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全国高等学校長協会が、英語民間検定の延期を申し入れ!

 9月10日に全国高等学校長協会が、文科省に対して「2020年4月からの大学入試英語成績提供システムを活用した英語4技能検定の延期 及び 制度の見直しを求める要望書」を提出しました。昨晩のNHKの9時からニュースにも取り上げられていました。以下、その要望書の全文を掲載しますので、参考にしてください。

 ここからは、私の考えです。まず、第一に、英語の力を4技能で測ろうという基本的な方向性については、賛成です。これについては、ほとんどの人が賛成していると思います。第二に、問題はその測定ツール。民間検定を利用するため、それぞれ違うテストを統一した尺度で測るというシステムになっていること。これが、日本の受験風土からするとかなり違和感があるのです。「果たして正当に評価されるのか?」という疑問ですね。今まで1点刻みで合否が決まっていた状況からすると、コンセプトの飛躍が大きいと思われます。これを解決する方法として言われているのが、文科省が英語4技能テストを構築するという方法です。私もこの意見に賛成です。

 因みに、このような日本の受験風土は万国共通ではなく、それぞれの国により全然違います。私は、ある研究会でフランス教育学会の先生と知り合うことができ、フランスの受験制度―フランスバカロレア(国際バカロレアとは違います)を勉強する機会がありました。今、日本の大学受験制度に「思考力・判断力・表現力など」に合わせて読解力などの力を測るシステムが導入されようとしていますが、そこで注目を浴びているのが、この「フランスバカロレア」なのです。特に哲学の試験が注目されてます。というのも、テスト時間は、何時間にも及び、渡される用紙は白紙の解答紙に問題用紙だけ。ひたすら、論述するというテストだからです。そして、採点も高校の先生が行います。また、採点結果にも多少のブレがあるということです。お国柄というか、なんというか、日本では考えられませんね。でも、今後論述型試験が、多くの大学で導入される傾向になるでしょう。

以下、全国高等学校長協会の要望書です。

                                      全高長第48号
                                   令和元年9 月 10 日
文部科学大臣殿
                                  全国高等学校長協会会長
                                          萩原 聡

         2020年4月からの大学入試英語成績提供システムを活用した
         英語4技能検定の延期 及び 制度の見直しを求める要望書


 日頃より、大学等進学を目指す生徒 及び 卒業生並びに学校における進路指導に対して、ご指導ご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 さて、 来年4月からの大学入試英語成績提供システム 以下 、 「 システム 」 という 。 を活用した英語4技能検定の実施まで 6 カ月余りとなりました。
 社会の急速なグローバル化の進展の中で、英語力の充実は我が国にとって極めて重要な問題であり、高等学校教育において4技能を積極的に使えるようになる英語力を身に付けさせるために英語教育の充実を図ること、その成果を大学入試で測るという方向性 や、 英語民間検定がこれまで果たしてきた役割について は、本協会としても 十分理解して おり、そ のこと を否定するものではありません。
 文部科学省によって現在計画されている大学入学共通テストにおける英語民間検定の活用に際して は、生徒が希望する検定を 、 希望する日時に希望する場所で受験できる条件 が整備され、検定実施団体の実施状況や大学の活用状況が明らかになってから、生徒個人が自分に合った試験を選択し、受験するのが本来の在り方であると考えます。
 去る7月25日に本協会は 貴職 に対し、「生徒が 希望する時期や場所で検定試験を受けられる見通しが依然として立っていない。 」 など 全ての都道府県 協会長 から提起された 6項目 の 不安要素を 提示し 、責任を持って事態の収拾に当たってくださるよう要望書を提出しました。これを受けて文部科学省は、 8月27日に「大学入試英語ポータルサイト」 を 開設 するとともに 大学入試センターと連携して各地で説明会を開催するなどの対応を実施 しています 。しかしながら、高等学校が一番知りたい 各検定 試験の実施日や実施場所についての情報 は 未 だ 全容が 明確になっておりません。加えて、 約三分の一 の四 年制大学の活用状況が未定であるなど、 不安の解消に程遠い状況 が 露呈し、受験生である高校生の不安を助長する結果と なりました 。 この 状態にもかかわらず 、 実施団体の一つは 他 団体 に 先立って、 9 月 18 日から予約金を徴収して 予約申込 を開始 し2月の本予約は先着順で行うということを公表しました。このことは、 システムの枠組みの中で行う検定試験の在り方としては 到底 看過 できるものではなく、先を見通せない 混乱状況 が続く中 にあって、各学校は 本格的に 生徒 に対して検定 試験の 受 験 に向けての 指導を開始せざるを得ない という 大変厳しい 状況に追い込まれています。
 これらの混乱の原因の一つ は、 文部科学省 及び 大学入試センター が 、「システム の参加要件に含まれていない ことは指導できない 。」ことを理由に、実施団体への直接の働きかけを行わない こと 、 課題解決のために設置されたワーキング・グループからも未だに結論が出されていない こと など にあり、その結果 、 本協会 が 先に 提示した要望書の 6 項目 の不安 の 解消 に至っておりません。 特に、地域格差、経済格差の問題は、英語民間検定試験活用の検討が始まった 2014 (平成 25 )年 12 月の中央教育審議会高大接続特別部会の答申の中で、 既に 検討すべき課題であると明記されてい た にも関わらず、今日に至っても解決の見通しは立っていません。 本 協会 は、これまでも 文
部科学省、大学入試 センター、検定実施団体等へ様々な働きかけ や提言を 行ってきましたが、 依然として 課題解決には結びついていません。
 本協会は、協会は、9月月9日に急遽臨時の都道府県協会長会議を開催し、この問題に関して本協会が実施したアンケート結果分析や各都道府県からの報告等をもとに今後の対応について協議しました。会議では、高等学校において生徒に英語の4技能を身に付けさせることは極めて重要であり、今後も各学校において英語教育の改善・充実に積極的に取り組んでいくことを確認しました。その上で、


 1大学入試として実施される検定試験として、公正・公平の確保が依然として担保されていないこと
 2 地域格差、経済格差をはじめとする諸課題が、今後短期間のうちに解決する見通しは立っていな   いこと
 3 各検定実施団体が各検定実施団体が、、2020年4月からの実施ありきで準備を進めており、その結果新たな不安や負担が生じていること
 4 この状態でシステムを活用した英語4技能検定の運用が開始されれば、申込みの段階から混乱が起きるのは必至であること
 5 現現高校3年生に対する十分な配慮がなされないままでは今後の指導に大きな支障が出ること
 6 教育施策の実施に際して、格差を助長することがあってはならないこと


を確認しました。
 本協会としては、システムを活用した英語4技能検定の運用を、 本協会が先に提示した 要望書の 6 項目 の不安をはじめ と する諸 課題 を解決しないまま開始すること は 極めて重大な問題である と考え、貴職に対し 2020 年4 月からのシステムを活用した英語4技能検定の延期 及び 制度の見直しを要望しま す。