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はじめに
僕がなぜ特撮ヒーローを、課題研究に選んだのか。好きだから、懐かしいから、それもある。しかし、僕は特撮ヒーローは、日本が生み出した一つの「文化」だと思っている。1957年誕生の「鋼鉄の巨人」、翌年の「月光仮面」以来、40年近い歴史の中で、その作品の数は200を優に越している。特撮ヒーローと言えば、子供が見るものと思う人が多いだろうが、実は70年代に特撮ヒーローが大ブームの時期があり、1週間のゴールデンタイムの時間に、しかも穣数放送されていた。今ではとても信じられないことである。一時は廃れてしまったこの特撮ブームも、近年密かに盛り上がりを見せ、小さな子よりも、むしろ20代から50代ぐらいの大人が特に、昔自分たちが見ていた作品に夢中になっている。そして僕も。「月光仮面」「七色仮面」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「秘密戦隊ゴレンジャー」「がんばれロボコン」「宇刑事ギャバン」そして、僕がリアルタイムで見ていた「超人機メタルダー」「仮面ライダーブラック」などなど。誰もが幼少の頃憧れ、その活躍に胸踊らせ夢中になったスーパーヒーロー達。テレビやメディアの普及、映像技術の進歩と共に、彼らは常に進化してきた。そして作品の一つ一つが、それぞれの時代を代表するものを持っていて、そこには、原作者の想いや演じている俳優の個性、音楽の進歩、その作品が後の作品に与えた影響など、様々なものが見えてくる。僕はこの様々なものがたくさんつまった特撮ヒーローという「文化」を、「月光仮面」などのヒーロー誕生の50年代、「ウルトラマン」や巨大怪獣がうなりを上げた60年代、変身ブームの70年代、ビデオ合成などの映像が進化した80年代、そして日本のヒーローが世界に進出した90年代から現代まで順番に調べ、名探偵、忍者、怪獣、宇宙人、ロボット、改造人間・・・・我が国が誇る幾多のヒーロー達の栄光と歴史をもう一度ここで検証したい。
第1章 50年代〜 【月の使者月光坂面】
第1節 【ヒーロー誕生】
1953年(昭和28年)に日本でテレビ放送が開始され、次々と民法局が開局するが、当初、邦画5社はテレビ局に対して非協力的であった。そこで、テレビ局はアメリカのテレビ映画を輸入してきた。その中に、ジョージ・リーブス(声・大平透)主演の、『スーパーマン』があった。アメリカ映画は、1930年代中期からコミックや新聞の連載小説などのSFスーパーヒーローものを連続活劇映画化してきた。その中には『フラッシュ・ゴードン』や『バック・ロジャース』などの”スペース・オペラ”と呼ばれる宇宙スーパーヒーローものが大好評だった。その影響もあってか、1957年に、日本最初の特撮作品『鋼鉄の巨人』が誕生した。スーパージャイアンツ(宇津井健)は、地球に原水爆の使用禁止を訴えるため、エメラルド星から派遣された宇宙超人である。そして、地球の安全と平和を乱す侵略宇宙人や悪の組織と戦う。と、いうような、お馴染みの日本ヒーロー設定はここから誕生した。スーパージャイアンツを制作した新東宝は第二次大戦後の東宝争議で発足した。1956年の大蔵貢社長就任から1961年の倒産までより強い娯楽作品を作りだそうとしていた。特に衰退期に制作されたエロ・グロ路線の映画は映画マニアの一部に熱狂的に支持されている。スーパージャイアンツが誕生するまで、日本のヒーロー作品は時代劇ばかりだった。しかしスーパージャイアンツの誕生によりこれまでにない世界観が作り出された。スーパージャイアンツは1957年〜59年に全6話9部構成で劇場公開された。新東宝のテレビシリーズといえば、1959年放送の『まぼろし探偵』などが有名であるが、これも劇場公開され注目を集めた。現在、新東宝について記憶の残っている人は少ないだろう、しかし、現在までに200を越す特撮作品の元祖を生み出した新東宝の存在は偉大である。そして、このスーパージャイアンツの影響は1953年にニューメディアとして登場するテレビにも与えることになる。
第2節 【月光仮面のおじさんは・・・】
「貴様!何者だ!」
「月よりの使者、正義の味方、月光仮面だ!」
疾風のように現れて、電光石火の二丁拳銃で悪を倒し、疾風のように去っていく、月よりの使者、月光仮面。日本のテレビが初めて生み出したヒーローにして、昭和30年代の子供社会最大のヒーローである。月光仮面はオートバイを駆って悪の現れる所に必ず現れ正義の戦いを挑む!果たしてその正体は!?
