能楽部!

 今宮高校に赴任して、「お!こんなクラブがあるのか!」と思ったのが、能楽部です。いままで勤めた学校で、能を対象にしたクラブは無く、今宮高校で初めて出会いました。本日、4月17日は、その能楽部の新歓行事があるということなので、お昼休みに見学に行きました。出し物は、「猩々」と「竹生島」。高校生が演じる能を始めてみましたが、見事なものです。感心しました。

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 私は、世阿弥の「風姿花伝」という所に書かれている、芸の上達について書かれている一節が好きで、現代の俳優たちを観察する時も、世阿弥の言葉を思い出します。私自身、能のうんちくを語れるほど、能について詳しくはありませんが、次のような世阿弥の言葉は、常に考えさせられます。

「時分の花をまことの花と知る心が、真実の花になお遠ざかる心也」

 もう一つ、この能楽部に興味をそそられたのは、日本の古典芸能の重要性です。日本人が海外に行かなくても、海外から日本に来る時代。外国人と接する時間は、どんどん増えるでしょう。その時に大事なのは、日本人としてのアイデンティティです。外国人、特に欧米人が、相手を自立した大人と見るかどうかは、次の点にあると言います。一つは、哲学を語れるか、二つ目は、宗教を語れるか、三つ目は、自国の文化を語れるか、です。その意味で、日本の古典芸能である能、歌舞伎、文楽、落語、などなどについては、深い見識は無くとも、外国人に説明できる見識ぐらいは持つ必要があると思います。

 私が、前任の高校で外務省のかけはしプロジェクトでアメリカのシカゴのアムンゼン高校に行ったときです。アムンゼンの高校生が、自分たちのルーツについて語ってくれました。アムンゼンという名の通り、スカンディナビア半島から来た人たちが、作った学校です。説明する彼らの目は、真剣そのもの。「私が何者か」を知ってほしいという気持ちが、ビンビン伝わってきました。聞いている日本人の高校生は、圧倒されっぱなし。「あれだけのことを自分たちについて話するんだ・・・」という表情でした。

 もう一つ。そのアムンゼン高校で勤める先生の中に、日本の仏教、特に浄土真宗に興味を持って、日本にも来日していた先生がいました。私は、英語が得意ではありません。片言の英語と日本語交じりで、「親鸞の浄土真宗の教えとキリスト教の教えって、似てないかい?」と聞くと、彼の表情がぱっと明るくなり、「そうなんだ、その通りです!」と、理解してもらえた嬉しさが、顔の全面に出ていました。

 能楽部の話から、少し横道にそれてしまいました。とにかく、今宮高校に能楽部があること、これは誇りだと思います。頑張って活動を続けてほしいと思っています。校長室から応援していますよ!