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平成23年度 1学期 始業式


平成23年度 1学期 始業式訓辞

 まずはじめに、3月11日に東北地方を襲った大地震・津波は、沢山の被災された方々に今なお大変困難な状況をもたらしていることは皆さんもニュースなどでよく知っている事だと思います。一瞬のうちに幸せな日常を奪われ、途方に暮れる毎日を送っておられる人が沢山おられるという現実が日々報道されています。そんな中で、新聞にある中学生の話が載っていました。どういうことかと言うと、彼は「一杯の温かい味噌汁と温かいご飯で握ったおにぎりがこんなにおいしいものだとは知らなかった。」今のあなた方にこの中学生の気持ちがわかりますか。一杯の味噌汁とおにぎりがとてもおいしく、そしてありがたいと思う気持ちがわかりますか。これには話の続きがあって、おにぎりは数に限りがあってみんなに行き渡らないと知ると、半分をおばあちゃんに分けてあげたそうです。ライフラインも閉ざされ、頼る家族も失い、極限の環境に置かれているにもかかわらず、こんなにも、自分に素直に、人に優しくなれるのかと思いました。余計なものがいっぱい身につき、素朴なことの良さ、すばらしさ、ありがたさが薄れてしまっている自分が恥ずかしい気持ちになりました。今の世の中、さして必要もない物を、便利だからとか、自分勝手な理由付けをして着飾っていることが多いように思います。余計な物はそぎ落として、ありのまま、素の人間として、素朴な物、シンプルなことの大切さを今一度見直さなければと思いました。特に、人をいたわるとか、敬うとか、人と人がつながって生きていく上で大切な、大切な心というものについて、皆さんも是非自分と照らし合わせて考えてみて下さい。人には様々な心があります。美しいものを見て美しいと思える素直な心。隣の人が悲しげな顔をしていれば、どうしたん?と声をかける優しい心。苦しくて、つらいときに歯を食いしばってがんばる心。ありがとうと感謝する心。など・・本当にいろいろな心がありますが、こういう心を持った人になるためには心を鍛えるしかありません。鍛えるためにはクラブに入ることです。運動部であれ文化部であれ同じ目的を持った仲間と支え合い、励まし合って、人にもまれながら成長していくもののです。ともにがんばる時間を高校時代に持つことで、挨拶、言葉遣い、集中力等が身につき、何よりかけがえのない友達を得ることができるなど、その意味は計り知れなく大きいものです。新入生は全員が、2年生もまだ間に合う。クラブに熱中する時間を持つことで、この1年大きく成長してください。3年生は進路実現の年です。終業式で言いましたが、がんばる中身にこだわってほしい。これでいいと簡単に思わずに、目標を高く、未来の自分に期待してチャレンジしてください。
 最後に、今年は、大和川高校の2年生3年生と教育センター附属高等学校の1年生が一緒に学校生活を送ることになります。学校の名前や制服は違えども、同じ敷地で、同じ校舎で、同じ先生に学ぶ先輩・後輩としてまた、仲間として共に切磋琢磨し、良い関係を築いていって下さい。


平成23年4月8日
            大阪府立大和川高等学校
                   校 長 乾  匡

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