テレビがニューメディアとして登場した時代、ドラマ制作環境がまだ不整備だった時期、主にアメリカのテレビ映画を放映していた。川内康範原作の『月光仮面』は、このようなテレビ界の潮流の中、1958年から放送され、子供達の圧倒的人気に支えられ、最高視聴率68%の大ヒットとなった。今日、日本の児童マスコミ産業は、メディアミックスの効用で成熟期を迎えている。しかし、もし『月光坂面』がなければ、欧米キャラクターが市場の大半を占拠していただろう。『月光仮面』はヒーローものの元祖的番組として、テレビ史に大きな足跡を残すのみならず、日本のサブカルチャー史に漠然と輝く偉大なヒーローである。
第3節 【川内康範ワールド】
川内康範・・・1920年函館市生まれ。20代より、詩、脚本、漫画原作、作詞など、戦後の大衆文芸を代表する一人として多方面に活躍する。また、政治思想家、民族派運動家としてもしられている。
氏の生み出した『月光仮面』は、時代劇ヒーロー物と現代探偵活劇の特性を生かした”現代仮面活劇”という新分野を開拓した。『月光仮面』と並ぶ氏の仮面活劇の作品と言えば、1959年放送の『七色仮面』、60年放送の『アラーの使者』などが有名である。七色に輝く仮面をかぶり、ある時は山高帽の手品師、ある時は葉巻をくわえたインド人・・・・・と7つの顔を持つ正義の人、七色仮面。二丁拳 銃を武器に神出鬼没!味方がピンチの時は、高らかな笑い声と共に必ず助けに現れる。その正体は変装の名人、私立探偵の蘭光太郎だ。七色仮面=蘭光太郎を演じたのは、第1部から4部までは波島進、第5部から7部までが、この作品がデビュー作となるあの千葉真一。波島は古典的な仮面ヒーローの王道を行ったが、かつて新体操選手だった千葉は、その経験を生かし、アクションシーンをふんだんに取り入れた新しいヒーロー像を造り、これが後のヒーローアクションの原点となった。
この様に川内康範が生み出したキャラクターは『月光仮面』をはじめ、現在の特撮作品の基礎をつくりはじめた。作家であり、政治思想家でもある川内氏が開拓した”現代仮面活劇”。『月光仮面』をはじめ、数々の代表作には、そんな氏の”訴え”反映されている。川内康範の超人達は、主人公自らが“正義”を語らず、善良な人間に手を差し伸べる”正義の味方”としてのみ存在する。そして、我々に、スーパーヒーローの神髄を教えてくれる最高のキャラクターである!
第2章 60年代〜 【光の巨人現る!】
第1節 【SFファンタジー】
『月光仮面』によって特撮ヒーローの基礎が作られ、しばらくはその傾向が続くわけだが、時代の進化と共に、また新しい発想が生まれる。1960年放送の『ナショナルキッド』がそれだ。日本テレビ特撮初の空を飛ぶヒーローであり、日本テレビにSFの世界観をもたらしたヒーローである。地球を守るためアンドロメダからやって来た正義の宇宙人ナショナルキッド。地球が危機に陥った時、マジックラジオもコールでいつでもどこでも現れてエロルヤ光線銃を武器に戦う。ナショナルキッドのナショナルの意味はお解りだろうか?そうあのナショナル電気だ。(そのままやんけ!《笑》)当番組のスポンサーであったナショナル電気(松下電気)からきている。それにしても、いくらなんでもスポンサー名そのままとは・・・(通常スポンサーの宣伝の為に看板を映したりはするが・・・。)このナショナルキッドの登場によって日本の特撮界はSFと言う新たなる世界を誕生させた。また本邦スーパーヒーロー作品の源泉である『黄金バット』。カラー時代劇特撮『仮面の忍者赤影』なども登場し特撮世界は徐々に進化していった。しかし、それと平行して、日本の特撮世界は新たなるジャンルを生み出すのである・・・・・。
第2節 【怪獣出現】
