9月12日(木)5限・6限に「第24回文理課題研究発表会」を開催しました。今回は2年生がグループまたは個人で、それぞれ設定したテーマについて研究活動を行ってきた現時点での成果および今後の展望などを発表する中間発表会という位置づけです。岸高ホールと北選択教室、体育館に分かれ、岸高ホールでは「社会」、「異文化」、「人間」の3つの学系の32本、北選択教室では「健康」の学系の10本、そして体育館では「数理」、「自然」、「情報」、「芸術」、「地域」の5つの学系と"プロジェクトNova"の46本のポスター発表を行いました。

本校では課題研究のさらなる充実をめざし、SSH第Ⅲ期の研究開発のテーマとして、第Ⅱ期までの教科等によるゼミ方式ではなく、研究テーマにより分類(今年度から「学系」および「学域」に分類)し、教科の枠を超えた文理様々な教科の教員がそれぞれの教科の専門性を生かしながら異なる視点で課題研究の指導にあたる「文理融合型課題研究」に取り組んでいます。さらに、今年度からは、1年生から3年生までの学校設定科目をすべて木曜6限に同時展開し、学年を超えた生徒どうしの「縦のつながり」を強化する「縦割り型課題研究」に取り組んでいます。
当日の4限には、木曜6限の時間割へと変更し、2年生が発表の「リハーサル」として、同じ学域の3年生に対して15分の発表を3回行いました。3年生は「発表TAシート」にメモをとりながら発表を聞き、発表後に質疑応答・アドバイスを行いました。2年生にとって3年生からのアドバイスはとても参考になったと思います。5限・6限の発表会では、そのアドバイスを生かし、発表内容や発表方法を改善できたことと思います。まさしく、学年を超えた「縦のつながり」による成果だと考えています。
私自身は今回の生徒たちの発表を見て、昨年度と比べ、改めて研究テーマの広がりを感じるとともに、ここまでの研究内容と研究活動を楽しそうに伝える発表者、メモを取りながら発表を熱心に聞き、質問する聴衆が増えたように感じました。生徒たちが自分たちの興味・関心に基づきテーマを設定し、研究活動を行っていることが、主体的な活動につながっていることを実感したところです。
今回の発表会には、SSH事業の運営指導委員である大学の先生方と府教育庁の指導主事など、6名の先生方にお越しいただきました。また、文系の課題研究に対する指導助言をお願いした2名の大学の先生方にもご参加いただきました。さらに、府教育センターからも4名の方にご参加いただきました。お忙しい中、ご来校いただき、生徒たちに指導助言いただいた皆様方に感謝申し上げます。
また、本校教員3名がチームとなり、5~6本の発表に対し、ルーブリックを用いて審査(評価)を行いました。審査結果はフィードバックし、生徒たちは1月25日(土)に実施する最終発表会に向けて、今後の研究内容のさらなる向上に役立てます。2年生の皆さんは今回の中間発表会における発表について自己評価(振り返り)するとともに、3年生からのアドバイス、大学の先生方などからの指導助言、教員による審査結果、1,2年生からの質問(疑問)などを参考にしながら、さらなるブラッシュアップをめざし、研究活動を継続してください。
課題研究発表会終了後には、第1部として、お越しいただいた8名の皆様方から、文理課題研究発表会についての講評をいただきました。その中では、「文理融合型課題研究」に取り組んできた成果と考えられる内容がたくさんありました。「課題の選び方が自由になったこともあり、楽しそうに喋っていた」、「テーマが広がるとともに、事実の捉え方がしっかりとしてきた」、「発表とやり取りが充実してきた」、「ビジュアルに訴えるのが上手くなった」、「個人で行っている多くの研究は内容の深まりが見られた」などです。
一方で、「先輩が行ってきた研究成果を生かせるよう工夫してほしい」、「アンケートを活用した研究が増えているが、もう少し統計的な手法を生かしてほしい」、「テーマの広がりはあるが、深め切れていない、根拠が弱いグループが見られた」、「大学や企業などと連携し、トップアップを図る取組も大切である」などの意見もいただきました。現状の課題と受け止め、改善していくことができるよう方策を検討していきます。
第2部はSSH運営指導委員会として、6名の先生方からSSH事業に関わってのご意見をいただきました。特に、今年度は第Ⅲ期3年めであり、中間評価ヒアリングに向けてのアドバイスをいただきました。「デジタル」、「教員の指導体制」、「"プロジェクトNova"」、「課題研究における成果」などを本校の強みとして発信することなどについてお話しいただきました。さらに、第Ⅳ期の指定に向けた取組の方向性にも話しは広がりました。たくさんの貴重なご意見を賜り、どうもありがとうございました。常に、本校のことを応援してくださる温かい激励のお言葉は、とても有難いですし、心強いです。
校長として、第Ⅲ期指定による大きな成果を生み出し、その成果をさらに拡大させるべく、第Ⅳ期指定につなげることができるよう、尽力してまいります。引き続き、ご支援・ご協力をお願いします。