−−−全国大会 詳細報告−−−

軟式野球部全国大会出場について(お礼)


劇的サヨナラで全国大会初勝利

9回裏 野田殊勲の1打

3−2で旭川大を下す

【8月26日(月)明石公園球場】
旭川大 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2
高槻南 0 1 0 0 1 0 0 0 1 3
 26日、兵庫県明石公園球場において、第47回全国高等学校軟式野球選手権大会第2日目・1回戦が行われ、 本校軟式野球部が劇的なサヨナラ勝ちで旭川大を下し、全国大会初勝利を上げた。
 1回、ピッチャーの原健太君(3年)は先頭打者に四球を与えた後、3本のヒットで2点を失う苦しい立ち上がり。 しかしその後は落ち着きを取り戻し、2回以降は1安打1四球に押さえるという全く危なげないピッチングで、 味方の援護を待った。
 1点を追う5回、この回の先頭打者・越山裕也君(2年)がカウント2−0からファウルなどで粘った末、 四球を選び、相手投手のボークで無死2塁。挟殺プレーで走者が野田尊稔君(3年)に変わった後、 新西孝君(2年)がライト前に落ちるタイムリーヒットを放ち、同点とした。
 その後8回にも中島直也君(3年)の内野安打などで2死3塁のチャンスを迎えるも、 あと1本が出ず最終回を迎えることとなった。
 9回裏2死走者無しで打席に入った野田君はそれまでの4打席に凡退。おそらく双方の選手たちやベンチ・ 応援団が陣取るスタンドにも「あとアウトひとつで延長戦」の思いがあったはずだ。しかしそんな予想を 裏切るかのように、初球のボール球に強引にバットを振り抜くと、打球は美しい放物線を描き見事右中間を破り、 ボールは転々とフェンス際へ。右翼手と中堅手が打球処理にもたつくのを確認すると野田君は2塁を蹴り3塁へ。 「2塁を回って(3塁コーチャーの)石谷(健一君・3年)が右腕を何度も回すのを見て、勝利を確信した。」 という野田君は躊躇することなく3塁も回り、右翼手からの返球が乱れる間に一気に本塁を駆け抜けた。
 ホームベース付近に駆け寄り野田君に抱きつき飛び跳ねる選手たち。予想だにしない劇的なサヨナラ勝ちに 400人の応援団も狂喜乱舞した。
 創立30年にして初めて明石球場に流れる校歌。誇らしげに胸を張り大声で歌う選手たち。その眩しい姿を見つめ、 一体となり校歌を斉唱する応援席ではあちこちですすり泣く声が聞かれた。
 試合後、球場外に出てきた選手や応援の生徒・OB・保護者たちは興奮冷めやらぬ様子で、誰彼無しに握手をし、 抱き合い、初勝利の喜びを分かち合った。
 それにしても長い道のりであった。
 何百人もの先輩が夢にまで見てきた全国大会1勝。初出場した19年前には果たせなかった1勝。 この日、価値ある1勝をもたらした選手たちは19年前のことなど知る由もないが、これまでに積み重ねられてきた 先輩方の思いの重みは充分に感じていたはずだ。その思いに後押しされて、もぎ取った劇的な勝利は、 これまで本校軟式野球部に関わりを持った全ての人々の勝利であることは間違いない。