ナメゴン、カネゴン、ガラモン、ペギラ、バルタン星人・・・・。日本人ならこれらのネーミングをどこかで聞いた人もいるだろう。60年代後半新たなるブームが到来する・・・・怪獣である。日本の怪獣といえば、真っ先に思いつくのは当然『ゴジラ』だろう。日本の映画に革命をもたらした偉大なる作品であると同時に、核兵器の批判を世に訴えた作品であった。その後『モスラ』『キングギドラ』等が生み出されたわけだが・・・・。その生みの親であり、『特撮の神様』と言われ、今や世界中で有名な伝説の監督[円谷英二]。60年代後半、彼は怪獣達をテレビの世界に送り出すことを考え、制作した『ウルトラQ』と言う番組が始まった。お金を食べるカネゴンや宇宙人が作ったガラモン等、毎回毎回様々なユニークなストーリーと怪獣が登場し、当時の子供達を釘付けにした。この円谷プロ制作のテレビ映画処女作である本作は空想アソロジーと言うジャンルと“怪獣ブーム”の起爆剤作品で、子供向けテレビ番組の価値観を従来の主役ヒーローから、敵役の怪獣へと逆転させたエポック・メイキングである。
第3節 【ウルトラマン伝説】
科学特捜隊のハヤタ隊員(黒部進)は、竜ヶ森上空に飛来した青い光球をビートル機で追跡していた。しかし、突如そこに現れた赤い光球に衝突して命を落としてしまう。その赤い光球の正体はM78星雲の宇宙人(ウルトラマン)、そして青球は凶悪怪獣のベムラーであった。ウルトラマンはハヤタに自分の命を与える。甦ったハヤタはフラッシュビームでウルトラマンに転生、スペシウム光線で見事ベムラーを撃破し、そのまま、「シュワッチ」の掛け声と共に空え飛び去っていった・・・・・怪獣ブームを巻き起こした『ウルトラQ』の半年分の制作終了後、カラー化する延長制作に当たって内容の整理と検討を行った。その結果、アンバランス・ゾーンに起こる怪現象を怪獣路線に限定した。そして、ゴジラ映画のように、人気怪獣が新怪獣に勝ち進んでいく、いわゆるトーナメント戦の企画を内容に採用した。そして、主役の怪獣のネーミングも、『科学特捜隊ベムラー』『レッドマン』と二転三転し、最終的に『ウルトラマン』とされた。ウルトラマンのもう一つの見所は、なんと言っても、敵役怪獣だろう。『特撮の神様』と言われた円谷英二は怪獣を単なるやられ役ではなく、怪獣、宇宙人、異次元生物、ロボット、幽霊。その一体一体に存在意義を持たした。母星が崩壊し20億の仲間の安住の地を手に入れるために地球侵略を企む宇宙忍者バルタン星人。交通事故にあった少年の魂が乗り移り、暴れ回る翼竜ヒドラ。宇宙 で遭難した宇宙飛行士が、地球に帰りたい願いから怪獣化した悲しき彗星怪獣ジャミラ。己の私利私欲の為に地球を手に入れようとした悪質宇宙人メフィラス星人など・・・・。それぞれに大義名分があり、存在意義がある。そしてウルトラマンもまた人間を守ると言う目的を持っている宇宙人型モンスターなのだ。この『ウルトラマン』の登場以 降子供向けテレビ番組もどんどんカラー化し始め、銀幕では、『ゴジラ』が子供達のヒーローとなり、テレビには、手塚治虫原作の『マグマ大使』『ウルトラマン』の続編の『ウルトラセブン』、横山光輝原作の『ジャイアントロボ』など、60年代の日本は世界でも類をみない巨大ヒーロー路線を歩んでいくこととなる。
【熱く語ろうスーパーヒーロー!】
さて、ここでちょっと寄り道して栄光のヒーロー『ウルトラマン』について語りましょう。ウルトラマンを嫌いな人、何とも思わない人あまつさえその存在にケチをつける人はいっさいシカトするとして、興味を持った人はついてきて。ご存じだと思うが、ウルトラマンは一人ではない。(こんなことを言ったらバカにされるかな・・・)一般的に『ウルトラマン』とは初代ウルトラマンのことを示すのだが、この初代以外のウルトラヒーローのことをみんな言いくるめてウルトラマンと言うこともある。他のウルトラ戦士を例にあげると、テレビシリーズの主役から『ウルトラセブン』、※ 『帰ってきたウルトラマン』、『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』、『ウルトラマン80』、『ウルトラマンG』、『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』、『ウルトラマンガイア』、『ウルトラマンコスモス』等々。