「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

 今日は、12月31日、令和元年の大晦日です。あと3時間ほどで令和2年を迎えます。令和元年最後のブログに、終業式で紹介した本「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んだ感想を書こうと思います。

 年末の忙しさの合間を縫って、やっと昨夜読み終えた。読後感は、なんて言っていいのだろう、とても「面白い!」というよりも「興味深い本」。舞台は、イギリスのブライトンという町。舞台というよりも、作者のブレイディみかこ氏は、その町に保育士としてアイルランド人の夫と長男の3人で暮らしている。その日常を描いたのが、この本だ。長男は、夫がカトリックの影響か、小学校は公立のカトリック系小学校に通っていたが、どういうことか中学校は地元の「元底辺校」と言われる中学校に通うようになった。

 イギリス社会は、階級社会ということをずいぶん昔に社会科の授業で習ったが、この本を読んでみるとリアルにそのことを感じる。階級社会に加えて、宗教問題・移民問題・いじめ・差別・虐待・家出・・・・様々な問題が語られている。それも事実として。そして、時間軸もイギリスが抱えるEU離脱問題が絡んでくるので、事態はよりシビアに展開してくる。最後には、スウェーデンの高校生グレタさんが始めた「スクールストライキ」の話題が出てくる。この町にも高校生がデモ行進を行うということになった。このデモに長男が参加するかしないかというやり取りも、非常に興味深いところだった。

 読みながら思ったのは、「このイギリス、ブライトンで起こっていることって『日本の近未来?現在進行形?』」と感じたことだ。実は区役所の人と話をしていると、今宮高校のある浪速区は外国人の居住者が多いらしい。朝、校門の前を掃除していて出会うのは、大国小学校に通う東南アジア系の親子。日本人の集団登校とは違う時間帯に通学している。できる限り「おはようございます!」と挨拶している。向こうも笑顔で返してくれる。この異国の地でどんな思いで住んでいるのだろうと勝手に思ってしまう。浪速区がやっている子供服の回収も、その多くは外国人の家庭に譲られるらしい。

 つい最近の新聞で、日本の人口減少が予想以上に進んでいることが報道された。今後外国人の移民は、ますます増加するだろう。その人たちと「共に暮らす」ことが求められる日本。多様性を認めるダイバーシティと言ってしまえば、とてもカッコいい。しかし、この本はその言葉の重みを教えてくれる。そんな一冊です。皆さんにも是非読んでほしいと思います。読んでみて改めてそう思いました。

 「元底辺校」に通い始めた頃の長男君の気持ちは「ちょっとブルー」だったが、いまは「ちょっとグリーン」らしい。長男君は、「元底辺校」で成長し、前を向いて生きていくようだ。