「過ぎ去った昔は、すべて美しい。」
30代後半の5年間の、僕の高槻南高校での「高校生活」は懐かしい思い出ばかりです。昭和34年に始まり、いまも続いている僕の教員生活の中で、5年間は長いものではなかったが、最も充実した歳月でありました。
学校は、住宅化しつつあったとはいえ、まだ豊かな田園の風景と人情を色濃く残している所にありました。せちがらい受験勉強、テストのためだけの勉強に毒されていない、淳朴でおおらか、たくましく牧歌的な生徒でした。学校全体に「槻の木は葉に葉に光り」、若々しく元気がありました。
初めて担任した1年生のクラスで、前期の学級委員を決めるとき、次々と立候補する人が現れたのをみて、今までいた学校とは違う、清新な気配を感じました。
4期生3年の文化祭。どのクラスも一所懸命総力を結集して取り組んだ。勢い余って学校に泊り込んだ人もいたとか。僕が担任した3年1組は展示「スターウォーズ」。文化委員の浜君のひたむきな情熱にクラスの全員が応えて、素晴らしい出来栄えでした。
授業の思い出を書かなくてはなりません。5年間を通じて授業は主に3年生の日本史でした。いつまでも忘れることのできない授業があります。2学期ともなると、クラスと僕との間に一体感・信頼感のようなものが生まれていくのを感じました。4期の人達に限らず、当時の高槻南高校の生徒は、知的好奇心が旺盛で、本来の勉強をしていたと思います。もう一度あのころに帰って授業をしてみたい。皆さんはもう沢山と思うでしょうが。
日本は今激動の時代を迎えています。その波は府立高校にも及んでいます。しかし4期の人々があの学び舎で学んだ3年間の思い出は、皆さんにも私達にもいつまでも残ることでしょう。
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