棘皮動物門


ウミユリ綱・ヒトデ綱・クモヒトデ綱・ウニ綱ナマコ綱の5綱からなる。成体は一般に数cmから数十cmの大きさで、五角形を基本にする五放射相称の体制をとる。炭酸カルシウム(方解石)でできた単結晶の骨板多数が結合して薄い表皮の直下に内骨格を構成する。血管系がなく水管系をもち、管足で運動する。水管系は棘皮動物特有の、体内に広く分布する細管系である。管内には海水に近い体腔液が満たされ、少数の体腔細胞が浮遊する。機能は多様で、呼吸・摂食・運動・排出など、棘皮動物の主要な生活活動のほとんどに関与している。水管系と神経系は互いにほぼ並走し、口をとり囲んでそこから五放射相称的に拡がる。神経中枢は不明瞭で、感覚器官の発達も悪い。排出器官は分化せず、通常雌雄異体で体外受精を行う。



Class Holothuriaナマコ綱


バイカナマコ
全長70cmにも達する超大型ナマコ、多数の突起があるが触れても大丈夫。石垣島白保にて撮影。食用になるという説もあるが、食べてみたいと思えない生物である。


ニセクロナマコ
本州南岸から琉球列島で普通に見られるナマコ、サポニンという物質を含み有毒である。当然食用にはならない。右下方向が頭で、触手を伸ばして水底をあさっている。石垣島白保で撮影。



オオイカリナマコ
鹿児島県奄美群島喜界島先内で撮影。触手を基質にはわせて堆積物を集め、口に運ぶ。ニセクロナマコよりも触手が長大で、本体も細長い。巨大な環形動物と間違う人がいるかも知れない。

石田惣(動物行動の映像データベース:momo030208sm01)