脊椎動物門


一般的に「サカナ」と総称させる生物をメクラウナギ綱・ヤツメウナギ綱・軟骨魚綱(サメ・エイの仲間)・硬骨魚綱(タイ・ヒラメの仲間)に分類し、それに両生綱・爬虫綱・鳥綱・哺乳綱をくわえた8綱に分類する。これらの動物では脊索を囲むようにして軟骨あるいは硬骨の骨格が形成されるので脊椎動物と呼ぶ。中枢神経は管状で背側にあり、前方では脳を形成する。骨・筋・神経などの内部器官には体節性があるが、外観上はなかなか認められない。循環系は閉鎖血管系で、呼吸系はエラないし肺を持つ。皮フは外胚葉起原の表皮と中胚葉起原の真皮からなり、鱗・羽毛・毛などの付属物をもつものも多い。脊椎動物の起源については今日までさまざまな説があるが、頭索動物(ナメクジウオなど)と共通の祖先から分化したことが、現在では広く認められている。


Class Chondrichthyes 軟骨魚綱



内骨格は軟骨性で、頭蓋は軟骨頭蓋である。サメ・エイ類など多数を含む板鰓類と、ギンザメを含む全頭類との2亜綱からなる。一般に尾鰭は異尾で、少なくとも幼期には歯と同様の構造の楯鱗をもつ。口と鼻孔は腹面に開き、雄は腹鰭の変化した交尾器をもち体内受精する。また鰾(うきぶくろ)ないし肺類似の器官が全くない。成体の排出器は中腎で、尿素を排出する。生殖輸管は独立せず、泌尿管が代行する。卵は一般に極めて大形で、特有の卵嚢に収められるものも多い。ほとんどの種類は海生であり、かつ通常は捕食性である。デボン紀の中期から繁栄し始め、現世に至る。

アカエイ
底生のエイで、口は下面にある。砂をかぶっているが目とその直後にある噴水孔がわかる。尾の付け根から後上方にのびる毒棘をもつのでSting ray(刺すエイ)と呼ばれる。東京都三宅島で撮影。


イトマキエイ
遊泳型のエイで、羽ばたいて飛ぶように泳ぐ。この翼に見える部分はサメの胸鰭に当たる部分である。サメ・エイは五対の鰓孔(えらあな)を持つ、それがこの写真ではよく見える。大きく左右に開口したく口からプランクトンを吸い込んで、エラでろ過して食べる。コバンザメが2個体付着している。ここまで大きくなるまでに、右後方を何かに噛みつかれたのであろう、傷跡がある。西表島と小浜島の間のヨナラ水道にて撮影。