高校生の生命科学技術研修・交流会(全3回)報告

科学技術振興機構のスーパーサイエンスハイスクール交流会事業として本校主催の「高校生の生命科学技術研修・交流会」が3回に分けて実施されました。

「高校生の自力によるDNA塩基配列分析とバイオインフォマティックスによる生物種同定と系統解析」をテーマに本校を合わせて6校の生徒が日頃の課題研究や科学部・生物部などで研究対象にしている生物材料を持ち寄り園芸高校の機材を活用しDNA分析に挑戦しました。特別講師には、兵庫教育大学生物学教室准教授の笠原恵先生をお迎えし、同教室の大学院生、学生のかたにティーチングアシスタン務めて頂きました。また各校顧問などをお務めの先生方にもご参加をいただきました。

参加いただいた学校と参加生徒数、分析に挑戦された材料は次の通りです。

〇高槻高校1名:サンショウウオ 〇府立高津高校3名:シアノバクテリア 〇府立豊中高校2名:スピロトスマムとマミズクラゲ 〇府立刀根山高校2名:ヒラマキガイとヒメモノアラガイ 〇府立箕面東高校3名:ミラクルフルーツとナミウズムシ 〇ルネサンス大阪高校2名:糸状菌 〇園芸高校7名:ミカン、酵母、乳酸菌、海藻とツバメ

1日目(9月20日)はDNA抽出からDNA塩基への蛍光標識までの特別講義を受講し、実験を行いました。下の写真は1日目の様子です。

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 2日目の午前は、講義後、サンプルの最終調整と塩基配列分析用装置の始動を行いました。下の写真は2日目午前の様子です。

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2日目の午後は、装置の運転状態を確認しながら、交流会として、各校の取り組みや研究、各校顧問の先生のお話を伺いました。また、兵庫教育大学生物学教室の学生・大学院生の方から研究テーマについて紹介をいただきました。質疑も活発にあり、予定時間をずいぶんと越えてしまいました。下の写真は交流会の様子です。交流会の最後は箕面東の西谷先生がミラクルフルーツという味覚を変化させる果物について体験的な実験を行ってくださいました。

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 3日目(10月4日)は、アメリカ合衆国の公開データベースを利用し、各材料で得られたDNA情報について、実際に照合等を行う演習に取り組みました。また国内の公開サイトのDNA分析機能を利用する演習も行われました。

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園芸高校方式の習うより慣れよう的な研修だったようですが、実施後のアンケートでは、園芸高校の理化学機器を活用した研修会にまた参加したいという多くの回答をいただきました。

 なお、現在も一部のサンプルについては継続した分析が行われています。有意義なデータが得られるといいですね。