信太高校保健だより>Vol.24


 Vol.24                             2004.2.6
 昨年、12月23日、アメリカでBSE感染牛が確認され、米国産牛肉の輸入が停止されました。年が明けて、1月12日、山口県の農場で鳥インフルエンザが発生、その後アジア各国での蔓延状況が明らかになってきました。現在、タイ、中国、ベトナムなどからの輸入が禁止されています。

吉野家をはじめとする牛丼チェーンやお弁当、お総菜関連に影響が拡がっています。
肉の小売価格も上昇しています。

私たちの「食」は一体どうなっていくのでしょう。
今回は問題となっているBSE鳥インフルエンザについて調べてみましょう。

 1985年、英国で発生したのが最初だとされています。発症した牛を使った飼料(肉骨粉)を他の牛に与えたため被害が拡大していきました。1988年には発症牛の飼料化が禁止され、次第に発生件数は減少していきましたが、2001年9月、日本でもBSE1号が発生しました。このときは輸入された肉骨粉の使用が原因かと思われていました。昨年11月4日には9頭目のBSE牛が確認されました。しかし、今回の感染経路は未だ不明で調査中です。

犯人は異常プリオン!
 BSEの犯人は異常なプリオン(タンパク質の一種)です。タンパク質は通常、体内で消化吸収されるのに、異常なプリオンは消化酵素では分解されず、正常なプリオンを汚染し、異常プリオンに変えていくと考えられています。この異常プリオンがやがて神経を狂わせ、脳組織を破壊します。脳が海綿(スポンジ)状になることから、BSEは牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy)といいます。

人にもうつる?
 BSEは牛の病気ですが、プリオン病の中には人間に見られるものもあります。クロイツフェルトーヤコブ病です。急速に進む痴呆が特徴で主として40-80才の人々に見られます。ところが、BSE発生の多い地域で若年層にもこのヤコブ病とよく似た症状の新変異型クロイツフェルトーヤコブ病が見られるようになり、その原因がBSE牛を食べたからではないかと推測されているのです。

牛肉は食べても大丈夫?
 異常プリオンは牛の脳や小腸、背骨などに蓄積されやすいとので、これらの部位はなるべく避けた方が無難といえるでしょう。
日本では全頭にBSE検査が義務づけられているので、国産牛と表示されていれば安全だといえます。しかしこの表示、本当に信用できるのか…が疑問なんですよね。大手食品会社の牛肉偽装事件だってありましたから。

 日本を含む東アジアの13ヶ国で、この冬、鳥インフルエンザが発生しています。その被害も膨大です。日本は鶏肉消費量の約3割を輸入しており、タイ、ブラジル、中国、米国がその相手先国で、現在タイ、中国からの輸入がストップしているため国内消費の17%に影響が出ています。スーパーなどで販売される鶏肉は国産が主で、輸入鶏肉は外食メニューや総菜で使用が多くなっています。

鶏肉を食べたら?
 もし、鳥インフルエンザにかかった鶏を食べたらどうなるのでしょう。私たちも鳥インフルエンザにかかるのでしょうか?どうやらそれはなさそうです。今までのところ、鶏肉や鶏卵からの感染は報告されていませんし、ウィルスは熱に弱く、75℃で1分の加熱で死滅するからです。

人への感染はどうして起こる?
 しかし、ベトナムでは先日、11人目の鳥インフルエンザの死者がでました。タイでも死亡した5人にその疑いがあるとされています。いずれも直接生きた鶏と接触をもった人々で、これらの人々から他の人へ感染していくことはありません、…と今のところ考えられています。

 それは鳥のインフルエンザウィルスの型が人のそれとは違うからです。でも、人にも感染することは事実です。しかも罹患した場合の致死率は高い。専門家は次のようなシナリオを怖れています。
鳥→ヒト型への変異
 人インフルエンザと鳥インフルエンザに同時に感染するなどの理由で、ウィルスが変異して「人から人への感染力」を持つ心配はないのでしょうか。現在アジアで流行している鳥インフルエンザは「A型」に属しており、「A型」は変異を起こしやすいタイプだというのです。「A香港型」「Aソ連型」インフルエンザはやはり鳥インフルエンザから変異したもの。1918〜19年に大流行し、世界中で4000万人以上の死者を出した「スペイン風邪」も同様だったという研究結果も出ました。今回の鳥インフルエンザはかなり強い毒性を持っています。変異して新型ウィルスが出現した場合、免疫を持たない人間には大きな脅威となり、グローバルなこの時代、一気に世界中に大流行を起こす、最悪5億人の死者が出る、と計算する学者もいます。SARSより対応が困難だとさえいわれています。

 食べる分には臆病になる必要はないようですが、今後の動きには注目する必要がありそうです。

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