『グレート』と『パワード』は初の海外版ウルトラマンであり、タロウの両親のウルトラの父、母。またウルトラ族の王、キングやお姫様のユリアン、レオの弟アストラ、コメディから生まれたゼアスなどもある。(※帰ってきたウルトラマンは初代ウルトラマンが実際に帰ってきたわけではなく別のウルトラマンである。正式名はウルトラマンジャック。)これら、ウルトラ戦士は一人一人様々なドラマを作りあげてきた。しかしこの長い歴史はウルトラ戦士だけでなくやはり彼らと戦う怪獣だって忘れてはならない。バルタン星人、レットキング、ゴモラ、ジャミラ、ザラブ星人、ダダ、ウー、ネロンガ、メトロン星人、ジラース、ゼット、エレキング、ナース、キングジョー、タツコング、ベムスター、ガッツ星人、バートン、マグマ星人、ヤプール人、ゴルザ、キリエロイド、ゲオザーク、楠那鬼、ゾイガー、ミズノエノリュウ・・・・・うおおおおおお!!・・・・・暴走しそうなのでこの辺でやめときます・・・・・・。
第3章 70年代〜 【ライダー変身】
第1節 【変身ブーム】
仮面ライダーこと本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは、世界征服を企む悪の秘密結社だ!仮面ライダーは世界の平和を守るためショッカーと戦うのだ・・・。
第1次怪獣ブームの後、子供達の流行は、妖怪、スポ根物にかわったが、『ウルトラマン』の再放送も人気を集めていた。そんな時、一人のヒーローが、バイクに乗って子供達の前に、現れた。石ノ森章太郎原作の『仮面ライダー』である。『ウルトラマン』と並んで日本を代表する特撮ヒーローであるこの『仮面ライダー』の登場は子供達に大変注目された。等身大サイズのヒーローである仮面ライダーは敵であるショッカーの怪人と戦う場所は民家の近くだったり、公園だったり、身近なとこばかり。巨大な怪獣に慣れていた子供達は、なにか身近な恐怖を感じ注目したのである。しかし、仮面ライダーが注目された、最大の要因は、なんと言っても【変身】だろう。最初人間の姿で、戦闘員(ザコ)と戦い、強力な怪人 が出てきたとき、ポーズを決めて、変身する。この変身を全国の子供が真似をし、ここに、変身ブ−ムが来たのである。さて、この仮面ライダーの変身が、今日特撮ヒーローが、当たり前のように行っている変身の元祖なのだが、このアイディアは、意外なとこから来てるのだ。その説明の前に、仮面ライダーは一人ではないと言うことを知っている人もいるだろう。仮面ライダー1号、2号、3、アマゾン、スーパー1、ブラック、クウガ、アギト・・・・。(一般的に【仮面ライダー】とは、藤岡弘主演の初代仮面ライダーのことを指す)と言った具合に、まだまだいるが・・・。ところで、その初代仮面ライダーは1号と2号の二人のことを指すのだが、なぜ二人なのか?先ほどの変身の話にもどるけど、初期の仮面ライダーの変身は、本郷猛( 藤岡弘)がパイクに乗った状態で変身していたのだが、ある時主演藤岡氏が撮影中のバイクシーンの時に転倒、藤岡氏は全治8ケ月の重傷という大アクシデントが起こった。その為、急遽仮面ライダー(本郷猛)はショッカーを追ってヨーロッパへ旅だったという設定にして、新たに佐々木剛氏を主役に起用、仮面ライダー2号の誕生となった。その2号の変身について、バイクを使った変身は危険と判断されたので、立ったまま変身させることとなり、ただ変身するだけでは面白くないので、ポーズをとって、変身することになったのだ。つまり結論を言うと、もし藤岡弘がケガをしなかったら、変身のアイディアや2号ライダーだけでなく、他のライダー、(V3をはじめ)は生まれなかったかもしれないのだ。不謹慎な言い方だが、藤岡氏の大ケガは、正に『ケガの功名』だったわけだ・・・・。

改造人間という立場に苦悩する主人公や格好いい変身、ショッカーの不気味な怪人、爆薬を使用した派手な戦闘シーン、そしてキメ技の『ライダーキック』等々で全国の子供達の圧倒的支持を受け、『仮面ライダー』は変身特撮ヒーローのパイオニアとして、不動の地位に就いている!
