令和2年度 修業式

 本日3月19日、令和2年度の修業式が開催されました。久しぶりの生徒の登校です。学校の前を清掃しているときに、「おはようございます!」と声を聞くのは、本当に久しぶりで嬉しく思いました。

 以下、本日の修業式で話した内容を掲示します。

 令和2年度は、新型コロナウイルス拡大による休校からスタートしました。第二波、第三波と感染状況が推移する中で、学校も大きく影響を受けた年度でした。体育祭・文化祭は今高祭として変更を余儀なくされました。また、修学旅行もかろうじて実施にこぎつけましたが、行先の変更、日数の短縮を余儀なくされました。しかしながら、このような中でも与えられた環境や条件の中で充実した学校生活を送ろうとするあなた達の姿に、私達が勇気づけられた1年でした。

 3月14日には、学校のそばにあるYOROBASEで「つなぐ~人と人の笑顔のWAを~」と題して浪速区や地元の日本語学校とタイアップしたイベントが開催されました。このイベントは、マスコミにも大きく取り上げられ、産経新聞、大阪日日新聞、読売テレビ、関西テレビで紹介されました。この企画を進めていくにつれて、まるでミニ文化祭の様相を呈するようになりました。とにかく発表する場が少なかった今年度において、このような機会を持てたことは、本当に良かったと思います。自治会の執行部の皆さん、そしてボランティアでスタッフに参加してくれた多くの生徒の皆さんの献身的な努力に心より拍手を送りたいと思います。皆さんも拍手を送ってあげてください。

 私は、赴任した当初から地元浪速区といろいろなことで連携したいと考えていました。その思いが今回このような形になったことを本当にうれしく思いました。高校生が地域に出向くこと、地域の課題に挑戦すること、そして大人と共に行動することは全国の高校で取り組まれています。このような取り組みが高校生を大きく成長させると言われています。今回のYOROBASEでの企画は、是非来年以降も継続してほしいと思いますし、新型コロナウイルスの感染が下火になれば、もっといろいろな連携に取り組んでほしいと思います。浪速区には、多くの企業があります。子ども食堂もあります。防災についてはもっと連携を深めなければなりません。学ぶべきところは、まだまだあると私は思っています。 

 さて、少し将来の話をしたいと思います。

日本に住んでいると日々実感することは少ないのですが、今後地球に住む人間という生物そのものの在り方が問われる時が必ずやってくるというということです。何かSFのような話ですが、実はもうそのときは目の前に迫っているのです。世界の多くの科学者がその時を2030年と設定しています。2030年まであと9年、あなた達はまだ20代です。私達に迫られることとは、今のような生活スタイルで良いのかということです。今、人類は地球1個が生み出す資源やエネルギーに対して、1.67個分もを消費して生活をしていると言われています。今のような生活をしていては、地球の資源が枯れてしまうのは誰にも明らかなことです。地球には、資源を回復する力もあります。しかし、これ以上資源を使いすぎていけば、地球の回復力も超えてしまい、一挙に環境破壊が進行すると言われています。そうなると、温暖化は加速度的に進み、毎年巨大台風が襲ってくるでしょう。食糧事情にも大きく影響します。私達の生活が一変してしまうのです。

 また、先ほど述べた地球の資源を1.67個分使っているのは、人類の僅か10%にも満たないと言われています。その10%に日本も入っているのです。私達の生活の変革も迫られています。世界の若者たちの中には、このような人としての生活の在り方に怒りをもって立ち上がっている人たちがいます。今の人類のつけを払わされるのが、まさに若者世代だからです。そのシンボル的代表が、スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんです。世界のリーダーに向かって「あなた達を許さない」とメッセージを発しました。彼女を先頭に多くの若者たちが声をあげています。

 私たちは、日本の大阪という大都市で生活しています。周囲にはモノが豊かにあります。お金を出せば、欲しいモノが手に入ります。私たちは、そんな生活をしてきました。しかし、昭和・平成の時代を生きてきた私の世代、平成の時代を生きてきたあなた達の親の世代のように、令和の時代を生きるあなた達が同じように生きていく事ができる保証はありません。確実に変革を余儀なくされるでしょう。令和の時代をどのように生きていくのか、持続可能な社会、持続可能な地球環境を如何に構築するのか、このことを抜きにあなた達の今後の人生は考えられなくなると思います。できるならば、あなた達の中から、人類が直面している課題に対して、真正面から取り組んでいく若者が現れてくることを願っています。以上、私の式辞とします。