4強まであと一歩及ばず

9回長打3本 驚異の粘り

4−5で育英に惜敗も大健闘

【8月27日(火)高砂球場】
高槻南 0 0 0 0 0 0 1 0 3 4
育 英 2 0 0 0 0 0 1 2 × 5
 27日、兵庫県高砂球場において、第47回全国高等学校軟式野球選手権大会第3日目・準々決勝が行われ、 本校軟式野球部が終盤、驚異的な追い上げを見せるも及ばず、4−5で育英(兵庫)に惜敗した。
1回、ピッチャーの原健太君(3年)はまるで前日の試合のビデオ再生を見ているかのような悪夢の立ち上がりとなった。 四球やバント処理の遅れなどで無死満塁のピンチを招き、2点タイムリーで先制を許し、いきなり相手に主導権を 握られてしまった。
 この日は前日とは異なり、打線は完全に沈黙した。6回まで四球による一人の走者しか出すことができず、 試合後、原君が振り返ったように「ノーヒットノーランに抑えられる」かと思えるような苦しい試合展開となった。
7回表、敵失と原君のスクイズでノーヒットでようやく待望の1点を返すが、その裏、死球と2塁打で1失点。 なかなか追いつくことができない。
 ところが8回、これまで控えに回っていた選手が、蓄積された思いを爆発させた。6回よりキャッチャーの 守備に入った長沼剛志君(2年)が、2死走者なしで左翼線に大きな弧を描き初ヒットとなる2塁打を放つと、 それまで意気消沈していた応援席は大いに湧きかえった。続いて代打として打席に送り込まれた太田裕貴君(3年) が1・2塁間を破る打球を放ち、スタンドは驚喜したが、それもつかの間、右翼手の好返球には阻まれ、 ヘッドスライディング虚しく間一髪アウトとなった。
 8回裏、疲れの見え始めた原君はこの日2度目の無死満塁のピンチ。ワイルドピッチとスクイズで2点を献上し、 万事休すかと思われたが、ドラマはまだ次の回に用意されていた。
 最終回、前日のヒーロー・先頭打者の野田尊稔君(3年)がすかさず初球を叩くと、 打球はぐんぐん伸び右翼手の頭を越え、ワンバウンドで外野スタンドに吸い込まれるエンタイトル・ツーベースとなった。 続く新西孝君(2年)のセカンドゴロの間に野田君が3塁に進塁。さらに田村誠悟君(3年)がライトオーバーの タイムリー3塁打を放ち、まず1点。四球をはさみ2死1・3塁となった後、奥田勇君(2年)が執念の センターオーバー3塁打。打球が転々とする間に二人の走者が生還すると、奇跡のような猛追撃にスタンドの興奮は 最高潮に達した。これで1点差。これまでほぼ完璧に押さえられていたのが嘘のような集中打に、誰もがあと1点を期待し、 スタンドは全員が立ち上がり声を嗄らし必死の声援を送ったが、本校の粘りもここまで。最後の打者が打ち取られると、 スタンドでは悲鳴と溜息が交錯した。
 1塁側ベンチ前に整列した選手たちは、育英の校歌演奏が終わると、応援席に向き直って大きな声で礼。 応援席からはこれまでにない大きな拍手が起こったが、それと同時に選手の中には膝から崩れ落ち、うずくまって 泣きじゃくる者もいた。
 球場から出てくる選手たちを応援団全員が出迎え、顧問の石井匠先生・茂林歳監督・田村主将が続いて挨拶を述べると、 選手たちの健闘を讃え、再び大きな拍手が起こった。
 敗れはしたものの、選手たちのさわやかなでひたむきなプレーぶりは見る者全てに感動を与えてくれた。 また、最後の集中打は勝利への執念と高槻南の意地を全国に示す素晴らしいものであった。この粘り・決して 最後まで諦めない気持ちは必ずや次に繋がるに違いない。
 次は9月の高知。もうひとつの「全国大会」である国民体育大会が待ち構えている。
育英に対するリベンジと全国制覇を誓った田村主将の顔には、もう涙はなく、視線は1ヶ月後をしっかりと 見据えているように見えた。


◆     ◆     ◆     ◆     ◆


《顧問団よりお礼とお願い》
 全国大会では残念ながら準々決勝敗退という結果に終わってしまいましたが、悲願の1勝を上げ、 多くの校友とともに校歌を歌うことができたことを本当に嬉しく思っております。これもひとえに皆様の 暖かいご支援の賜物だと思っております。心より御礼申し上げます。
 9月の高知県室戸市での国民体育大会に出場するという栄誉も勝ち得ました。今度こそは全国制覇を成し遂げるべく、 なお一層の努力に邁進する所存でございますので、引き続き本校軟式野球部へのご声援をお願いいたします。
この度は本当にありがとうございました。