第2節 【石ノ森章太郎の世界】
『仮面ライダー』の生みの親、石ノ森章太郎。『仮面ライダー』以前にも『サイボーグ009』など、主にSFもので人気漫画家の地位を確立していた。そんな彼の作品は、『仮面ライダー』以降、数多く実写化されたが、そのほとんどがヒューマニズムあふれる思い出深い作品だった。『仮面ライダー』では、無理矢理改造人間にされた、主人公の苦悩と、その彼を取り巻く人々の心情を繊細に描いたことで、ヒーローでありながら、従来のヒーローと違う、『悲しき存在』というコンセプト がついた。同じような石ノ森章太郎作品を例に挙げると、1972年放送の『人造人間キカイダー』である。悪のアンドロイド軍団・ダーク破壊部隊が活動する時、ギターの音色と共に一人の青年が現れる。「チェンジ!スイッチオン、ワン・ツー・スリー!」の掛け声と共に飛び上がり、赤と青に分かれたボディーを持つ『キカイダー』にチェンジする。彼は、善と悪を判断する為の『良心回路』という、いわば、心の回路が付いているが、不完全な状態な為、たまに敵に操られてしまう。身体の赤と青は正義と悪を現している。また、キカイダーでもう一つ重要なのがライバル、『ハカイダー』の存在だろう。キカイダーを殺す為だけに作られた ハカイダーは日本特撮界最初のライバルキャラクターである。ただ単に主人公を狙ういつもの怪人とは違い、キカイダーとの勝負を邪魔する奴は、たとえ味方でもゆるさない。そんな精神が多くの子供達の胸をうち、壮絶な人気を誇っている。(95年、そのハカイダーを主人公にした劇場用映画『人造人間ハカイダー』が制作された。オススメです!)キカイダー以外にも石ノ森章太郎作品では、様々なテーマに沿った作品が作られている。『大鉄人17』、地球環境保護のため、人類抹殺を企む巨大人工頭脳プレインが生んだ自我を持っ巨大ロボ17がプレインに反抗、南三郎少年と共に侵略ロボを撃破する。『快傑ズバット』、殺され た親友の仇を探すために全国を旅し、全国のヤクザや暴力団と戦う私立探偵の早川健(宮内洋)。彼はピンチになると亡き親友が残した、宇宙服『ズバットスーツ』を着て、さすらいのヒーロー『快傑ズバット』となる。自分で自分のことをヒーローと呼び、キザな台詞で相手を翻弄する、渡り鳥シリーズの特撮版として、ファンが多い。他にも『キカイダー』のコメディー版とも言える『がんばれロボコン』ファンタジーものとし、低年齢層にも受け入れやすくし、後に多くのロボット根性物が作られた。女性をターゲットにした『美少女仮面ポワトリン』女子高生村上リョウコ(花島優子)は神様から、超能力を与えられ『。美少女仮面ポワトリン』となり、町の平和を守る。変身ヒロインという設定が注目され、その人気は児童層のみならず、一般成人層をも巻き込み、社会現象ともなった。神様役で映画監督の鈴木清順が出演したことも注目だ。石ノ森章太郎の作品は特撮ヒーローものの流れを決定づける超ヒット作となり、その一方で、独創的な石ノ森ヒーローが誕生していった。我らの心を奮わせた、石ノ森章太郎氏の意思はファンの心に永遠に生き続けるだろう。
【熱く語ろうスーパーヒー口ー】
ここでは、『ウルトラマン』と肩を並べる永遠のヒーロー『仮面ライダー』について。仮面ライダーは一人じゃないのはさっきも言ったが、ではどんなのがいるか、仮面ライダー1号から始まって、2号、V3、ライダーマン、]、アマゾン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1、ゼクロス、ブラック、RX、真ライダー、ZO、J、クウガ、アギト・・・・。時代を追うごとに進化していったシリーズだが、怪奇アクションドラマの決定版としてヒーロー作品の王道へと昇華した、偉大な、キャラクター達だ。ちなみに、僕が一番好きなライダーは、87年放送のブラック。あなたのお好みなライダーはいますか?

