし、教師の仕事の特性として学校にいるときだけではなく、帰宅してからも翌日の授業の準備や生徒に配るペーパーの原稿作り等、仕事とプライベートの線引きがしづらい職業であることは確かです。割り切って考えれば、最低限の規定通りに職務を遂行していれば文句は言われません。 でも、まったくの私見ですが概して先生は真面目で手を抜くことが下手な人が多いと思います。その証拠に心を病む人が多いのです。もちろん大切な生徒を預かっているので手抜きが許されないのは当然です。また、子供達の心に響く指導は本気の心のぶつかりあいが必要です。だからこそ勤務時間の長さだけではなく、プライベートも大切にして心をリフレッシュした状態で仕事に打ち込んで欲しいと思います。管理職として熱心な先生を応援し教育に集中できる環境創りを最優先していますし、さらに組織としての校内のコミュニケーションを活性化したいと思います。ある経営学者は組織の業績は愛(思いやり)が不可欠であると言っていました。マザーテレサは「愛の反対は無関心である」と言ったそうですが、子供達にも先生方にもさらに関心を持って接していきたいと思います。 |
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| 2010年 9月 オンリー1を目指して 以前にSMAPの「世界にひとつの花」と言う歌が流行りました。ナンバー1よりオンリー1を称賛する歌であったように記憶しています。 この歌を聞いたときに、「いやオンリー1を目指すことは、場合によってはナンバー1より難しいのでは」と感じたものです。 しかし、今の日本の現状を見た時に、経済も政治も含めて社会全体がこのオンリー1を目指す方向しかないのではないかと思い始めています。 ここでその実践を考えるヒントとして野球とベースボールをあげたいと思います。導入時はもの真似であっても、野球は日本の文化に溶け込んで独自に発展してきました。私が子供の頃は「日本の野球はパワーと技術の双方でとても大リーグには及ばない」との印象を持ったものです。しかし、野茂英雄にはじまりイチローや松井秀樹が大リーグで活躍し、特にイチローは10年連続200本安打という前人未到の記録を達成し、大リーグが主導したワールド・ベースボール・クラシックにおいても日本の「野球」は二連覇を達成しました。この時点で野球はベースボールと同等かそれを追い越したのではないかと思います。私は野球の専門家ではないので詳しくは分かりませんが、日本の野球は、練習量に支えられた緻密なプレーでベースボールを上回っていることは確かなようです 今、日本では自国でしか通用しないガラパゴス化という言葉がよく用いられます。グローバル化の反対語として言われているのでしょうが、でも単に外国の真似をする時代は、戦後に欧米先進国のキャッチアップに成功した時点で終わり告げ、新たな分野を開拓するオリジナリティーが求められています。 学校は勉強をする場ですので、一定の学力をきっちりと保障し、安定した社会の実現に資する事が第一義です。それに加えて、冷静な判断力をもって、他人とは違うやり方で、世界のオンリー1を目指す若者を輩出する役割も期待されているのではないでしょうか。 |
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| 2010年 8月 真の公平とは? 今日から実質2学期が始まりました。始業式で、夏休みを終え元気な生徒達の顔を見ると何となくホッとします。2学期は、文化祭・体育祭の行事があり、また読書・スポーツの秋でもあります。勉強、クラブ活動、行事にと充実した豊かな時間を過ごして欲しいと思います。 さて、個人的に好きな英単語にjustice(正義)とhonest(正直)があります。私の子供の頃によくあった正義の味方が必ず勝つ勧善懲悪ものや正直な主人公が努力を重ねて成功する類のテレビ番組や映画が少なくなったように思います。 そう思っていると本のベストセラー紹介で「これからの正義の話をしよう」マイケルサンデル著がありました。NHKで、著者のマイケルサンデルがハーバード大学で哲学の講義をしているのを見たこともあり仕事帰りに買って帰りました。その本の第6章、平等をめぐる議論の一節に「社会のどこに生まれるかを自分で決められないように、生来の資質も自分では決められない。能力を開花させるために努力するという優れた性質を備えているからと言って、それは自分にその価値があるからだと考えるのも問題だ。このような性質は、恵まれた家庭や幼少期の社会環境など、自分の功績とは呼べないものによるところが大きいからである。」と記されています。 実は、民間企業から校長に転職して「学力格差は所得格差」である、との教育界の通説を知りました。それには二つの意味で落胆を感じました。