2学期始業式式辞(要旨)

今日から2学期が始まります。

この夏休み期間中は、どのように過ごしたでしょうか。今年の夏は、地上の気温に影響を与える上空1,500mの気温が平年より1~2℃高く、7月下旬から猛暑日が続き、厳しい暑さとなりました。そのなかでも、多くの生徒が、補習や進路活動、部活動に多くの汗を流してくれました。そうした夏休みの取組みは、すぐに成果となって現れるものではありませんが、2学期以降の結果につながるものですので、引き続き取組みを継続し頑張ってもらいたいと思います。

さて、この2学期は、長丁場の学期となります。また、その間、文化祭や修学旅行、就職試験、各種入試など様々な行事等がある学期でもあります。長い期間の活動は、ややもすると緊張や集中力が緩み、活動が低調になりがちです。長い期間の活動を乗り切るうえで、二つのことを覚えておいてもらいたいと思います。

一つは、スモールステップを心がけることです。具体的には、短期間の実現可能な目標を設定することで、着実な一歩とその達成状況を確認し、その繰り返しにより大きな目標にたどり着くことです。

スモールステップの重要性を示す有名な取組みとして、ディズニーリゾートのキャストの育成があります。9割がアルバイトという1万8千人のキャストですが、そのホスピタリティが高いことは有名です。しかも、1年間で半数近くが入れ替わるというなか、高い質を保てる理由はなぜか。先輩キャストが小さく区分された目標で後輩キャストを支援し、その支援活動も整理され、段階的に処遇にも反映されるシステムのようです。それに合わせた表彰制度もあり、まさにスモールステップでモチベーションを維持することが成果につながっている好事例と言えます。

二つめは、飽きないように工夫することです。何事も長期間繰り返すことで力がつきますが、その反面、飽きがきてモチベーションが低下しがちです。陸上競技の400mハードルの日本記録保持者の為末 大さんの言葉に「25年の競技人生で一度も同じ一歩はなかった。次の一歩は一体どんな一歩だろうかという面白さが終わることはなかった。」があります。陸上競技はひたすら走ることを繰り返す競技なので、当然、飽きやすい。そのために、自ら働きかけ、反応を生み、工夫するといった楽しめる力が大切だと同氏は言います。

長い2学期を、スモールステップで達成可能な短期目標のクリアを繰り返すとともに、単調になりやすい活動でも、常に自分なりの工夫で変化を感じ、自分を飽きさせない取り組みで充実したものにしてもらいたいと思います。