第4章 80年代〜 【戦え!3大宇宙刑事+超人機メタルダー】
第1節 【宇宙から来た白銀の戦士】
1982年ある程度パターン化された特撮界に新たなる戦士が舞い降りた。改造人間でもない、光の巨人でもない、全く新しいヒーロー、その名は『宇宙刑事ギャバン』。メタリックなコンバットスーツ、洗練された映像そして、新しい変身プロセス。この『宇宙刑事ギャバン』は新時代の幕開けにふさわしいヒーローだ。地球人の母と宇宙人で宇宙刑事の父との間に生まれたギャバン(大葉健二)。父の跡を継いで宇宙刑事になった彼は異次元に潜む宇宙犯罪組織マクーが、地球を狙っていることを知り、自ら志願して、地球へやって来た。マクーはダブルモンスターを送り込んで、人間を襲う。それをくい止めるためギャバンはダブルモンスターと 命がけの戦いをする。ギャバンはピンチに陥ると「蒸着」と叫ぶ。すると空にいるギャバンの宇宙船、ドルギランから『戦闘強化服』が転送され、わずか0.05秒で蒸着が完了する。そして、必殺のレーザープレードで敵を切る。宇宙刑事ギャバンの登場は、進化したビデオ合成の登場を意味する。変身シーンや戦闘シーンに多くのビデオ合成を使った本作は大好評。続編の『宇宙刑事シャリバン』、『宇宙刑事シャイダー』を誕生させた。『シャリバン』は宇宙刑事シリーズ最高傑作と呼ばれており、ギャバンの世界で描かれなかった、ファンタジックな世界を打ち出し、主役シャリバン(渡洋史)が地球人だと思っていたのが実は宇宙人だったとか、恋人が目の前で殺さ れたり、結構ハードな物語展開となった。最終作の『宇宙刑事シャイダー』では、『未熟』なヒーロー像を創り出した。ギャバン、シャリバンに憧れる多くの宇宙刑事候補生の一人である、シャイダー(故・円谷浩)の戦い、と言う感じだ。作品の質は、ギャバン・シャリバンに比べて、映像なども、だいぶ綺麗になった。しかし、シャイダーで注目すべきことは、なんと言っても、シャイダーの相棒の女宇宙刑事アニーの存在だろう。ギャバン・シャリバンにも相棒の女宇宙刑事がいたが、彼女達は、 いかにもヒロインという感じで、ピンチになると主人公の助けをひたすら待つ可憐な乙女という感じだった。しかし、アニーは違う。アニーはとにかく動いた。よくある戦闘員との戦いのシーンで、彼女は手刀とキックで、戦闘員をバタバタ薙ぎ倒した。可愛くて、すごく強い!(変身前のシャイダーと比べたら、彼女の方が強い!ヒェー!)アニーを演じたのはJAC所属の当時19歳だった森永奈緒美。ミニスカート姿で、彼女が見せるパンチラアクションは、思春期前の子供達の目と心を奪った。この様に、宇宙刑事シリーズは色々な面で、他の作品にも、そして社会にも未来的な影響を与えたことになる。
第2節 【何故この世に生まれたのだ!】
「風よ、雲よ・・・太陽よ、心あらば教えてくれ、何故この世に生まれたのだ!」夕日に向かって叫ぶもの・・・ヤツは悩めるロボット人間・・・。
宇宙刑事シリーズの流れを組んだ、メタルヒーローものが成功を収めた中、それとは違う世界観を創り上げ、たヒーローがいた。『超人機メタルダー』・・・本格的なロポット作品の最高傑作として、東映メタルヒーローシリーズでも、3大宇宙刑事を抜いてナンバーワンの人気を誇る。そして、何より僕(房本卓也)が生まれて初めて観た特撮ヒーローであり、僕が特撮ファンになる原因になったヒーローである。この作品を紹介するのは、個人的にファンだからと言うのもあるが(僕はメタルダーマニアです!)、それ以外にこの作品が、後の作品に与えた影響や、何故ファンが多いのか、と言うことを 知ってもらいたいからだ。『超人機メタルダー』・・・第二次世界大戦時に開発された、旧日本軍の最終兵器。しかし、そのあまりの破壊能力を恐れた博士によって封印されていた。しかし、謎の帝国『ネロス帝国』が、世界征服を企んでいると知った博士は、超人機の封印を解き、善悪を判断する為の、『自省回路』を組み込んで、剣流星(妹尾洸)という人間の姿を与え打倒ネロスの指令を下した・・・。
