線形動物門


左右相称で、原口が口に発生する。体長は数百μmのものから8cmを超えるものまである。体は前後に長い円筒状ないし細長い糸状で、体節は全くなく、体表のクチクラがあるが繊毛はない。成長にともない一定回数(普通4回)の脱皮を行う。神経系は扁形動物に似ているが、排出器官は扁形動物のような原腎管ではなく、側線中を前後の方向に走る特有の側線管である。双腺綱と双器綱に大別され、前者は寄生性のものが多数を占めるが、後者には自由生活する種類も多い。線虫はほとんどあらゆる種類の動植物に寄生している。自由生活性のものでは、バクテリアや微小藻類・有機物などを餌とするもののほか、肉食性のものもいる。

線虫の一種
岩やコンクリートなどの表面に生えている苔や地衣を採取し、水につけておくと、乾燥に耐え休眠していたクマムシ、ワムシ、原生生物など生きものが動き出します。この線虫もそのような生きものの一つです。尾端には粘着物質を出す器官があり、スライドグラスに張り付いています。線虫の体には縦走筋があるのみで環状筋がないため、ミミズのように部分的に体の太さを変える運動は不可能で、ピンピンとはねるように動きます。
加藤哲哉(動物行動の映像データベース:momo050215un01b)