「朝鮮半島と私たちの関わり」の話から考えること

 12月10日(火)期末テストが終了した3時間目に1年生を対象に、コリアNGOセンターの金 光敏氏を招いて「朝鮮半島と私たちの関わり」と題して講演会が開催されました。この講演会は、大阪府教育庁から全府立高校にアニメ「めぐみ」の上映を行うように指示を受け、より日本と朝鮮半島の関係を理解するために行われた企画です。各学年ごとに金氏に講演をしてもらう予定で、10日の段階で1年生と3年生が終了しました。

 金氏の話は、「今でこそ私は、自分の出自を明らかにして生きていますが、昔はそうではなかった。在日韓国人であることが嫌で嫌でたまらなかった」という話から始まり、在日3世として生きてきた生い立ちの話をされました。健康保険証が無いために病院には中々行けなかった話、学校に通うことができるかどうか父母が心配した話、どの話も日本社会にある外国人に対する制度の問題を鋭く突き付けています。「今のように韓国人として堂々と生きていくようになったのは、中学校時代に出会った先生の影響が大きい」と言われました。改めて私たち教育に関わる者の影響と責任を痛感します。

 私が、今回初めて話を聞けてよかったと思ったのは、いわゆる「拉致問題」について、在日の人たちがどのように感じているのかという点です。この「拉致問題」が明らかになった時は、金氏が言うように日本全体に衝撃が走りました。ずっと「そうではないか」と言われ続けてきたことが事実として確認されたからです。同胞の人権が北朝鮮という国家によって蹂躙されたことに大きな衝撃を受けました。と同時に、この問題について在日の人たちはどのように考えているのだろう、と思っていました。今回、金氏の口から「私たちもこの『拉致問題』について、相当なショックを受けました。もしかしたら、日本人以上のショックを受けたかもしれない。なぜなら、国は違えど朝鮮半島の祖国が犯した人権蹂躙だから。私たちの祖父母や父母が受けてきたことと同じようなことを祖国が行ったことに大きな衝撃を受けました」と語られました。私は、この言葉に改めて「拉致問題」という問題が、日本と朝鮮半島との関係、日本人と韓国人・朝鮮人、そして日本人と在日韓国・朝鮮人に多大な影響を与えたと再認識させられました。

 講演を聞いた1年生、そして3年生のみなさん、今回の金氏の話をどのように受け止めましたか?最後に、金氏は「今宮高校のみなさんは、多くが大学に進学し社会の中で指導的立場に立たれるでしょう。だからこそ、この外国人の問題について、日本と朝鮮半島との関係について真剣に考えてほしいと思います」と話を結ばれました。金氏の言われる通りだと私も思います。

 外国人問題は、過去の話ではありません。現在でも進行している話です。現在日本で在住されている韓国・朝鮮人の多くの人たちは、3世・4世の人たちです。子どもの中に5世になる人もいるかもしれません。その祖先にあたる人たちは、1910年の日韓併合以来、日本に住むようになった人たちです。今、日本にはアジアを中心に多くの外国人労働者が働いています。私はあえて「外国人労働者」と書きましたが、本来は共に日本で生活する「外国人生活者」というべきでしょう。少し前になりますが、文部科学省が全国の外国人の子供の就学状況の調査結果を発表しました。今年の9月27日です。それによると、「日本に住む外国人の小中学生にあたる子ども約12万4千人のうち、約2万人が就学していない可能性がある」ということです。日本で暮らしながら十分に教育を受けることができない子供たちの将来がどのようになるのか、それは想像に難くないです。現在も進行する新たな外国人問題に関して、それが将来の差別につながらないようにするのが、在日韓国・朝鮮人問題を抱えてきた私たち日本のなすべきことではないかと考えます。

 以上が、皆さんと一緒に金氏の講演を聞いた私の感想ですが、みなさんは、どのように感じ、考えましたか?