ひとつは、それほど環境に流される子供が多いのかという事と、もうひとつは、資質の差、環境の差を乗り越えて向上する事ができるという自律心を持って欲しいとの願いからです。資質・環境の差はいくら世の中が進歩・発展しても埋められるものではありません。それは、社会が保障すべきは結果ではなく機会の公平性であるからです。本校の生徒達も進学してあるいは就職して最終的に社会に巣立ちます。そこでは努力が報われないと感じたり、能力や正義感を持ち合わせていなくてもうまく立ち回って成功する人に理不尽を感じるかもしれません。それを乗り越える強さを備えてほしいものです。 つい最近、私的な校長の勉強会の発表においても母子家庭の生徒が退学する比率が高い、との発表を聞きました。やはりそうなのかと残念に思っていると成績が良い生徒(がんばる生徒)も同じような比率で母子家庭の生徒が居る事を聞いて安心しました。学校は、がんばる生徒をより強く、折れかけている子供を勇気づける事で、昨日の自分より今日成長し明日はもっと成長する事を体験させる場である事を再確認しました。 |
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| 2010年 7月その2 躍動! 昨日(22日)、舞洲で行われた野球の大阪府予選とソフトテニス近畿大会の応援に行ってきました。午前9時から硬式野球部の試合が始まりましたが、対戦相 手の城東工科高校に5対0で完敗しました。本校もヒットを7本打ちましたが、散発に終わり得点にはつながりませんでした。城東工科高校野球部のみなさん には、さらに勝ち上がって欲しいと願っています。 試合は残念な結果に終わりましたが、野球観戦の最中に嬉しいことが二つありました。一つは、富田林の少年野球チームのちびっこ達が本校の応援に加わ ってくれたことです(写真オレンジ色のユニフォーム)。もう一つは、9回表の守備で、ヒット性の当たりをセカンドが好捕し、直接グラブからショートにト スをして一塁送球アウト、というまさに大リーグさながらファインプレイを見せてくれたことです。敗戦の中にも何か得るものがあった野球場を後にしてテ ニスコートに移動しました。 ソフトテニス部は、男・女ともに近畿大会に出場しているので、先に女子の和歌山北高校との試合を、次に男子の和歌山工業高 校との試合を応援しました。両方の試合とも3チームによる団体戦ですが、男・女共に危なげなく3−0で1回戦を突破することができました。私も高校時代 はソフトテニス(当時は軟式テニス)をしていましたが、当時の自分より、今の本校の生徒達のほうが上手だなあと感心しました。 残念ながら、半日の夏休みをとっての部活応援でしたので、男子の試合が終わると直ぐに顧問の先生に次も頑張って下さい、と言い残して学校に向かいま した。勝ちも負けもあった部活の応援でしたが、この炎天下で、力強く躍動する生徒達の命の息吹を感じることができました。また、熱心に応援に来て頂い た保護者やOBの方々には心より感謝したいと思います。
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| 2010年 7月 限界を設けず、頑張ろう! 今、一学期末テストの最中です。それぞれの生徒が、授業で習ったことの振り返りの意味で存分に力を発揮して欲しいと思います。 さて、以前にこの欄で、一流になる人とそうでない人の違いは集中力にある、と書いたことがあります。また、ゴルフの石川 遼は天賦の才能に恵まれて、それを開花させた云々とも書きました。でも、上田桃子や古閑美保をはじめ多くのプロゴルファーを輩出している坂田信弘氏(坂田塾塾長)によれば、入塾時の選考では本人を見ないそうです。それは、努力しさえすれば、誰でもプロゴルファーになることができるとの信念からです。 だとすれば、一流(成功)とそうでない人の違いは、努力の差であることは間違いありません。努力を促すものは、好きなもの、興味あるものに対する好奇心と時間の制約を克服し自分のものにする集中力です。 石川 遼に話を戻しますと、彼のゴルフは飛距離を追及した挑戦的で大きなゴルフです。そのプレーは、なるほど、と人をうならせます。しかしそれ以上に、インタビューの受け答えと海外での達者な英語力には感心させられる方も多いのではないでしょうか。 彼は、高校時代、遠征などで授業に出る機会も少なかったけれど、遠征先には必ず教科書を持参し級友からFAXでノートを送ってもらって勉強していました。また、移動時間も無駄にせず同行のキャディーさんが寝ている間も、睡眠時間を削って努力しました。その甲斐あって、テストではクラス1番になったこともあるそうです。 資質の公平性から言えば、人は誰でも生まれたときの脳細胞は140億個あります。その後、1年毎に1億個の脳細胞が減少していくので70歳になったときの脳細胞は半減します。