   平成14年8月


−−−全国大会 詳細報告(終)−−−







軟式野球部 19年ぶり2回目の優勝

5−2でPL学園に春の雪辱

本校の歴史に残る勝利に関係者 涙

【8月3日(土)寝屋川球場】
高槻南
PL学園
一言インタビュー
写真

 3日、寝屋川球場において、第47回全国高等学校軟式野球選手権大阪大会第9日目・決勝戦が行われ、 本校軟式野球部が5対2でPL学園を下し、19年ぶり2回目の優勝を決めた。25日から 明石球場などで行われる全国大会へ出場する。
 1回にPL学園に2本のヒットで先制を許した後、2回にも1死から四球、野手選択、 パスボールなどでランナー2・3塁とされ、重苦しい雰囲気の滑り出しとなったが、 新西孝君(2年)が連続で難しいセカンドゴロを見事に捌き本塁で3塁ランナーを刺し、 ピンチを切り抜けた。しかしキャッチャー石谷健一君(3年)が体を張ったブロックで 本塁を死守したこの時、相手ランナーと接触。左目の下を切る怪我を負い、多くのOB・保護者や 学校関係者が陣取る3塁側スタンドには一瞬緊張が走ったが、しばらくして気力で復帰すると 割れんばかりの拍手が起こった。
 4回、本校は1死後、中島直也君(3年)が意表を突くセーフティバントで1塁に生き、 奥田勇君(2年)のライト前に落ちる2塁打でランナー2・3塁とした。続く大西宏典君(3年)に 対しては敬遠気味の四球で満塁となった後、石谷君がやはり四球を選んで、押し出しで同点。 さらにキャッチャーが3塁に牽制悪送球をする間に3塁ランナーの奥田君が生還し逆転に成功した。
 7回には1死後、野田尊稔君(3年)がライト線へヒット。続く新西君の時に見事に ヒットエンドランが決まり、ランナー1・2塁。2死後、4番原健太君(3年)がライトの頭上を 越える3塁打を放ち、ランナー2人が生還。さらに中島君の鮮やかなタイムリーで駄目押しの1点を 追加すると3塁側スタンドの興奮は最高潮に達した。
 その裏に1点を失うが、8回からマウンドに上がった奥田君が代わりばなに2本のヒットを許すも、 動揺することなく後続を打ち取り、無失点で最終回に繋げた。
 最終回にもPL学園は先頭打者がヒットを放ち、昨年の全国王者の意地を見せたが、 反撃もそこまでで、奥田君が最後の打者を三振振り逃げに仕留め、昨年の大会の準決勝と 今春の春季大会の決勝で苦杯を舐めさせられた宿敵に見事雪辱した。
 勝利の瞬間、選手たちは一斉にホームベース付近に駆け寄り、誰彼なしに抱き合い喜びを爆発させた。 3年生のほとんどが泣いていた。応援のスタンドでは大きな歓声が上がり、OBたちがこの19年間の 悔しさを振り払うかのように代わる代わる抱き合い、握手を交わし、感激を分かち合った。 ある縁で数年前から本校野球部の練習試合や公式戦にはほとんどといっていいほど帯同し、 高齢にもかかわらず審判を務めるなどの労に預かってきた奥野満夫さんは「よかった、よかった。」 とだけ言った後は声を詰まらせた。
 選手諸君が一列に並び、3年後には歌われなくなる校歌を高らかに斉唱すると、スタンドでも それに合わせて大きな声で歌うOBや、万感の思いを込め声を震わせて歌う学校関係者の姿が 見受けられた。
 閉会式で主将の田村誠悟君(3年)が念願の優勝旗を手にすると、スタンドからは万雷の拍手が。 その優勝旗を先頭に誇らしげにダイヤモンドを1周する選手たちの胸には栄光の金色のメダルが ひときわ眩しく輝いていた。そのきらめきは、全国大会での本校野球部のさらなる活躍を 予感させてくれた。
 閉会式後、選手たちに胴上げをされ宙高く舞う石井匠先生の姿を見つめるかつての教え子たちは、 潤んだ瞳でそれぞれの暑かった夏を回想していたことだろう。
 25日からはさらに暑い夏が始まる。高槻南高校軟式野球部の夏は今始まったばかりなのだ。

