中秋の名月

 9月19日 夜桜の夜空に『中秋の名月』が満月の姿を現しました。
 考査中のこともあり、先生達もしばし採点の筆を止め、次回は8年後まで見られない満月の中秋の名月に、心を奪われていました。

 来年以降は、少し欠けた名月になるとのことですが、それも良し。
 月に関しては、清少納言も「月は満月よりも、幾分欠けているほうが風情がある」と、不完全の美を讃えています。兼好法師や千利休もおなじような事を述べていたと思います。

 元来我々は、目の前にある現象に対して対立するのではなく、それを受け入れ調和を求めるが完璧さは求めない伝統があったのではないでしょうか。

 先日、橋本関雪展に行きましたが、日本画は画帖に空白の多いこと、西洋の絵画とは全く趣が違います。この空間が我々の想像力をかき立てる。物質ではなく見る心がその隙間を埋めるのです。
 『不完全さを楽しむ心』は、我々が忘れてはならない原風景だと思います。