校長通信

4月8日(水) 入学式
大阪府立金剛高等学校
第30回入学式  式辞


 満開の桜に彩られた春の佳き日、金剛高校第30回入学式を挙行いたしましたところ、来賓のみなさま方、並びに多くの保護者のみなさま方のご臨席を賜りましたことは、教職員一同大きな喜びといたすところです。高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。

 さて、本日ここに、入学を許可いたしました280名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。金剛高校は、「みんなが仲間と共に通える学校を」という地元の熱い思いを受けて、昭和55年(1980年)に誕生しました。そして、平成16年には、それまでの特色ある学校づくりを発展させる中で普通科総合選択制に改編し、人文、国際、情報、理数科学、生命科学、生活文化という6つのエリアを開設、学びへの興味関心を、確かな進路実現へと繋ぐ取組みで着実な成果を上げてまいりました。また、その間、各界で活躍する多くの先輩たちを世に送り出してきました。そして、創立30周年を迎える本年度、「強い金剛」「楽しい金剛」「夢ある金剛」)(ことばの意味は後ほどお話します)を合言葉に、「入ってよかった」と言われる学校づくりに向け、更なる飛躍へと取り組みを進めているところです。
 みなさんが、この栄えある金剛高校に記念すべき30期生として入学することができたのは、みなさん自身の努力の賜であることは言うまでもありません。合格の日から、今日まで「おめでとう」のことばをまわりの人たちから、いくつも送られたことでしょう。
 ですが、みなさんがおとなへの階段を一歩踏み出す、この門出の日であるからこそ、知っておいてほしいことがあります。みなさんが高校に入学した年というのは、百年に一度とも言われるきびしい経済状況の中で、公立高校への志願倍率が急激に高まり、その結果、高校(特に全日制の高校)に進学することのできない人がたくさん出た年であったということです。
 それでは、そんな状況の中で、みなさんがしなければならないこととは、いったい何なのでしょうか?それはたったひとつのことだと思います。「ここに来ることができなかった人の分まで高校生活をたいせつにする」ことです。「高校生活をたいせつにする」というのは「高校でしかできないこと、今しかできないこと」に全力を注ぐということです。それは、勉強であり、部活動であり、文化祭や体育祭等の学校行事であります。そこで得たものこそが、未来の自分を形づくっていきます。
 先月の新聞に日本を代表する主要百社(日本を代表する百の企業です)の新卒採用調査が発表されていました。企業が人を採用する時、一番大事にするポイントは何かという調査です。みなさんは、何だと思いますか? たいへんな経済危機ということもあってか、二位は昨年の「熱意」から「行動力」に変わりましたが、今年も一位は変わっていません。それは「コミュニケーション能力」、人ときちんと向き合い、繋がっていく力のことです。一方的に自分を押し通すのではなく、相手のいいなりにばかりなるのでもなく、しっかりと他者(ひと)に向き合い、心を通わせていく力、この力を企業が一番に求めているというのです。そして、この力、「人とつながる力」こそ、企業の中だけでなく、実はこの社会を生きていくのに一番必要な根本的な生きる力なのです。だから、部活動や行事等を通じて仲間と力を合わせ、苦労を乗り越えて得た感動や、人と心を通わせたほんとうの喜び【楽しい金剛】を知っていることは、みなさんの人生にとって、目には見えない貴重な財産になるはずです。
 これから始まる高校での3年ほど、皆さんの人生を大きく左右するものはありません。この3年間の過し方で人生はどんなふうにも変わります。法外な、限度を越えた携帯電話の使用料金のためにするアルバイトと自分の未来を引き替えにしてよいわけがありません。何物にも変えがたい青春の貴重な時間とエネルギーを携帯電話などに奪われてしまうのではなく、どうか自分を磨くことのために使ってください。みなさんは、かけがえのない存在なのですから。
 金剛高校の先輩の中には、中学時代からは考えられない程、自分の力を伸ばし、見事に希望の進路を勝ち取った人が何人もいます。たいせつなのは、自分の価値を信じ、自分の未来とその未来に繋がる今を大事だと思うことのできる心【夢ある金剛】の心です。そして、人は真に自分をたいせつだと感じた時、同じようにがんばっている人の姿に気づきます。まわりの人をたいせつにすることができ、信頼で繋がることができます。それこそが「生きる力」【強い金剛】なのです。どうか、自分をたいせつにし、仲間をたいせつにし、共に学びあい、共に伸びていってください。

 最後になりましたが、保護者の皆様には、今日まで、ご苦労を重ねつつ、慈しんでこられた、お子様のご入学を、心よりお祝い申し上げます。私たちが大切に考えるのは、お子様のかけがえのない未来です。【強い金剛】【楽しい金剛】【夢ある金剛】三つの力を育てるべく教職員一同、保護者のみなさまと心をあわせ、真の愛情を持って、きびしく取り組んでまいりたいと思います。このことにつきまして、何卒ご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。また、お子様について少しでもご心配なことがありましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。

 新入生の皆さんには、今日の気持ちを忘れず、勉強に部活動に三年間で、存分に自分を伸ばし、たくましく未来を切り拓いてくれることを願い、式辞といたします。
平成21年4月8日    
金剛高等学校校長    前 比呂子
宣誓

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