この過程は万人に共通しています。しかし、記憶する・考える・判断する・想像するなどの脳の活動は脳細胞の数ではなく、そのネットワークから生まれます。勉強をすること、練習することはまさしくこのネットワーク作りなのです。ある方から、東大に代表されるような一流大学卒のエリート達は、決して賢いのではなく、限られた時間内に、読み・考え(記憶を呼び戻し)・答えを出す情報処理能力に長けているだけなのです、と教えてもらったことがあります。そう言えば、テストは限られた時間で、できる問題から解いていくことが要求されます。全てのテストには答えが用意されています。 学力を、「試験を突破する能力」と読み替えれば、生来生まれ持った資質に関係なく、ある意味では、遺伝的な身体能力が基礎になるスポーツよりも公平であるのかもしれません。その意味でも、生徒達には、自分に限界を設けず頑張って欲しいと願っています。 |
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| 2010年 6月 軟式野球部 近畿大会ベスト8おめでとう! 本校のクラブ活動一番乗りで軟式野球部が近畿大会出場を果たしました。 昨年の秋に引き続いての近畿大会出場です。大阪府代表4校の内で、公立高校は本校だけです。また、代表校4校中3校が富田林の高校なのです(昨年の近畿大会で優勝した初芝富田林高校と硬式野球でも有名なPL学園高校と本校)。 さらに、今年は、地元富田林市の総合運動公園野球場が近畿大会の会場でもあり、地の利も得て是非とも近畿大会で活躍を願っていたのですが、2回戦で和歌山県立新宮高校に6対0と完敗しました。それでも一回戦は、奈良県2位の奈良学園高校に1対0で辛勝してくれたので、昨年の近畿大会一回戦敗退より 一歩前進しました。 近畿大会の出場を決めて軟式野球部員達が校長室に挨拶に来てくれた時、彼らが凛々しくとても輝いて見えました。本校は、クラブ活動が盛んな学校です。野球も硬式と軟式の両方があり、サッカー部や陸上部・ソフトボール部等グランドを使うクラブは沢山あります。どのクラブも日・時を分け合って練習に励んでいます。制約がある中での成果は価値があると思います。 私は常日頃、全校生徒の90%以上が、何らかの部活動で頑張っていることが河南の誇りであると考えています。勝つこと、上手くなること、に加えて、友達を作ること、ルールを身につけること、を期待しているからです。とは言え、勝つことは自信を生みます。自信は成長を促します。軟式野球部のみならず男・女ソフトテニス部も近畿大会の出場を決めていますし、文化部でも、和太鼓部や筝曲部等も近畿高等学校総合文化祭で活躍しています。
本校は2012年に創立100周年を迎えます。100周年の節目を迎えるにあたり、クラブ活動だけではなく、進路(進学、就職)、地域貢献等、何でも良いのでエポックメイキング的な※成果を出したいと考えています。それにはまず、生徒達に、@ 諸先輩の努力と家庭・地域社会の支援のお陰で今があること A創立100年を迎えようとしている伝統校の生徒であること、の自覚を持たせることが第一歩となります。生徒達を励まし、勇気付けることで、これまでの河南とは一味違ったエポックメイキングな成果を目指して努力したいと思います。 (※成果は、意図し努力することで成るべくしてなった結果であり、偶然の要素も含まれる結果だけを追い求めているのではありません。) |
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| 2010年 5月 「良い習慣を身につけよう」) 1996年にスティーブンRコヴィーによって出筆された「7つの習慣」という本があります。37ケ国語に翻訳され 全世界で1500万部を突破したその名著は、小手先のスキルにとらわれず、 @主体性を発揮する、 A目的を持って始める、 B重要事項を優先する、 CWin-Winを考える、 D理解してから理解される、 E相乗効果を発揮する、 F刃を研ぐ(能力を鍛える) などの習慣化された行動(生き方)が人生を成功に導くことを説いています。あえて 、冒頭にこの本の紹介をしたのは、なるほど自分自身を振り返っても、良きにつけ悪しきにつけ日々の行動は習 慣に支配されていることを実感しているからです。 ひるがえって生徒達のことを考えると、大人になる手前の多 感な時期であり、この時期に習慣化されることは、一人ひとりの人生を左右する可能性が高いといえます。例え ば、Fを重視して、幼い頃からひとつの事に集中して英才教育を施す中で人生の成功をつかもうとする事もひと つの考えでしょう。例えば、ゴルフの石川 遼のように、天賦の才能に恵まれ、親が見込んだ方向性と子供の才 能が合致すれば素晴らしい成功者になれるに違いありません。