第二学期終業式

 クリスマスの今日、放送で終業式を行いました。本当に長かった二学期がようやく終わったという気持ちです。

 府立高校の場合、最低限行わなければならない授業日数が毎年決められています。6月15日から授業が始まった今年は、例年より少ない日数ですが、それでも土曜日に授業や考査を行って、日数を確保することになっています。例年なら本校は、最低限の授業日数よりもだいぶ多く授業日を設定しているようなのですが、今年はそうすると土曜日がどんどん埋まっていくということになってしまうので、先生方とああでもない、こうでもないと考えた末、こんな時に詰め込みすぎるのは心身にとってよくないだろうと判断し、最終的には、修学旅行がある2年生が、決められた日数ぎりぎりとなり、1・3年生は数日余裕がある程度です。ここまできて思うことは、やはり日数を増やさないでよかったということです。マスクをしての生活は思った以上に負担が大きく、また感染への不安や、新しい生活様式に慣れることなど、生徒の皆さんにとっても、私たち教職員にとっても、予想以上に負担が大きかったと感じています。

 終業式では以下のようなことをお話ししました。そして、たくさんの表彰状を披露しました。早く、放送ではなく、皆さんの表情を見て話ができる日が来ることを願っています。 

 ようやく長い、長い二学期が終わります。休校になることなく、今日の日を迎えられたことをまず、喜びたいと思います。もちろん、赤信号が灯ったままの今の大阪の状況はまだまだ厳しく、油断することなく、しっかりと感染症対策は続けていかなければなりません。それでも、この長い二学期、がんばってきた自分を少し労わるために、短い冬休みではありますが、ほっと一息つく時間をどこかでとってほしいなと思います。3年生の中には、年が明けたら受験に挑む人たちもいますね。うまく息抜きをし、生活リズムを崩さないようにして、心身のコンディションを整えてください。

 この二学期を振り返って、本当に色々なことがありました。数えたらきりがない難題がたくさんある中で、春日丘高校の色々な面をまずしっかり理解しなければと思ってやってきました。初めて見る春高生の真剣に学ぶ姿勢や行事や部活動でのがんばる姿から、たくさんのエネルギーをもらいました。また、がんばりすぎてしんどくなってしまう人がいることや、当たり前のことですが、「いつも明るく元気な春高生」がすべてではないということも感じています。先生方とともに色々なことについてアンテナを張り、しっかりと相談しながら来年もやっていきたいと思っています。もちろん、私たち教職員だけでなく、生徒のみなさんも、まずは自分の気持ちを大切にし、そして、自分とはちがう意見に耳を傾け、物事を色々な角度から見て、考えてみてください。唯一の正解はないと思いますが、春日丘高校にとって、よりよい答え・最適解を導きだせるようになれたらと思っています。

 さて最後に、ひとつお知らせがあります。二学期に1・2年生対象にフリージャーナリストの西谷さんの講演会がありました。2年に1回行われていて、3年生は1年生の時に西谷さんに来ていただいたと聞きました。講演の中で、昨年12月4日にアフガニスタンで銃撃を受け、亡くなった医師の中村哲さんのお話がありました。中村医師は、アフガニスタンで農業支援のため、25.5キロに及ぶ用水路の建設に尽力された方です。「武器ではなく命の水を」とアフガニスタンの平和のために尽くされました。西谷さんは、アフガニスタンで中村医師と出会い、その行動に感銘し、中村医師が亡くなられた後もアフガニスタンに赴き取材をし、多くの人に伝え続けたいと活動されています。その中村医師についてのドキュメンタリーが27日日曜日の午前中と、28日月曜日の夜にNHKの総合、及びBSで放送されます。時間があればぜひ見てみてください。

 それでは、新しい年が皆さんにとって充実した年になることを祈りつつ、私の話を終えたいと思います。良い年を迎えてください。