こんな時だからこそ、読書は如何ですか?

 毎日見るニュースで、新型コロナウィルスのニュースが流れない日はありません。今は、学校は入試業務でもともと登校禁止ですが、例年なら19日の合格発表の時から登校が認められ、生徒たちのクラブ勧誘の声が中庭にこだまします。しかし、今年はその風景もありません。4月7日まで教育的活動は休止されました。何とも言えない学校の風景です。いつも学校の前を通っていく地元の小中学生の姿もありません。皆さんは、どのように過ごしていますか?

 2年生で大学進学を考えている生徒たちは、受験勉強を頑張っているでしょうね。もう、スタートしないとダメですからね。一方、1年生を中心に時間を持て余している人もいるのではないでしょうか?USJもTDLもTDSも休止。できれば、たくさん人が集まるところは避けたいですからね。ということで、「こんな時だからこそ、読書はいかが?」と読書を勧めたいと思います。

 今、私が読んでいるのは、塩野七生さんの「皇帝フリードリッヒ2世の生涯」です。もともと私は塩野さんの大ファンで、彼女が書いた本を片っ端から読んでいます。この本も「とにかく文庫本になったら買うぞ!」と決めていたので買って読んでいるのですが、読めば読むほど惹かれていきます。このフリードリッヒ2世、ルネサンスの200年前に皇帝を中心とした中央集権国家を確立し、ローマ法を基にした法律を作り上げた人物。つまり、ローマ法王を頂点とする中世の時代に、近世の先駆けとなった人物です。世界史に興味のある人は、是非読んでください。塩野さんの本を紹介したついでに、「文芸春秋4月号」を本屋で手に取ってみてください。毎回塩野さんが書いている「日本人へ」が掲載されています。今回のテーマは、「コロナヴィールスで考えたこと」です。冒頭に出てくるのは、今は非常事態宣言で大変なイタリアのヴェネツィアの話。本格的な検疫体制を敷いたのは、この中世の海港都市ヴェネツィアが最初とか。わずか、2ページのエッセイですが、とても勉強になります。

 また、この文芸春秋4月号は当然のことながら新型コロナウィルスを特集していますが、「ニッポン教育再生会議」という特別企画で教育問題を取り上げています。私が面白いなと思ったのは、「%がわからない大学生」「『なぜ?』を問わない歴史教育の愚」ですね。「%が・・・」の芳沢先生曰く、「2億円は、50億円の何%ですか?」が判らない大学生がかなりいるとか・・・みなさんはできますよね。もし、25%と答えを出した人がいたら、この「%が・・・」を読んでください。

 いろいろ書きましたが、最後にもう一回。「こんな時だからこそ、読書は如何ですか?」