でも、なかなか自分の夢が見つからず苦悩する大 多数の生徒には、早い時期に人生の方向性を決定することには無理があり失敗したときのリスク(挫折感等)も つきまといます。 公立の普通科高校にあって、1,000名以上の生徒を預かる本校は、生徒たちの主体性を信じな がらも良い習慣づけができるよう、勉強に、部活動に、学校行事に、と地道に指導することで最大公約数的に生 徒の多様性に応えています。あわせて、一人ひとりの能力を最大限に伸張させる努力も期待されています。学校 で授業をする日数は、年間わずか180日弱です。また、高校生活は3年間の時間的制約もあります。夢(進路) が決まらず悩んで時間を浪費するくらいなら、とにかく進学にそなえて、早期に受験勉強を始めることがとても 大切です。 先生方には、 @1コマ1コマの授業を大切にする A勉強に興味を抱かせる工夫された授業を心掛け る B適正な宿題を課すことで家庭学習の良い習慣をつけさせる ことをお願いしています。 勉強に限らず、良い 習慣が、良い人生を歩む基本となることを再認識しましょう。 |
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| 2010年 4月 新たな始まりに向けて(熱意と創意をもった授業を) 入学式も終わり400名の新入生が河南高校に集いました。昨年同様、朝正門で挨拶指導をしていますが、皆、元気よく「おはようございます」と返してくれます。非常にうれしい限りです。入学式の式辞でも述べましたが、高校生といえども社会生活を営む一人の人間として挨拶はとても大切です。加えて、ルールを守ることも求められます。今年度は生徒数が増えたこともありルール(校則)の遵守と挨拶の励行が出発点になります。まず、ルールを守り人に迷惑をかけないことを徹底していきたいと思います。 さて、新たな年度が始まり、学校として生徒に何を訴えどんな生徒に育てたいのか、今考えているところですが、はっきりしているのは「学力の向上」ではないでしょうか。「餅は餅屋」と言われるように、本業でしかも焦点を絞って、「当たり前のことを当たり前に実行していくこと」が、多様性に溢れた先の読めない時代にあって一番大切なことだと確信しています。学問に王道なしと言われますが、生徒には、授業を大切にして日々新たな気持ちを持って勉強に取組むことを期待しています。また、授業をする先生方にもマンネリズムに陥ることなく熱意と創意をもって授業に臨んで欲しいと思います。 今年は大学を卒業したての二人の新規採用の先生が配属されました。まだ、授業を拝見したわけではないですが、上手な授業よりも熱意のこもった心に響く授業を期待しています。ベテランは往々にして、自分のテクニックに頼るあまり、ややもするとごまかしの授業をするかもしれません(もちろん本校にはその様な先生はいませんが)。でも、自分の高校時代を振り返りますと、どこかに先生のごまかしややる気のなさを感じ取ったことがあり、とても厭な気分になったことがありました。思春期にある高校生は、人としては成長段階にあり未完成ですが感性は大人以上です。先生の本分は授業、生徒を感動させて成長(学力向上)を促すのは熱意のこもった言葉だけでしょう。新年度にあたり、先生方に大いに期待すると共に、自分自身も厳しく律しいきたいと思います。 |
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| 2010年 3月 終わりよければすべてよし 民間企業時代に「終わりよければすべてよし」が口癖のような上司がいました。若い頃の私は、この言葉を聞くと「なんだ、結果がよければ途中はどうであってもよいのか」とあまり快くこの言葉を受け止めてはいませんでした。しかし、自分が管理職になり直接業務から外れて部下に仕事を任す立場になると、この言葉が身に染みて現実味を帯びてきました。 学校でも企業でも3月で年度末を迎え4月から新たな年度が始まります。年度初めは「今年はこれを重点的に実施して成果をあげよう」と入念な計画の下、期待を胸にスタートを切ります。とはいっても、一寸先は闇、誰も未来は分かりません。組織の内と外から予期せぬ事態が起こった場合に慌てふためくことになります。しかし、良く考えてみれば、計画した通りに、うまく行くほうが稀であり自然です。また、結果が良くても、たまたま運が良かったのかもしれません。反対に結果が悪くても、努力の方向性が間違っていないなら、時間が足りなかったのかもしれません。 だから、結果の良し悪しは別にして、色々あったけれども、全員がその時に考えうる最善の努力をして期末を迎えることができた事に対する労いの意味で、その上司は「終わりよければすべてよし」と言っていたのでしょう。 前置きが長くなりましたが、去る2月24日に本校の卒業式がありました。