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 この試合のポイントは序盤にあった。個々人がストレートかカーブに的を絞り、 確実にミートするバッティングでヒットを放つというPL学園の堅実な攻めが初回からエース原君を 苦しめた。いきなり初回に2本のヒットで1点を奪われた原君は、その時点で「5点ぐらい取られると 思った。コールド負けも覚悟した。」という。それと同様のことはスタンドから見ている応援の者にも 感じられた。いつもとは違う大一番の独特の雰囲気に飲まれて選手たちが堅くなっている様子は傍目にも 明らかで、大舞台に慣れているPL学園の選手たちとは対照的だった。ところがそんな流れの中に あっても、バックで守る仲間たちの意識は違った。ライトを守る主将の田村君は「先制されても 負ける気はしなかった。勝てると思ったのは初回から、いや、試合が始まる前からでした。」と 言い切った。ここがこれまでとの違いである。チーム結成当初なら、原君が語ったように初回から 大量失点し、そのままずるずると相手のペースに巻き込まれて、いいように遊ばれてゲームセットと なっていただろう。しかし選手たちはこの1年間で見違えるほどの成長を遂げていた。 精神的にたくましくなり、また、窮地にあっても的確に対処できる冷静さを持ち合わせるように なっていたのだ。どんな試合展開になっても精神力で流れを自分たちの側に引き込めるようになった ことは本当に大きい。この日も序盤に大崩れせず耐えたことが、4回の「うちらしい点の取り方」 (石井先生)に繋がったと言えるだろう。
 そんな中で、難しい打球を落ち着いて捌き、確実にアウトを取れるようになった内野陣の貢献は 見逃すことができない。この日も、2つ続けて本塁で刺したセカンド新西君のプレーや、 鉄壁の三遊間を誇る中島君と奥田君・太田裕貴君(3年)、確実な捕球と大きな声でピッチャーを 励まし続けたファースト大西君の存在は何度もチームの窮地を救ってきたと言える。
 外野守備陣にしてもそうだ。難しい飛球にも焦ることなく冷静に対処し、ほとんどエラーを しなくなったことで、ピッチャーは自信と余裕を持って投球できるようになったはずだ。
 ムードメーカーとして明るい雰囲気を作り出し、また守備の要にあって常にチームの士気を 鼓舞してきたキャッチャーの石谷君の存在も忘れてはいけない。いつもは明るく、多少のことでは 物怖じしない彼が決勝戦の前にこっそり「緊張で口から何か出てきそう。」と打ち明けてくれたが、 チームメイトにはそんなそぶりも見せず、素晴らしいリーダーシップを発揮した。また2回の アクシデントのせいで、試合後、へたり込んで苦痛に顔を歪める姿から想像するに、とても試合を 続行できる状態ではなかったであろうに、アクシデントの後も目尻に血を滲ませながら大声で 「大丈夫!」と叫んで駆け出す姿はチームに大きな勇気と安堵を与えたに違いない。
 そんな守備陣に支えられて、集中力を切らすことなく踏ん張ったエース原君が試合巧者の PL打線相手にぎりぎりの失点に抑えたことが、7回の集中打に結びついたとも言える。
 昨年の秋季大会以来3大会連続で、後一歩というところで辛酸を舐めてきたという悔しさが 後押しした勝利への執念。それは紛れもなく今回の結果をもたらした要因のひとつであろう。 しかし、その悔しさを見事精神力の強さへと昇華させたこと、そしてその裏付けとして地道に 練習に取り組んできたことが今回の結果に結実したことを認めない訳にはいかない。

 さて、選手たちが最高の結果をもたらしてくれたその陰でチームを支え続けてくれた人たちの 存在も忘れてはならない。前述の奥野さんもそうだが、多くのOBが入れ替わり立ち替わり 練習に参加し、バッティングピッチャーを務めたり、後輩たちにアドバイスを与えるなどして チームの戦力アップに貢献してくれた。かつて自分たちが果たせなかった夢を後輩たちに 託したというだけでは片付けることのできない献身があった。
 マネージャーの4人は練習中だけでなく自分たちの勉強時間や自由時間を割いてまで 裏方として選手たちを支え続けた。その仕事内容は多岐に渡り、まさに激務といえるものであった。 今回の勝利を最も喜んでいるのは、この4人かもしれない。
 監督の茂林歳さん(21)と監督代理の下浦裕太さん(20)は共に本校OBであり、 茂林さんは大学4回生で学業と就職活動で多忙な中、スケジュールを遣り繰りして練習や 合宿に参加し、チームを栄冠へと導いてくれた。
 そして誰よりも、本校着任以来12年間、何事にも優先させ軟式野球部を指導してきた 本校体育科教諭の石井匠先生。石井先生にとっては本当に長い12年間だったに違いない。 春・夏・秋通じて、最初に参加した大会から数えて実に34大会目にして初の栄冠。 これまでの数え切れないでろう労苦が脳裏をよぎったことだろう。

 本校は今年で創立30周年を迎え、2年半後には新校へと生まれ変わる。 30年前にグラウンドに蒔かれた野球という種が、先輩たちによって流された おびただしい汗と涙を肥やしに、石井先生をはじめとした指導者によって育てられ、 今夏、19年ぶりに大輪の花を咲かせた。またとないタイミングでの最高の結果に、 石井先生や選手・マネージャーたちの一途なまでの執念を感じずにはいられなかった。

