■ 学校長の挨拶

平成24年度 1学期 終業式訓辞

大阪府教育センター 附属高等学校
校長 乾   匡

 

 おはようございます。急に暑くなりましたが、熱中症など健康にはくれぐれも注意して下さい。特に夏季休業中に、部活動に頑張る人は、自分の健康管理はもちろんのこと、周りの人の異常にはなるだけ早く気づいてあげてください。中には1分1秒が大切になる重大な異変があるかもしれません。

 1学期の始業式で「色々なことに広く関心を持って欲しい」と話をしました。無関心よりは関心を持って、チャレンジすることでわかることも沢山あるだろうし、身につくことも沢山ある。学校という学びの場で、「やる気」と「根性」で自分を磨き、仲間と共に心が震えるような感動を体験して欲しいと呼びかけました。

 今日は、終業式ですが、始業式から始まったこの3ケ月あまりの「自分の努力を振り返る日」です。何を目標に掲げ、それに向かって積み重ねた自分の努力はどうだったのかしっかりと振り返って下さい。しっかりと振り返ることで自分自身の課題も見えてくるはずです。そうすることでまた新たな目標が見つかるはずです。そして、それが将来幸せに生きていくための成長への第一歩となるのです。高校時代にすべきこと、高校時代にしかできないこと沢山あるはずです。今の努力は、必ず、必ず未来の自分に返ってくる。特に3年生にとっては、進路選択、進路決定という人生の大きなターニングポイントになる1年です。自分が将来どう生きていくのかを真剣に考え、努力によって、未来への扉を開けて欲しいと願っています。

 今、社会では心が痛む事件が沢山報道されています。「いじめ」「自殺」についてです。みんなはどう感じていますか。先日、中学生数名が、寄って集って一人の小学生に殴る蹴るの暴行を加えている様子が、インターネット上の動画サイトに投稿されていたそうです。「はははまだ10秒やぞ」とか「おもしろい動画になりそうや」とか、周りで囃し立てる声も録音されていたそうです。この話を聞いて、反吐が出るくらいの怒りを覚えました。無抵抗な体格も力も劣る一人の子どもに寄って集って暴行を加える者、それを動画に収めている者、周りで囃し立てている者・・・痛かったやろうな。悔しかったやろうな・・人のすることでしょうか。
 ある人は「いじめはなくならない」と言います。本当でしょうか。そんなわけはないと私は思います。全ての人が、温かい思いやりの心を持つこと、そして、見て見ぬふりをするのではなく、あかんことには敢然と立ち向かう勇気を持つことでなくせるはずです。我々人間には「心」というものがあるはずです。どうか皆さん、思いやりや勇気、正義感など「心」を豊かにして「人として恥ずかしくないか」という基準をしっかり育んで下さい。

 これから、長い夏休みに入りますが、事故には十分に注意して、また元気な姿で2学期の始業式に会いましょう。