卒業生代表が答辞の中で「お父さんお母さん、今まで育ててくれてありがとう」と感謝の言葉を言ってくれました。その自然な感謝の言葉(心)が、多くの保護者と来賓の皆さんの心に響き「良い卒業式でしたね」との感想につながったものと思っています。 そして今日、3学期の終業式を行いました。3年生が卒業したあと、1年生・2年生はそれぞれ新たな学年に進級します。新3年生は、進路実現に向けて、新2年生は学校の中心となる学年として頑張って欲しいと思います。また、生徒たちを支えてくれる先生方に、新年度も共に頑張って行こうとのエールも込めて感謝の言葉として「終わりよければすべてよし」と言いたいと思います。 |
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| 2010年 2月 先輩の頑張りに学ぼう 2月7日に行われた別府大分マラソンで、河南高校OBの井川重史(いがわあつし)さんが日本人トップの4位でゴールしました。井川さんは初マラソンで日本人トップの好成績を残しましたが、気負うことなく「そうきつくなかったけれど、かと言って快走できたわけでもない」と苦笑いを浮かべていたそうです。彼は、平成14年3月に河南高校を卒業してまだ25歳と、マラソンランナーとしてこれからが嘱望されます。 さて、井川さんは本校を卒業後京都産業大学に進み、現在の大塚製薬で陸上競技を続けています。高校時代はインターハイに出場した経験もなく、いわゆる陸上競技のエリート・アスリートではありません。しかし、社会人になってから「マラソンに挑戦する為にトラックで目標タイムを決め、それを破ってから挑戦しよう」と計画を立てて着実に実力を蓄えていったようです。 本校の陸上部の選手に聞くと、「OBとして学校に来ていただき一緒に走ってもらいました。僕は全力で走っているのに、井川先輩は余裕で話しかけてこられて、力量の差を肌で感じました」と思い出を語ってくれました。 井川さんのように、本校の卒業生が社会に出て活躍してくれることは本当に喜ばしい限りです。少し飛躍しますが、次のロンドン五輪で男子マラソンの日本代表として活躍して欲しいな、と夢は膨らむばかりです。 ところで、本校の生徒たちは、中学校でトップクラスの成績をとったエリートではありません。しかし、河南に入って努力することで着実に成長しています。また高校時代はそれほどでなくとも、大学に入って、或いは社会に出て井川選手のように頭角を現す人もいるでしょう。今回の先輩の頑張りに触発されて「その気になって努力すれば、いつでも夢はかなう」ことを体験する生徒を一人でも多く育てたいと思います。 |
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| 2010年 1月 『竜馬伝』のタイトルから あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 今日から3学期が始まりました。2年生は学年休業のために昨日から授業が始まっていますが、全員が揃いました。生徒たちが元気で、学校がにぎやかになると嬉しくなってきます。 ところで、今年のNHKの大河ドラマは、坂本竜馬を主人公とした『竜馬伝』です。確か以前にも『竜馬がゆく』という大河ドラマがありました。それほど日本人は竜馬好みである事の証なのでしょう。 でも、前回の『竜馬がゆく』が放映された時の日本の社会・経済状態と現在のそれとはかなり異なっています。低迷する経済、格差社会の現出、少子高齢化社会等から発生する問題が取り分け若年層に歪みを与えています。今回の『竜馬伝』は、三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎の視点を通じて坂本竜馬の生涯を描いており、第一部「夢を抱く人」(1月〜)、第2部「冒険者」(4月〜)、第3部「導く人」(7月〜)、第4部「希望」(9月〜最終回)の全4部で構成されているそうです。それぞれの部のタイトルが、今の日本の若者を勇気づけるキーワードのように思われます。 例えば、若年者の完全失業率は8.4%と平均値の5.2%(共に昨年11月現在)を大きく上回っています。ひるがえって就職率は、直近の統計でも大卒で62%、高卒で55%(共に昨年10月現在)という惨憺たる状況です。さらに、一時は一億総中流といわれた時代がありましたが、今では所得が中央値の半分に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」もOECD加盟国中メキシコ、トルコ、アメリカに次いで4位になり所得格差が広がっています。現在の日本を表す指標はこれら以外にも沢山ありますが、おしなべて悲観的なものが多いように思われます。 この様な状況下で、進路を模索する生徒たちに教えるべきことは、坂本竜馬のように世界に思いをはせ、既存の価値観に縛られず、若者らしく堂々と生き抜く自信をつけさせることではないでしょうか。『竜馬伝』のタイトルのように夢を抱かせ、挑戦する冒険心を喚起して、正しい未来に導き、希望を持った人生を歩ませることが、私たちに課せられた責務であると感じています。 |