『メタルダー』はすごい作品だ!何しろ1話めで30体近い怪人が登場するし、オープニング+エンディングテーマの作詞はあのジェームズ三木だし、劇中で使われる音楽はバリバリのシンフォニーだし、とにかくすごい!でも、一番重視すべき点は、徹底的に書き込まれたドラマ性だろう。敵であるネロス帝国の怪人達、彼ら一人一人に細かい設定や性格をきちっとつけることで、彼らは単なるやられ役ではなく、その1話1話を盛り上げる重要なキャラクターだ。主役メタルダーの設定や性格も、他のヒーローとは、ひと味もふた味も違う。第二次世界大戦に開発された破壊兵器・・・というもの凄い設定や自分の存在意義に対してもの凄く苦悩したり・・・また、敵の倒しかたも、従来のライダーキックでドッカーンパターンではなく、同じロボット型の敵なら、ボディを貫いて、中の回路をえぐりだしたり、モンスター型の敵だったら、顔面を引き裂いたり。そして、倒した後の名台詞、自分が 倒したロボットが機能停止するのを見て、「・・・これが死か。」と言う具合に非常に子供向けとは思えない展開である・・・・・・。メタルダーのモデルはお解りと思うが、そう石ノ森章太郎原作のキカイダーがモデルだ。しかし、描かれているテーマはやはり違う。メタルダーでは、ロボットである苦悩、戦争や核兵器の批判、格闘技、友情や悲しみなどさまざまなものが描かれた。人間の姿の時は多彩な格闘枝を披露し、変身後はロボットの能力をフル活動させる。メタルダーが生まれるまで、特撮ヒーローはアクションばかりを重視し、話がうまくつながらないことが多かった。しかし、メタルダー以降、特撮の世界にも多彩なドラマ性を持った作品が登場、また一つ特撮を進化させた。メタルダーは最終回も見逃せない。最終回、ラスボスとの戦いでメタルダーは、自分の中に秘められた恐るべき力の存在を知る。そして、なんとかラスボスを倒したものの、自分のパワーの源である、超重力エネルギー装置の制御システムが破損し、このままでは、地球を破壊するぐらいの爆発が起きることを知る。それを止めるため、メタルダーは自らのエネルギー装置を破壊、その結果、超人機の能力でもある、人間体にもどることが出来なくなった。それは、人間としての死を意味する。そしてメタルダーは、平和がいつまでも続くことを祈りながら、人間社会から、姿を消した・・・・。悲劇的結末に終わったメタルダーだが、最後に仲間に向かって「僕は・・・生まれてきてよかった」と言っている。最初の、「何故この世に生まれたのだ!」という質問に、答えがあるとすれば、それは、“見るものに確かな感動を残すため、そして後の作品に大きな影響を与えるため”に生まれたのだと言えるだろう。だからこそ、いまだに僕のようなファンが多くいるのだ。好きな作品だけに長く語ってしまった。が、改めて見ると、やっぱり『メタルダー』はすごい作品であり、僕、房本卓也にとっての永遠のヒーローである。
ありがとう!メタルダー!
【熱く語ろうスーパーヒーロー】
1980年代メタルヒーローと平行して人気がでた作品、それは、『戦隊物』。五人で一つの戦隊を組む、ヒーローチームだ。その教祖は、石ノ森章太郎原作の『秘密戦隊ゴレンジャー』だ。それぞれ色分けされたコスチュウームをきて、単体では弱いが、5人揃えば敵なしという具合に5人のチームプレイが描かれた。服の色は、赤、青、黄、ピンク、緑で性格もそれぞれ違う。熱血漢な赤、クールな青、大食いで鈍感な黄、紅一点のピンク、未熟な緑。このチームワークプレーの精神と性格は続編へとつずいた。統編?・・・そうこの5人戦隊シリーズは『秘密戦隊ゴレンジャー』からはじまって、現在放映中の『百獣戦隊ガオレンジャー』まで、ずっと続いている。恐るべき戦隊パワー。この戦隊シリーズ、後に巨大ロボットの出現や8人目の仲間など、どんどん新アイディアがうみだされた。いくつか作品を載せておきます。

ジャッカー電撃隊 |

電子戦隊デンジマン |

大戦隊ゴーグルV |

鳥人戦隊ジェットマン |

恐竜戦隊ジュウレンジャー |
第5章 90年代〜 【ヒーロー国外へ】
第1節 【アメリカ版ウルトラマン】
