◆本校における自立活動の取り組み

1.自立活動指導の体制

 本校では、小・中・高等部とは独立した専任部として自立活動指導部が設けられている。 また、校務部会として小学部2名、中学部3名、高等部3名と専任自立活動指導部3名の計11名で自立活動部を構成し、 月1回の校務部会で、各部間の連絡調整等の連携をはかっている。
 自立活動指導にあたっては、学期毎に「個別の指導計画」を作成し、計画に基づいて指導・評価を行っている。 指導形態は、専任担当者4名が主担当となり、各部の教員と連携して指導体制を組み、個別指導または小グル−プ指導形態で取り組んでいる。 対象児の抽出は、専任担当者と学部又は学年単位で検討して決定し、その評価・ケース検討会議は毎学期末及び必要に応じて行っている。


2.自立活動指導の目標
 『心身の調和的発達の基盤を培うために、個々の発達の特性を把握し、課題に応じた個別的な指導を行い、児童・生徒が自立を目指して主体的に障害の状態の改善と克服をできるように支援する。』



3.自立活動指導の柱
  (1) 動作指導(基本動作指導)
  (2) 情緒・コミュニケーション指導
  (3) 言語指導(発声・発語を中心に)
  (4) 補助・代替コミュニケ−ション指導(身振りや絵、写真カ−ドを用いたコミュニケーション指導)
  (5) 自立活動相談(本校生徒対象)、地域相談支援(地域の幼稚園・小・中学校、福祉施設の
    障がい児・者及び職員対象)

 自立活動指導部では、地域の人や幼稚園・小・中学校、作業所等のニーズに応じた地域相談支援
 (教育相談、研修会等)を担当している。
 主な教育相談内容としては、不適応(問題)行動の理解とその対応の仕方、動作面、諸検査の実施、
 発達相談、言語指導等に関すること等があげられる。また、研修会では、基本的な障害児(者)の見方・
 関わり方、言語指導及びAAC指導の実際と教材・教具の作成、諸検査の実施の仕方等の研修を行って
 いる。



4.自立活動における「個別の指導計画」の作成と展開

 (1)実態把握(情報収集)

 *行動や生活・学習場面の観察
 *諸検査の実施(客観的な実態把握として)
 ・KIDS乳幼児発達スケール   ・新版S−M社会生活能力検査
 ・ITPA言語学習能力診断検査  ・構音検査  ・ABS適応行動尺度
 ・フロスティッグ視知覚発達検査  ・MAS(問題行動の機能分析) 等
 *保護者のニーズ調査(アンケートをもとに学級担任が家庭訪問時に行う)

 (2)指導目標(短期・長期)、指導内容(方法)の検討・決定
  ・実態把握で収集した情報を整理し、長期・短期目標を設定する。長期目標は、2〜3年程度先に達成
   できると考えられる目標を、短期目標は、学期ないし1年間の指導で達成可能と考えられる目標を設
   定する。
  ・子どもの良さ(伸ばしていきたい力)と課題(改善していきたい力)の両面から目標・内容を設定して
   いく。

 (3)指導計画の検討・承認会議
 
・各学年会(学級担任・学年担当者+自立活動指導部)で個別の指導計画の検討、承認会議を行う。

 (4)指導実践
 
・指導計画に基づいて指導を展開する。
  ・小グループ指導については、「グループの指導計画」を作成する。

 (5)指導の評価(学期末)
 
・短期目標がどの程度達成されたか、指導内容・方法が妥当であったかについて評価し、次学期の
  指導方針(短期目標)を明確にする。
  ・子どもの評価と指導者側の評価(指導計画の評価)の両側面の評価を行う。
  ・評価に可能な限り児童生徒の自己評価も取り入れる。

 (6)次学期の個別の指導計画の作成(学期毎の指導計画の作成)
  ・学期末の評価に基づいて修正・継続を検討し、次学期の自立活動の個別の指導計画を作成する
  (学期毎に再計画する)。

5.自立活動指導の概要

<指導のねらい>
 @基本的な身体の動かし方(動作・姿勢)を学習する。
 A正しい姿勢づくりを通して、学習活動への構えを形成する。
 B情緒の安定と状況や場面に応じた行動ができるようになる。
 C言語能力全体を高めることを通して、発声・発語能力を高める。
 D音声表出言語に加えて(又は代わる)補助・代替手段(身振りや写真カード等)を適用し、
 個々の実態に応じたコミュニケ−ション技能を習得する。
 E社会自立に必要な社会的コミュニケ-ションスキルを学習する(地域生活支援学習)。

<指導の設定>

 (1)小学部
 @基本動作指導(動作面に課題のある児童) 週3〜5時間
 A個別抽出指導(各週1〜3時間)
  ア、動作指導(姿勢・動作面に課題のある児童)
  イ、言語指導(発声・発語面に課題のある児童)
  ウ、情緒・行動指導(情緒・行動面に課題のある児童)
  エ、補助・代替コミュニケーション指導(コミュニケーション面に課題のある児童)
 B小グループ指導(週1〜2時間)
  ア、補助・代替コミュニケーション指導(音声言語に加えて身振りや絵カード等を用いたコミュニケー
   ション手段の拡大が必要な児童)
  イ、言語グループ指導(発声・発語面に課題のある児童)

 (2)中学部
 @基本動作指導(姿勢・動作面に課題のある生徒) 週2〜4時間
 A言語指導(発声・発語面に課題のある生徒) 週2〜4時間
 Bコミュニケーション指導(情緒・行動面に課題のある生徒) 週2〜4時間
 C補助・代替コミュニケーション指導(音声言語に加えて身振りや絵・写真カード等を用いたコミュニケー
   ション手段 の拡大が必要な生徒)週2〜4時間
 D基礎グル−プ指導(基本的なコミュニケーション・認知学習が必要な生徒)週4時間

 (3)高等部
 @基本動作指導<全学年共通>(姿勢・動作面に課題のある生徒)週3〜5時間
 A学年自立活動(各学年週4時間
  ア、情緒・コミュニケ−ション指導(情緒・行動面に課題のある生徒)
  イ、補助・代替コミュニケーション指導(音声言語に加えて身振りや絵カード等を用いたコミュニケー
   ション手段の拡大が必要な生徒) 
  ウ、言語指導(発声・発語、コミュニケーション面に課題のある生徒)
 B自立活動相談(各学年1〜3時間)
  ア、動作指導 イ、言語指導(発声・発語)、ウ、補助・代替コミュニケーション指導 
  エ、買い物スキル学習(地域生活支援)、オ、情緒安定のための指導、
  カ、諸検査(心理・発達検査等) キ、対話カウンセリング、ク、保護者相談