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| 2009年 12月 可能性を秘めた輝く人創り 狭山高等学校の創立30周年記念式典でサキタハジメという「のこぎり演奏家」によるライブがありました。のこぎりによる演奏といえば、お笑いの横山ホットブラザースが思い出されますが、実際に演奏が始まると一つの楽器として、きっちりと音階を表現し十分に機能している事に驚きました。そしてヴァイオリンにも似た哀愁を帯びた音色の「泣き」が心に響く良い演奏でした。サキタ氏は、世界各国の「のこぎり音楽大会」で優勝したり、大阪フィルハーモニー交響楽団と競演したり、資生堂等のCM音楽を作曲したり、と大活躍しているそうです。サキタ氏は演奏の最後に生徒たちに向って「僕は高校時代に普通に音楽をしていたけれど、大学に入って始めてのこぎり演奏に出会い、一生を通じて付き合っていける仕事になりました」とのメッセージを伝えていました。 私は、生徒たちにこのメッセージがどのように伝わったのか確認したい衝動にかられました。それは次の二つの点でインパクトを受けたからです。 一つは、彼が普通の音楽をしていれば、今のように注目を集めただろうか、という点です。もう一つは、人との出会いや感銘を受けた本からその後の人生が変わったとは良く聞きますが、「モノ」との出会いでも人は変わることができるのだ、という点です。 例えば、ピアノとかヴァイオリン・ギターなどの多くの人が子供の頃から練習を積んでいる分野で、プロとして一流になるには相当の努力と才能が求められます。サキタ氏は、それを「のこぎり」という本来楽器でないもので素晴らしい音楽を奏でることができます。競合する人が多い分野で頭角を現すことは至難の業です。でも、人がやらないことを一早く取り入れ傾注することで、確固たる地位を築く事は比較的容易です。求められるのは「先見の明」です。高校生にとって、先を見通す能力は、これから益々変化し混迷を深めるであろう未来を、たくましく生き抜く必須の能力になると思います。 高校生も含めて、最近の若者は、真面目に言われたことをきっちりと行います。失敗を避けて無駄なく効率的に生きようとする傾向もうかがえます。バブル経済崩壊後、長引く不況で、大人たちに経済的にも精神的にも余裕がなくなりました。また、失敗を恐れるあまり、一種の免罪符としてマニュアル化が進みました。その結果、社会に閉塞感が漂い、@自分の頭で考え行動する、A失敗してもへこまずに別のやり方を考える、B既存の価値観に左右されずに新たなことに挑戦する事等が減りました。 この様な試行錯誤ができるのは未来のある若者の特権です。学校、家庭、地域等若者を取り巻く大人たちが、責任を持って子供たちの多様性を見守り、一定の枠に閉じ込めるのではなく、のびのびと育てる中で新たな可能性を秘めた輝く人創りにつながるのではないでしょうか。 2009年 11月 |
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| 2009年 10月
9月25日に体育大会が無事に終了しました。久しぶりに高等学校の体育祭を見たせいか「競技数が多いな」との印象を持ちましたが、生徒たちは元気よく競技に打ち込むと共に、応援合戦でも各学年が工夫を凝らした応援を披露してくれました。 体育大会が無事終了したことで、河南高校の大きな行事が終了したことになります。伊丹教頭先生から体育大会の閉めの挨拶で、「けじめをつけて勉強に集中するように」との話がありました。 2年生は10月13日から修学旅行に行きますが、中間試験の勉強はもとより3年生は受験に向って、1年生は高校生としての基礎学力を確立するために勉強に励んで下さい。 さて、体育大会翌日の26日には硬式野球部の応援に行ってきました。5回戦のベスト8をかけた大切な試合なので是非とも勝って欲しいと思う反面、対戦相手が東海大付属仰星高校でもあり、内心一方的な試合展開にならなければ良いがと危惧していました。でも球場に着くとそれは杞憂に終わりました。本校が7回途中で3対2とリードする場面もあり立派に戦っているのです。結果は残念ながら4対3で惜敗したものの選手たちは大きな自信を得たと思います。公立高校は練習時間に制約があります。加えて、本校は部活動が盛んでクラブ数も多く、運動場や体育館を各クラブが日・時を分けあって練習しています。でも、練習時間の制約にもかかわらず集中する事で生徒は成長するものだとも思います。 物事を極める人、つまり一流の人と二流で終わる人の差は「集中力」だと言われています。 15歳から18歳までの高校生活の限られた3年間で、「知育=どこまで学力を伸ばすのか」「体育=どこまで体力をつけるのか」「徳育=どこまで人間的に成長させるのか」 主体はもちろん生徒ですが、生徒の可能性を信じて、励まし、自信をつけさせて、「集中力」をつける教育が本校の全教職員に求められているのではないでしょうか。 |
