第21回近畿地区高等学校総合学科教育研究大会!

 本日11月22日(金)、大阪市立咲くやこの花高校で、第21回近畿地区高等学校総合学科教育研究大会(兼第14回大阪府高等学校総合学科教育研究大会)が開催されました。本校からは、ポスターセッションに考古学入門の7名が参加し、この夏に実施した発掘調査での経験や博物館での学習の発表を行いました。また、ダンス部から文部科学大臣賞を受賞した「今宮飯店」の演舞が披露されました。演舞が終わった後は、拍手喝さい、感嘆の声が体育館に起こりました。

 さて、久しぶりに総合学科に戻ってきて(実は、枚岡樟風高校で総合学科を経験しています)今回思ったことは、総合学科といえども実にバリエーションに富んでいるなぁ・・・ということです。本校のように大学進学をめざす生徒が9割に達する学校もあれば、布施北高校のようにデュアルシステムを導入するエンパワメントスクールもあります。実に総合学科は、多彩です。講演として、布施北高校の実践「"ほんもの"にふれるキャリア教育とは?-デュアルとエンパワメントのええとこどりー」の報告がありましたが、キャリア教育の在り方として学ぶ点が多々ありました。素晴らしい実践です。多彩な総合学科ですが、共通する取り組みとしてあるのが、キャリア教育と探究学習でしょう。今回咲くやこの花高校から発表があった「下部鮮新古琵琶湖層群上野累層及び伊賀累層のIgapaludina stricta群集について」は、探究学習としては本当に秀逸で感心しました。

 改めて考えたのは、探究学習と調べ学習の違いです。今の世の中、ネット上に情報が溢れかえっていますから、情報を入手しようと思えば、ちょっとネットを検索すればすぐに得られます。あとは、それを如何に理路整然と整理するかという力が必要になるだけです(と言っても、それも相当な力は必要ですが)。しかし、探究学習は、違います。一言でいえば、大学での学びのように研究するということ、その研究から新しい価値を創造するということが求められます。実を言うと、私は、3,4年前に校長をしながら兵庫教育大学の大学院で勉強していました。修士論文を書いたのですが、修士論文を書くことで求められるのが、研究テーマとそのテーマについての先行研究についての研究です。かなりの文献と論文を読んで、自分の研究テーマがすでに研究され尽くされたものではなく、新しい価値を持つものであることを示さねばなりません。探究学習と調べ学習の違いは、ここにあるのではないでしょうか。つまり、調べ学習は、すでに研究され尽くされたことを整理する学習、探究学習は、新しい価値を創造する学習ではないかと思います。

 総合学科には、この「探究する」というシステムが積み重ねられています。つい先日3年生の課題研究の発表会が終了しました。なかなか面白い発表がありました。次週には、2年生向けに課題研究の発表会をしてくれるということです。楽しみにしています。2年生の皆さんも、次年度の発表に向けて「探究する課題研究」に挑んでください。