ごあいさつ
大阪府立吹田高等学校
校 長 西 島 多 枝 子
本校定時制の課程は教育改革の一環として平成17年4月に新入生の募集を停止し、本
年3月在校生の卒業をもって閉じることとなりました。3月 9日 (日)午後 1時 30分
より メイシアターにおいて最後の卒業式を行ったのち来賓、卒業生、旧職員 そして現
職員200名を越す人々に見守られながら、第一部閉課程式典、第二部は西川きよし氏
の講演「夢にむかって」、第三部は本校卒業生バンドによる演奏会を行い56年の歴史を
閉じました。
本校は「吹田市に府立高校の設置を」という地元の熱い願いのもと、昭和 25年 4月に
全日制の課程を設置したのち、昭和27年4月、府立春日丘高等学校定時制の課程吹田
分校の移管により、定時制の課程を設置し、第1学年38名、第2学年23名、第 3学年27
名、第4学年 15名、計 103名の在籍する定時制高校としてスタートしました。緑の丘や
田園に囲まれた学校はいつしか街中の学校となり、勤労青少年が働きながら学ぶ学校か
ら、異なる年齢、多様な学習暦を持つ生徒たちが、自分を見つめ、未来を探す学校とし
てその役割を拡充してきました。その間、時代変化に機敏に対応し、定時制通信制併修
制度の導入、土曜開放講座の開講、聴講生制度の導入、始業前授業〔0 時限目〕の導入
等、特色ある新たな取り組みを進めるとともに、生徒一人ひとりの学習到達度に合わせ
た学習指導の充実を図ってまいりました。いつの時代もどの生徒にとっても希望や期待
に満ちた高校生活であったことと思います。この半世紀を越す歩みの中で2194人の生徒
が本校を巣立ち、社会の様々な分野において活躍をされています。定時制教育の果たし
て来た役割を思うと残念ではありますが、教育の原点を貫いてまいりました本校定時制
の課程の伝統を正しく継承するとともに、その成果を全日制の課程のなかで引き継いで
行きたいと考えております。これまで吹田高校を支えていただきました皆様へ心よりお
礼申し上げます。なお、定時制の課程の記念として、第一回卒業生の同窓会長丸岡武様
の俳句『灯を入れて巨船めきたる夜学校』を記念碑に刻みまして、卒業生の方々と未来
へ続く生徒への励ましの言葉とさせていただきたいと存じます。ありがとうございました。