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| 2009年 9月
今月の5日(土)・6日(日)に河南フェスティバル(文化祭)を実施しました。既に、HPでその内容についてはお知らせしていますが、各文化部の日頃の練習の成果やクラス毎の演劇、ダンス等を楽しく見せてもらいました。生徒達が、一所懸命、歌ったり踊ったり演じたりしている姿は、とても生き生きとしていて共感を覚えました。最後に表彰式がありましたが、生徒会で1年生から3年生までバランスよく賞に入るよう工夫してくれたので、各学年・各クラス共に納得いく形で終えることが出来て大変盛り上がりました。 後片付けを終えて「後夜祭」では、名残惜しそうに体育館で演目が繰り広げられ、第2部の文化祭が盛り上がっていました。最後に、校庭で打ち上げ花火が行われ今年の河南高校の夏が終わり、一区切りがつきました。 25日(金)には、体育大会がありますが秋はスポーツをするにも勉学に励むにも最適のシーズンです。特に受験を控えた3年生は、学校での授業に加えて家庭での自学・自習の時間を多くもって、積極的に先生方に質問して実力を蓄えるチャンスです。入れる学校ではなく入りたい(・・・・)学校を目指して下さい。 もちろん1・2年生も勉強・スポーツに精進して、今まで分からなかったことが理解できたり、体力が上がって記録が更新できたり、打てなかったボールが打てたり、と成長した自分を実感して欲しいものです。 中国では夢が叶うことを「夢想成真」と言うそうです。これまで人間が実現してきたどんな偉業でもその始まりは「夢」でした。千里の道も一歩から。 まず「夢」を持ちましょう。 |
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| 2009年 8月
短い夏休みも終わり19日から授業が始まります。生徒の皆さんは夏休みをどう過ごしたのでしょう。夏休みの課題や受験勉強、クラブ活動、フェスティバルの練習等々、それぞれが充実した時間を過ごしてくれたと思います。でも、中には生活のリズムが狂って不規則な生活態度に陥った人もいるかも知れません。そういう人は早寝・早起きと食事を必ず摂って万全の体調で新学期を向かえるようにして下さい。 ところで、皆さんは終業式で私が言った事を覚えてくれていますか?「自分の知力・体力・気力等を鍛えることで変化しよう」と「自分の将来を考える時間を持とう」の2点を中心に話しましたね。なぜこのようなこと言うかといえば、これからの若い人にとって、
経済学では、同じ性能・同じ効用をもたらす「財」は一物一価といって一番安いものに収斂すると言われています。グローバル化の進展によって「製品」においても「労働」においても、この原則がより一層強まることでしょう。 要は、「好きなこと」「得意なこと」を早く見つけて努力することで、自分を高め人との違いを鮮明にすることが求められていると思います。しかも、責任感と自覚をもって。でも、失敗しても折れない逞しさも同じくらい大切です。人は向上しようとすればするほど失敗の回数も増えるのですから。河南高校生らしく、仲間の絆を大切にして、お互い高めあって2学期からのさらなる活躍を期待しています。 |
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| 2009年 7月
自分の未来は自分で創る 人生で成功する人は「自分の未来は自分で創る」という信念をもっています。 人によっては、あらかじめ運命は決まっており、抗うことは出来ないと信じている人もいるでしょう。半面、さまざまなチャンスを生かして、積極的に自分の行き先を見つける行動的な人は成功する可能性が高いと言えます。 加えて、物事を成し遂げるためには、粘り強く一つのことを行い続けることも必要です。 あるテレビの対談番組で、俳優の岸谷五郎氏が「あきらめる」とは「あきらかにきわめる」という意味であり、自分は俳優業を極めていないので諦めるわけにはいかない、と言っていました。岸谷さんの説が正しいかどうかは不明ですが、説得力のある言葉であることは確かです。「継続は力なり」と言われるように、諦めずに一つのことに没頭し続ける事で、自分でも納得できる形になってくると思います。頭を使うことでも、身体を使うことでも、自分の心を磨くことでも・・・ 生徒の皆さん!もうすぐ、夏休みが始まります。受験勉強・クラブ活動・行事の練習等と色々とやる事は多いと思います。この約1ヶ月に及ぶ貴重な時間の中で、自分の未来について考える機会を持ちましょう。そして、方向性が見えたなら途中で諦めることなく最後までやり抜く事が肝要です。皆さんの輝ける未来は、誰に頼るのでもなく、唯一自分のみが創れるのですから。 |
