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第47回卒業証書授与式 式辞


第47回卒業証書授与式 式辞

 確かな春の訪れを感じる今日の佳き日に、このように多数の保護者の皆様やご来賓の方々のご臨席を賜り、大阪府立大和川高等学校第47回卒業証書授与式を挙行できますことに、心から感謝申し上げます。
 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。今日に至る道のりは、決して楽しいことばかりではなく、辛いことや苦しいことも沢山あったのではないでしょうか。途中で挫けることなく、こうして本日、卒業という晴れの門出を迎えられたことに大きな拍手を送りたいと思います。同時に、誰よりも強く、あなた方を愛し、成長を願ってこられたご家族の方々をはじめ、日々、熱心に成長へ導いてくれた先生方、そして、お互いに支え、励まし合った友だちなど・・あなた方のまわりには、たくさんの温かくて力強い見守りがあったからこそと「感謝」の気持ちも忘れないでください。
 また、これから新しい世界へスタートを切る君たちにとって、保護者や学校という防波堤で守られてきた今までとは違い、社会の荒波を自分自身でかぶりながらの日々は、とても厳しいものになるかもしれません。しかしながら、皆さんには、前途洋々たる「未来」があります。若者の本領は、未来への果敢な「挑戦」であり、「夢」を持ち続け、一歩一歩「前進」し続けることだと思います。有名なメジャーリーガーのイチロー選手は、「夢や目標を達成するには、たった一つの方法しかない。それは小さな事を積み重ねることだ。そして、自分ができることをとことんやってきたと言える自分がいること、そこに誇りを持つべきだ。そうすれば自分を磨こうとするし、常に前に進もうとする自分がいるはずだ。」と言っています。物事は一朝一夕にできあがるものではなく、こつこつと時間をかけてこそ成就できるのだということです。ゆっくりと時間をかけて、自分がめざす道を「一途」に、「誠実」に、そして「堂々」と歩んでいってください。
 高校時代の思い出は尽きないと思います。クラス一丸となって熱中した体育祭や文化祭。2年生の秋、北海道の大自然に圧倒された修学旅行。仲間と一緒に過ごした時間が固い友情をはぐくみ、一生の思い出を作ることができたのではないでしょうか。中でも特に印象に残っていることがあります。3日目の夜におこなった全体レクの最後に、先生も生徒も全員で大きな一つの輪を作り、歌ったベストフレンド。思い出深い修学旅行にしようと自分たちでイベントを作りあげたことにも大いに感心させられたのですが、あなた方一人ひとりから溢れ出す素直さで紡がれた何とも言えない心地よい一体感は感動的ですらありました。入学当初は、自分を見つけることできずに、揺れ動いていた君たちも、自分の未来に夢を抱き、高みに向かって努力することで、このように凛とした表情の逞しい大人に成長してくれました。消防士になりたい、教師になりたいなど・・多くの生徒が先生方に夢を語る姿は本当に嬉しいことでした。自立という花を咲かせる種をまくことができたことは、教育の営みに携わる我々にとってはこれ以上ない喜びです。これまで皆さんと先生方が織りなす数々のドラマを思い出しながら、今日ここに、こんなにも熱い思いが込められた卒業式を執り行うことができ、改めて大和川高校を誇りに思う気持ちが湧き上がってきています。
 最後になりましたが、保護者の皆様方、お子さまのご卒業、誠におめでとうございます。今日までの長きにわたる子育てのご苦労を思いますと、今ここにいる立派に成長されたお子さまの姿は、とても頼もしくもあり、感無量のことだと拝察し、心からお祝いを申し上げます。
 それでは卒業生の皆さん、「誠を思うは、人の道なり」という言葉があります。
 「ありがとう」と「ごめん」という素朴で暖かい言葉と、他人を思いやる真心を大切に、授かった命を精一杯輝かせながら、元気に、笑顔で一歩一歩、歩んでいってください。そして、何より「生きることの素晴らしさ」を学んだ大和川高校をいつまでもいつまでも忘れないで下さい。結びに、294名の卒業生の皆さんの前途を祝すと共に、これまで、保護者の皆様をはじめ、生徒・学校に温かい眼差しを頂きました全ての方に、心から感謝申し上げ、式辞といたします。ありがとうございました。



平成24年3月6日
                                 大阪府立大和川高等学校
                                   校 長 乾  匡

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