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《一言インタビュー》


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《顧問団よりお礼とお願い》
 今大会を優勝という最高の結果で終えることができ感激しております。これもひとえに皆様の 暖かいご支援の賜物だと思っております。心より御礼申し上げます。
 25日からは明石球場・高砂球場での全国大会に出場いたします。引き続き本校軟式野球部への ご声援をお願いいたします。
 この度は本当にありがとうございました。



写真

応援団もたくさんかけつけた


スコア-ボード。先制を許すも、逆転でPL学園を降す


勝利の瞬間、喜びに沸くナイン


優勝旗を手にする田村キャプテン


やっと石井先生の胴上げができた



軟式野球部決勝進出
【8月1日(木)寝屋川球場】
浪 速
高槻南 ×
 1日、寝屋川球場において、第47回全国高等学校軟式野球選手権大阪大会第8日目・ 準決勝2試合が行われ、第一試合で昨年全国制覇のPL学園が10対0で河南を、 第二試合で本校軟式野球部が5対1で浪速を下し、それぞれ決勝進出を決めた。
 今大会、本校は初戦で開明に2対0で勝利した後、北陽を2対0で、準々決勝では 大産大付属を5対3で下し、この日の準決勝を迎えた。
 試合は1回裏、先頭打者・野田尊稔君(3年)の鮮やかなライト前ヒットを足掛かりに 1点を先制。3回にも奥田勇君(2年)のセンター前ヒットなどで2点を追加し、 試合を優位に進めた。しかしその後は拙攻もあってなかなか追加点を奪えないという 苦しい展開になったが、中盤も集中力を切らすことなく、終盤8回の2点追加に繋げた。
 守っては内野陣の冷静なプレーと外野の堅実な守備に支えられ、エース原健太君(3年)が 安定したピッチングで、初戦・第2戦に続き完投で本校に勝利をもたらした。 同時に、昨年の秋季大会・今春の春季大会・その後行われた近畿大会に続いて 4大会連続での決勝進出を決めた。
 決勝戦で対戦するPL学園は、昨年の秋季大会準決勝で快勝し、今春の決勝戦で破れた 「宿敵」であり今回が本当の意味での決戦となる。加えて秋季大会以来、 3大会連続で決勝戦で涙を飲んでおり、PL戦には「4度目の正直」を期することになる。
 4連戦目となったこの日の炎天下での準決勝を終えて、副将の石谷健一君(3年)は 「僕たちにはどこのチームより強い団結力があります。相手がPL学園でももう 名前負けすることはありません。絶対勝てると思っています。」と力強く語り、 最後に「全国に『高槻南』の名前を轟かせます。」と付け加えた。対照的にエースの原君は 「相手がどこでも関係ありません。」とだけクールに語った。また本校着任以来、 軟式野球部の指導を任されてきた体育科教諭石井匠先生は「自分たちの力を信じて戦えば絶対勝てる。」 と選手たちを激励した。
 昨秋以来、いや長年来本校の選手・監督・マネージャー・OB・顧問・そして その他全ての関係者たちが何度も夢に見てきた悲願の優勝までついにあと一勝と迫った。 そしてその先には19年ぶり2回目の全国大会出場が待ち受けている。
 決勝戦は3日9時、寝屋川球場で行われる。



近畿大会 準優勝 写真集


軟式野球部、秋春連続準優勝

【5月26日(日)、PL学園女子短期大学グラウンド】
高槻南
PL学園 ×

 26日、PL学園女子短期大学グラウンドにおいて、平成14年度春季近畿地区高等学校 軟式野球大会大阪府予選決勝が行われ、本校軟式野球部が4対5で惜しくもPL学園に敗れ、 昨年の秋季大会に続き準優勝で大会を終えた。
 秋季大会の準決勝と同じ顔合わせとなった今回の決勝戦は、前回涙を飲んだPL学園にとっては 雪辱を期した一戦であり、本校にとっても、決勝戦で惜敗した悔しさを晴らすためには 負けられない大一番であった。
 本来ならば一週間前に食品産業高校グラウンドで行われることになっていた試合だが、 雨天により順延され、中間考査の合間を縫って、しかも相手のホームに乗り込んで迎える という悪条件の中での決戦となった。