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| 2009年 6月 ロサンゼルス・ソウル五輪(柔道95キロ超級)2大会連続で金メダルを獲得した斉藤 仁(さいとうひとし)さんが河南高校を訪れました。 実は、柔道の関係で来校されたのではなく、国士舘大学体育学部の教授として本校の保健体育科の教育実習生(本校卒業生)を見学に来たのです。 体育科の指導教諭と指導計画について打合せを行った後に斉藤さんとお話をするチャンスがありました。話が終わりに近づき、斉藤さんは「剛毅木訥」と色紙に記入してから「仁」という名前をサインしてくれました。論語の一篇である「巧言令色、鮮なし仁。 剛毅木訥、仁に近し。」(口先が巧みで角のない表情をする人は心がなく、打算がなく朴訥とした人は心がある)を思い出しました。まさに、青森県出身らしい斉藤さんの、派手ではないがコツコツと努力を積み重ね、頂点を極めた実直な気質を感じました。 ![]() 何しろ、2大会連続金メダルの偉業なしえた人物なので、今回の縁を大切にして河南高校での講演をお願いしました。 今年も、将来教員を目指す教育実習生18名(秋には、更に2名の実習生が来ます)が本校を訪れています。実習生たちは、ベテランの先生のように上手な授業はできなくても、地道に努力を重ねて、各々の学校で金メダルを獲れるような教師になって欲しいと期待しています。 2009年 5月 新型インフルエンザ感染予防のための臨時休業措置が終わって生徒が学校に帰ってきました。校門前で生徒を出迎えていると「1週間長かった」とか「暇やった」との声が多くあり、生徒達にとって仲間と触れ合いの場としての学校の重要性を再認識しました(5月25日現在、本校では新型インフルエンザの発症の報告はありません)。 これからは、万一新型インフルエンザに罹患した生徒が出た場合、ガイドラインに従って休校にするか否かを各校で個別判断することになります。 5月18日の休業初日は、緊急の会議や生徒達・保護者の皆様への電話連絡・休校中の課題の作成・書面の発送等に多忙を極めましたが無事に対応することが出来ました。 今回の騒動を契機として、更なる総合的な危機(リスク)管理体制を構築しよう、との機運が高まっています。学校を取り巻くリスクは多岐にわたります。 今回のような伝染病に限らず、事故、火災、自然災害(震災・落雷等)、外部からの侵入者による事件等、数えあげればきりがありません。もちろんそれらを想定して、教育委員会から個別の対応マニュアルをいただいています。 しかし、最も求められている事はリスクに対する学校現場の対応力であると思います。新型インフルエンザが今冬にも猛威を振るうかも知れません。これからも総合的なリスク管理の視点で生徒達の為に安全を確保して保護者の皆様にも安心していただける学校づくりに邁進してまいります。 2009年 4月 入学式が済み新一年生を迎えてほぼ一ヶ月が経ちました。この24日には春季ペナント(クラス対抗バレーボール大会)が行われ、新一年生や二・三年生の新たなクラスが力を合わせて優勝を目指して頑張りました。選ばれた選手だけが頑張っているのではなく、男・女・控えの選手すべてが出場し、プレーをしていないときには応援をする。この河南独自のルールに仲間を大切にする「絆」の精神が現れていると思います。 私は生徒達の熱気溢れんばかりのパワーに頼もしさを感じながら,心の中でこうつぶやきました。 「もっと、調子に乗れ」、と。 誤解を招きかねない表現ですが、私が民間企業時代に若手職員を鼓舞するためによく使った言葉です。何かを目指して頑張るとき多かれ少なかれ壁にぶつかります。その壁を乗り越える力の源泉は、一度や二度の失敗に挫けずに“調子に乗って”挑戦し続けることにあります。調子に乗ってチャレンジし続けるとそれが実力となり自信につながっていく。高校時代に、このような経験を多く積んで仲間を大切にする「絆」の精神と個人を高める「自信」を身につけて欲しいと願っています。 |
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校長挨拶 |
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