■卒業証書授与式 学校長式辞

 厳しい冬の寒さから木々の芽吹きに春の気配が色濃く感じられるようになってまいりました。
 本日、ここに第二十六回卒業証書授与式並びに閉校式を挙行いたしましたところ大阪府教育委員会教育監、田中様、並びに大阪府議会議員、松田様をはじめ、多数のご来賓の御臨席を賜りました。巣立ち行く卒業生の門出に一段と光彩を添えていただき誠に有り難く、高い所からではございますが、厚く御礼申し上げます。
 ご列席の保護者の皆様、本日はお子様の御卒業、誠におめでとうございます。いよいよ本校も最後の日を迎えることになり、うれしくもあり、寂しくもありという心境ではないでしょうか?
  
 二十六期生百七十六名の皆さん、卒業おめでとうございます。月日が巡り、入学して早や三年が経ちました。思い出深い三年間になったでしょうか?君たちが入学する前年の夏に統合の話が新聞等で報道されました。閉校になる学校だと知った上で、君たちは、平成二十年四月に入学してくれました。我々教職員は閉校になる学校に志願してくる生徒がいるだろうか、または志願者がいても大幅な定員割れになるのではないだろうかと危惧しておりましたが、それも杞憂に終わりました。高い競争率そして難関を勝ち抜いて入学した君たちの表情や姿を見てほっと胸をなでおろしたものです。君たちに何としても、「砂川に来てよかったなあ、楽しかったなあ」と思ってもらえるよう教職員一丸となって、この合言葉を実現できるよう、精一杯頑張ってきました。君たちも我々の指導によく応えてくれました。この三年間、満足してくれたことと思っています。
 ただ心残りな事は、リーマンショックに端を発したこの経済不況により高校・大学を卒業する人たちにその影響が直撃しました。本校でも就職希望者には特に厳しい結果になり、無念な気持ちでいっぱいです。我々の就職指導にも一生懸命応えてくれただけに本当に残念です。
 しかし、こういう厳しい時にこそ、人間の真価が問われるのです。決して逃げてはいけません。チャンスが訪れてくるまで、愚直にも地道に努力を重ねて行ってください。諦めず、そして私が君たちにいつも言っている笑顔と挨拶を忘れないで、前進あるのみです。
 
 卒業生のみなさん、少し難しいのですが、「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」という言葉を知っていますか?私が人生を送る上で、肝に銘じている言葉です。将来の成功を期して苦労を重ねながら日々努力するという意味です。これを卒業生への贈る言葉にしたいと思います。この言葉を胸にし、今後の人生、実り多きものであるよう願っています。  さて、この三年間を振り返ると、遠足、スポーツ大会、体育祭、文化祭、修学旅行、そして閉校行事と例年以上にたくさんの行事がありました。それらを見てきた中で私が、感心したことと心配だなあと感じたことがあります。
 感心したのは、たくさんあった行事で君たちの取り組む姿勢が真剣で本当にすばらしかったことです。またそういう雰囲気があったから文化祭で自発的な出し物もうまれたと思います。君たちと共有したどの思いでも忘れられません。
 反面、最後の学年ということで君たちを甘やかせてしまったのか、また後輩がいないということで君たち自身が甘えてしまったのかわかりませんが、君たちがなかなか自立していないように感じます。進学するにも、就職するにも厳しい今の時代、自らの力で自らの道を切り開いて行く覚悟をもって、常に社会の動きにしっかりと目を向け、自分自身が何をすべきか行方を見極め、主体的な生き方をしていくことが求められています。老婆心ながら、それを心に留め、それぞれの分野で大きく羽ばたいてくれることを教職員一同願ってやみません。

保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。蔭に日なたにお子様をこの三年間支えていただき、また生徒のためにPTA活動にも全力でご支援を賜り有難うございました。おかげさまで、ここに本日この佳き日を迎えることができ、教職員を代表して心より感謝申し上げます。また、PTAのOBの方々の惜しみないご協力、側面支援のおかげで生徒たちも寂しい思いをせずに三年間過ごせたのではないでしょうか。頭が下がる重いでいっぱいです。
生徒の皆さんはもちろんのこと、保護者の皆様、PTAのOBの方々、教職員のみなさん、地域の方々、その他多くの関係者の皆様、おかげをもちまして、砂川丸を無事、閉校という港に帰港させることができました。砂川高校への皆様の思い入れ、人と人の絆の大切さを実感した三年間でした。たくさんのいい思い出、有難うございました。

最後に卒業生のみなさん、砂川高校は本日でなくなりますが、砂川での思い出、勉学に励んだこの校舎、大きい声で歌った校歌、それらは、君たちの心の中でずっと行き続けて行きます。この思いを胸に、君たちの人生に幸多かれと祈っています。
本日は、ご卒業おめでとうございます。

平成二十三年二月二十六日
砂川高等学校校長
明山 富久吉

       

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