 試合は決勝戦に相応しい逆転に次ぐ逆転の息詰まる熱戦となった。
 1回表高槻南は2死後、3番野田尊稔君(3年)のセンター前ヒットと4番原健太君(3年) への四球でランナー1・2塁とした後、続く5番・主将の田村誠悟君(3年)が初球をセンターに 打ち返し、鮮やかに1点を先取。しかしその裏、2つのエラーと四球でいきなり無死満塁の ピンチを迎え、レフトへの犠牲フライで同点とされた。
 4回、PL学園の4番三品君にライトオーバーのソロホームランを浴び逆転を許したが、 続く5回表、先頭打者の7番越山裕也君(2年)が内野安打で出塁すると、すかさず二盗。 1死後四球でランナー1・2塁となったところで、1番中島直也君(3年)のライト前ヒットの 間に2塁走者の越山君の思い切った好走塁で1点を返した。その後、ランナー2・3塁とし、 2番新西孝君(2年)が左中間を破る2点タイムリーを放ち、この回一気に3点を奪った。 これで流れは再びこちらに向くかと思われたが、その裏、エラーと2つの四球で、またもや 無死満塁のピンチ。しかしここはエース原君の踏ん張りと野手陣の好守で後続を2つの キャッチャーフライとセンターフライに打ち取り、初回に続く最大のピンチを切り抜けた。
 続く6回裏には1死満塁でスクイズを決められ1点差に。そして7回、1死1塁で原君の 投じた渾身の一球は無情にも左翼線ギリギリでフェンスを越える2点ホームランとなった。 ここで原君は無念の降板。マウンドを譲り受けた2年生の奥田勇君が好リリーフで後続を ピシャリと押さえた。
 その後8回には原君の気合いの篭ったヒット、9回には越山君の執念の内野安打などで 反撃を試みるが、試合巧者のPL学園に封じ込められ、そのままゲームセットとなった。

 半年前と同様の結末に、選手諸君はさすがにガックリと肩を落とし落胆を隠せなかったが、 応援に駆け付けた校長先生、教頭先生、それに保護者やOBたちからは惜しみない拍手が送られた。
 今回も確かにあと一歩のところで優勝を逃すこととなったが、それは同時に本校軟式野球部の 実力が本物であることを証明する結果になったとも言える。少なくとも大阪府下では公立高校に 敵はいないという状態にまで上り詰めたことは誰もが認める事実である。

 さて、今回の敗北であるが、これが、出場権を勝ち取った近畿大会での雪辱と、 そして何よりも全国大会に通じる夏季大会での最高の終幕への伏線となれば、 この結果も決して苦いものではないだろう。また、そのような活躍を十分に期待できるほど 今大会の戦いぶりは誠に堂々たるものであったと言える。

 夏には一段と逞しくなった本校軟式野球部の姿を、そして「軟式の甲子園」である 明石球場で溌剌とプレーする選手諸君の姿を大いに期待していただきたい。 必ずや期待に違わない結果を残すものと確信している。




軟式野球部 準優勝!

[10月28日(日)、PL学園女子短期大学グラウンド、天候:曇り]

大商学園
高槻南

 28日、本校軟式野球部が、平成13年度秋季近畿地区高等学校軟式野球大阪大会決勝に 臨み、惜しくも2対3で大商学園に破れた。
 4回裏に本校が四球と敵失などノーヒットで2点を先制するが、8回表に3本の長短打を浴びる などして、3点を奪われ逆転を許し、そのままゲームセットとなった。
 この日は決勝戦ということもあり、大井加壽子校長先生、中村清一教頭先生をはじめ 多くの保護者や在校生、教職員などが訪れ、本校生のプレーに声援を送った。
 7回終了までは応援席には楽観的なムードが漂っていたが、8回のあっと言う間の逆転劇には 誰もが言葉を失った。しかし、気を取り直して最後まで精一杯の声援を送るも、思いは届かなかった。
 試合後、選手たちはさすがにがっくりと肩を落とし、中には堪え切れず涙を流す選手もいたが、 最後に応援団に向かって「ありがとうございました。」と大きな声で一礼したチームには  惜しみない拍手が送られた。
閉会式での表彰を終えて引き上げてくる選手たちは一様に堅い表情を崩さず、その様子からは 無念さが痛いほど感じられたが、準優勝という結果には堂々と胸を張ってもいいはずだ。
 閉会式の後片付けが行われているグラウンドの外で、選手たちは顧問の石井匠先生と茂林歳監督の 講評を真摯な態度で聞いていた。その静かな姿には、無念さと同時に、来年の春季大会、そして 全国大会に繋がる夏季大会での雪辱に向けての強い思いが感じられた。今回の敗戦が次の 勝利に向けての試練だとすれば意味のないものではないし、また、選手たちはこの悔しさを  見事昇華してくれるに違いない。
本校の選手たちが去ったグラウンドで、何度も優勝の記念撮影を行う大商学園の選手たちの 嬉々とした姿が、来年の本校選手たちの姿にだぶって見えたことも付け加えて起きたい。

準優勝の表彰を受ける本校野球部


PL学園を破り、決勝進出!!

