退職にあたって

 3月31日、本日大阪府立の教員を退職することとなりました。今まで支えていただいた皆様に感謝の言葉を述べたいと思います。本当にありがとうございました。退職後は、引き続き教育界に身を置きますが、大阪の地を離れ仕事をすることとなります。

 この退職の日に、令和4年度から始まる新学習指導要領の教科書に関する記事が掲載されていました。記事には、「思考力・判断力・表現力の重視」や「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブラーニング)などの言葉が、至る所に踊っています。私が、アクティブラーニングに出会ったのは、当時京都大学に勤めておられた溝上先生(現桐蔭学園理事長)や東京大学の中原淳先生(現立教大学教授)の話を聞いた時からです。両先生の話を聞いて、「これだ!」と確信したことを覚えています。それ以来、私はアクティブラーニングの導入に尽力してきましたが、大阪の教員の壁は相当高くそして厚かったです。私が取り組みだしてからすでに数年以上の月日が流れましたが、大阪の公立高校にアクティブラーニングという学習者中心の授業は、どこまで浸透したでしょうか。ともすれば、「活動あって学びなし」と揶揄されるアクティブラーニングですが、真にアクティブラーニングを実践しようとすれば、学習理論を真剣に学ばなければならないことを、当時関西大学の教授であった森先生(現桐蔭横浜大学副学長)に教えてもらいました。

 新しい教科書ができて、もう「主体的・対話的で深い学び」から逃げることはできません。アクティブラーニングで難しいのは、「深い学びを如何にするか」です。この点を京都大学の松下佳代先生の講演を聞く中で、教えてもらいました。この「深い学び」をするためには、先生方は真剣に学習理論を勉強しなければならないと思います。

 そして、高大接続改革の議論が活発になされていたころ、大学入試の在り方でとても勉強になったのは、フランス教育学会の先生方です。特に立命館大学の細尾先生とは、様々な点で示唆をいただき、そして意見交換をさせていただきました。

 世界の教育は、すでにアクティブラーニングに舵を切っています。日本の教育、そして大阪の教育が再び世界から注目される日が来ることを願って、退職の挨拶としたいと思います。