大阪府立堺西高等学校

第34回入学式式辞



320名の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。
桜花爛漫、麗らかなこの佳き日に、堺西高校へようこそいらっしゃいました。
緑豊かな私たちの学校は、燦燦と降りそそぐ陽光と向き合って一日が営まれ
ます。今日のような春のやわらかい光、夏の焼けつく日差し、秋の穏やかな木
漏れ日、冬の光の透明な輝きの中で、若者たちは元気に学校生活を送っていま
す。世の中にどんなに冷たい風が吹いても、どこかにいつも、あたたかな「陽
だまり」のある学校にしたい。それが、私たち教職員の夢です。

みなさんの胸のなかにも、夢が生まれているでしょうか? 私たち人間は、
自分なりの物語を編みながら生きています。友だちづきあい・恋愛や結婚・子
育てといった他者との関係、社会のなかで何かの役割を担い、よい仕事をして、
自分でも、そして他人からも評価される、といったことがその物語の柱になり
ます。夢を持つためには、そしてそれを実現させるためには、「私の人生」と
いう物語の立派な柱をたてるためには、これから申し上げる3つのチカラを育
てることが必要です。

一つは、「知識と技能」です。みなさんは、やがて社会に出る、自分で生活す
ることを考えなければなりません。自活できているという自由と自負の感覚は、
労働によってはじめて現実性を得ますが、働いて、よい仕事をして、認めても
らうためには、知識と技能が不可欠です。私たち教職員は、知識と技能を教え
たくてウズウズしています。授業でも、部活動でも、一緒に学び、一緒に汗を
かきながら、みなさんに生き抜くための知識と技能を伝えますから、意欲をも
ってぶつかってきてください。

でも、学校は、知識と技能さえ磨けばそれでいい、という場ではありません。
物事を自分にとっての意味だけでなく、同時に「みんなにとっての意味」とし
てみる訓練の場でもあります。ヘーゲルという哲学者は「自由になるためには
不自由が必要だ」ということを教育の場で強調しました。自分のルールだけで
生きようとする人、ルールを破ることを個性だとはきちがえている人に対して、
堺西高校は厳しく指導します。

性別や出身、貧富の差や障害のあるなしを問わないフェアなルール感覚につ
いても、つまり「人権」についても、丹念に教えていきます。二つめのチカラ
は、この「ルール感覚」です。
そして三つめは、「関係づくりの能力」です。友だちや先生方との関係はもち
ろん、PTAや地域の方々とも出会う機会をたくさん盛り込んだ活動を教育課
程のなかに組み入れています。さまざまな立場の人、年齢や世代の違う人たち
から学ぶことはいっぱいあります。まず、毎日の挨拶からはじめて、自分と考
えや感じ方の違う人たちといい関係がつくれるようチカラを養ってください。
「知識と技能」「ルール感覚」「関係づくりの能力」この3つのチカラを基礎
に、将来への目標を見据えて、それを実現させようという意欲をもつ人を堺西
高校は全力で応援します。「Breakthrough堺西」これが今年の学校教育目標で
す。みなさんをしっかり後押しして、3年間で成功体験を重ね、自信をもって
もらうために今日から本校の教育活動は始まります。この入学を機に、みなさ
んもちょっと背伸びをしてオトナへの長い階段を歩き始めてください。

保護者のみなさま方に置かれましても、今日こうして高校の門をくぐられたお
子様に対して、やはりご自分の夢を語りかけていただきたいと存じます。私た
ち教職員も、子どもたちから決して逃げない姿勢で向き合っていきます。保護
者の方々や地域のみなさんと、「逃げない大人のチーム」、「オトナであるこ
とを存分に愉しめるチーム」をつくって将来を担う世代を育てたいと存じます。
お子様はこれから自立の道を歩むための学習をすることとなります。時には
厳しい指導もあるかもしれませんが、お子様の安心を守り、自信を育ててまい
りたいと思いますので、ご協力を賜りたく思います。


最後になりましたが、本日は、大阪府教育委員会より教育センター学校経営
研究室主任指導主事 林志郎 様、堺西青少年地域育成会理事長 山本美也子 様、
本校PTA会長 奥村真佐子 様を始め多数の方々にご臨席を賜りました。平素よ
りこの堺西高校に渝わらぬご理解とご支援を注いでいただき、本日また錦上華
を添えていただきました。心より感謝申し上げ、式辞の結びといたします。




平成二十一年四月八日

         大阪府立堺西高等学校長   島 ア 英 夫