[10月21日(日)、PL学園女子短期大学グラウンド、天候:曇り]

 21日、本校軟式野球部が、平成13年度秋季近畿地区高等学校軟式野球大阪大会 準決勝に臨み、見事4対1でPL学園を破った。
 対するPL学園は今夏の全国大会予選準決勝で敗北を喫した相手であり、 今回はその雪辱を期してのものだった。
 PL学園は言わずと知れた強豪中の強豪であり、今夏の全国大会で優勝した 「日本一」のチームである。新チームに変わり、多少の戦力ダウンはあったとは言え、 全国制覇時の4番バッターが残るなど、最強の相手であることに変わりはなかった。
 試合の前半は、本校がヒットや四球などで毎回というほどランナーを塁に出し、 流れは完全にこちらのものであったが、打線が繋がらず、ことごとく得点機を 逸し幾度となく嫌なムードが漂った。しかしキャッチャー石谷健一君(2年)の 好リードに支えられた原健太君(2年)が、闘志を剥き出しにしたピッチングで 7回途中まで一人の走者も許さないという完璧なピッチングを披露。 数日前にピッチングフォームの改造に取り組み、本人が「5kmは上がった」という 自慢の速球と、要所要所で打者のタイミングをずらすカーブを駆使して、必死で流れを こちら側に食い止めた。
 完全試合ペースの試合運びを実現したのは、もちろん、普段の厳しい練習の成果を 存分に発揮した野手陣の堅い守りがあったからこそだ。中でもヒット性の難しいゴロを 2度にわたって、華麗なグラブ捌きで冷静に処理したショート奥田勇君(1年)のプレーは、 試合の行方を左右するような重要なプレーであった。
 0対0の均衡が破れたのは7回表。先頭打者の8番石谷君が四球を選んだ後、 9番越山裕也君(1年)がこの日2本目のヒットで続き、その後、敵矢がらみで一挙3点を 先取。その裏、完全試合が途切れることとなったエラーと2本のヒットで1点を返されたが、 選手は集中力を切らせることなく最小失点に留めた。
 終盤、疲れの見え始めた原君は苦しいマウンドであったが、最後まで気迫が衰えることはなく 最後の打者をキャッチャーフライに打ち取り、PL学園を散発4安打、四死球0、失点1に 押さえ、夏の大会で1安打に押さえられ完敗した試合の借りを見事に返した。 勝利の瞬間、12人の選手は歓喜の声を上げホームベース付近に駆け寄り、競合に競り勝った 喜びを体全体で表し、ベンチの監督やマネージャー、顧問は手を取って喜びを分かち合った。 今回の試合には大井加壽子校長先生も応援に訪れ、溌剌とした本校生のプレーに声援を送り、 本校の勝利に喜びを噛み締めている様子だった。
 試合後、OBでもある茂林歳監督(21)は、「疲れました」と一言。短いコメントが緊迫した 試合展開を物語っていた。
 顧問を務める石井匠先生も試合中から大声で指示を出すなど、いつになく落ち着かない様子。 何が何でも勝ちたいという気持ちが表情に表れていたが、勝利が決まると、ほっとした表情を 浮かべた。普段は滅多に選手を褒めることのない石井先生も、試合後、選手たちに「ナイスゲーム。 控えの選手も含め、全員がよく頑張った」と、チームワークの勝利であることを強調。 その後は「今回は8回あった得点機を2回しかものにできなかった。次は全てものにする つもりで」と語り、気を引き締める忘れなかった。
 1週間後の決勝戦の相手は昨年夏の全国大会に出場した大商学園。本校が大阪大会の決勝戦に 進出するのは、優勝した平成8年度大会以来のこと。PL学園に快勝した勢いを持続させて、 5年ぶりの優勝と近畿大会出場が期待されるところだ。





練習風景

 
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