最初に言っておくが、この90年代に関しては、あまり述べることはない。90年代は、『ウルトラマン』や『仮面ライダー』が欧米の方に流出した。初のアメリカ版ウルトラマンの『ウルトラマングレート』戦隊シリーズの一つ『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のアメリカ版『パワーレンジャー』、『仮面ライダーブラックRX』は『マスクッドライダー』として、そして、メタルヒーロー作品の『超人機メタルダー』と『時空戦士スピルバン』をあわせた『VRトルーパーズ』などがそれぞれアメリカのテレビにデビューした。しかし、同時にそれは、日本国内で特撮ヒーローが、荒廃したことをあらわしている。かつては、テレビのゴールデンタイムの時間を制覇した、ヒーロー達はいつしか、時の流れに消えていった・・・・。
第2節 【復活のヒーロー達】
90年初頭は、第1節で述べたとおり、特撮ヒーローが廃れてしまったが、それも、96年辺りから、復活してきた。特撮ヒーロー復活の戦陣を切ったのが、ウルトラマン生誕30周年記念として、96年制作・放送された『ウルトラマンティガ』。このご時世に今更ウルトラマンとは・・・・。と世間一般は思っていた。ところが予想を裏返し、『ティガ』は大好評。小さな子供達だけでなく、昔、ウルトラマンを見て育った大人達にも大好評だった。以降、『ダイナ』『ガイア』と続き、平成3大ウルトラマンは大成功を収めた。そして、これ以降、特撮ヒーローが、我々の心に戻ってくるのである。
【熱く語ろうスーパーヒーロー】
大成功を収めた平成ウルトラマン。その中でも、オススメな作品がある。『ウルトラマンティガ』の第49話『ウルトラの星』では怪獣を追って、ダイゴ(ティガの人間体。演ずるはV6の長野博)が過去の世界へタイムスリップ。そこはなんと、円谷英二が脚本家金城哲夫(ウルトラマンの脚本家)と『ウルトラマン』を制作している頃の時代だった。新作の怪獣作品の脚本の案がでず、苦しんでいる金城に、円谷英二が湖で出会った宇宙人の話をした。その宇宙人は怪獣を湖に沈めたと言い、友情の印として『ウルトラの星』と言う赤い石を円谷監督に渡した。彼は名前をウルトラマンと言うらしい・・・。そして、お約束の怪獣出現。ダイゴはティガに変身して戦うが、怪獣のパワーに大苦戦。その様子を見ていた。円谷英二監督がティガに対して「負けるな!」と叫んだ時、奇跡が起きた。ウルトラの星が、伝説の戦士ウルトラマンを呼び起こした。そして、ティガの必殺『ゼペリオン光線』とウルトラマンの『スペシウム光線』をダブルで受け、怪獣は完全に撃沈。そして、ティガとウルトラマンが、ガッチリ握手!そして、ウルトラマンは「シュワッチ」と叫んで空の彼方に消えていった・・・。それを見ていた円谷監督が「ヒーローが必要なんだよ、金城君。ヒーローが・・・。」とつぶやく。そして金城はウルトラマンの脚本を完成させる・・・。うわー!まるまる1話分の内容を解説してしまった。まあでもこのエピソードは本当に面白い。特撮ファンもティガファンもオススメするエピソード。機会があれば1度見てみては・・・・。
終章 2000年〜 【復活!そして・・・】
2000年『仮面ライダークウガ』という番組が始まった。特撮初のハイビジョン放送で、数年ぶりに仮面ライダーが復活、話題を呼んだ。そして、それに触発されるかのように、戦隊シリーズの日米共同合作が提案され、『クウガ』の続編『アギト』、『ウルトラマンコスモス』の放送、そして全国でたくさんの特撮関係のイベントなど、今まさに、特撮ブームが、もう一度到来した・・・・・。
『月光仮面』誕生より、我が国が誇る特撮ヒーロー達の大まかな進化の歴史を述べた。しかし、僕の意見などは、特撮ヒーローの神髄のほんのわずかにすぎない。今回このテーマを取り上げて改めて特撮ヒーローの魅力に取り憑かれそうだ。特撮作品を作る人、演じる俳優、体を張るスタントマン、そして、それを見て育った子供達。様々な思いが込められ、やがて、時代の流れと共に記憶の底へ消え去っていくヒーロー達。しかし、その勇士と神髄は、この先ずっと消えずに、受け継がれていくだろう・・・・・。
不滅のヒーロー達、月光仮面、ウルトラマン、仮面ライダー、宇宙刑事、ゴレンジャー・・・この世が危機に陥るとき、必ず現れてくれるだろう!その日まで・・・さらば!そして・・・ありがとう我らのヒーロー!
終
【参考資料】
- 「超人画報」 竹書房
- 「スーパーヒーロー作戦読本」 ケイブンシャ
- 「S・H作戦攻略ガイド」 メディアワークス
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