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NHKスペシャル 「いじめと探偵~行き場をうしなった"助けて"」

 5月19日、夜9時からのNHKスペシャルで、「いじめと探偵」という番組が放映されました。今宮高校の生徒の皆さん、保護者の方々の中にも、この番組を見られた方がおられるのではないでしょうか。

 私もこの番組を最初から見ていました。番組を見終わって思うことは、「学校・教育委員会が真摯にいじめられている生徒・児童に向き合っているのか?」という疑問です。大阪から名古屋に転校した女子中学生のいじめ・自殺が取り上げられていました。第三者委員会の報告書には、自殺の原因がいじめと認定されず、「部活動による疲労・疲弊」とされていました。多くのいじめを告発するアンケートがあるにもかかわらずに・・・です。

 人が自ら命を絶つ、この行為の原因が「部活による疲労・疲弊」で「いじめが原因ではない」とする第三者委員会の報告。正直、疑問に思います。学校には学校の、そして委員会には委員会の言い分というものがあるでしょうし、番組はいじめられている側の被害者・遺族サイドからの視点で描かれていますので、断定的なことは言えないにしても、10代の若者が自ら命を絶つ決断をしなければならなかった理由が、「疲労・疲弊」が合理的な理由といえるのでしょうか。

 私自身が関わる学校でも「いじめ」は起こりました。そのとき、私が先生方に言ったのは、「いじめられた側の生徒・保護者の立場に立って調査を進めてほしい、指導を進めていってほしい」ということです。そうでなければ、真実は見えてこないと思います。第三者委員会の委員は、「アンケートが無記名だから、根拠にならない」と理由を述べたと放映されていました。それなら、どこまでその事実を追い続けたのか、そのことが問われます。いじめの事実確認をどこまで追求したのか、その姿勢にこそ「いじめられた側の立場に立つ」という事が現れてくると思います。

 探偵のところにコンタクトをしてくる児童・生徒や保護者は、一応に学校に助けを求めています。でも、取り上げてくれなかった、真摯に向き合ってくれなかった、そのために最後の「駆け込み寺」として探偵に電話をしています。今宮高校の生徒や保護者が、こんな嫌な思いをしないですむように、この「いじめの問題」には、真摯に向き合いたいと考えています。本日配布した校長通信の最後には、私の職場のメールアドレスが掲載されています。このメールも一つの窓口として活用していただければありがたいと思います。