第54回ブラスバンド部定期演奏会を開催

 昨日5月5日(祝)、南海浪切ホール大ホールにおいて第54回岸和田高校ブラスバンド部定期演奏会を開催しました。ゴールデンウィーク中にもかかわらず、生徒の皆さん、部員のご家族の皆さま、ブラスバンド部OB-OGの皆さま、そして地域の皆さまなど、多くの方にご来場いただきました。どうも、ありがとうございました。

 

 15時からの開演に先立ち、14時30分から「プレコンサート」が行われました。「となりのトトロ(打楽器三重奏)」、「熱帯の踊り(クラリネット三重奏)」、「ホルン協奏曲第1番第1楽章(独奏)」、「アナと雪の女王セレクション(木管五重奏)」の4曲が演奏されました。吹奏楽の迫力ある音楽にも魅了されますが、アンサンブルはそれぞれの楽器の音色を楽しむことができ、吹奏楽とは異なる魅力を感じます。演奏する生徒たちにとっては自分の奏でる一つひとつの音が明確になるため、緊張するのだろうと思いますが、どの曲も素晴らしく、これまでの練習の成果が現れていたと思います。

 

 

 定期演奏会は予定どおり、15時に開演しました。プログラムはⅣ部構成になっており、第Ⅰ部のオープニングは「SEDONA」でした。この曲は4月6日に開催された「お城まつり」でも聴きましたが、屋外と浪切ホールの舞台との場所の違いもあると思いますが、この1か月での大きな成長を実感しました。演奏が終わった後、今回の進行役を務めてくれた77期の先輩である奥山さんから、「『セドナ』はアメリカのアリゾナ州に実在し、その広大な自然と美しい景観をイメージさせる明るい曲調と爽やかで印象的な旋律が特徴です。」という紹介がありました。確かにそのことが感じられる曲であったなと思いました。

 続いて2曲めは「SUITE FROM THE GREATEST SHOWMAN」でした。アメリカのミュージカル映画「グレイテスト・ショーマン」の組曲です。「舞台は19世紀半ばのアメリカで、あるサーカス団の団長が紆余曲折を経て、自分のエンターテインメントを確立していくという物語です。この映画では他人と違うことを恐れない、家族や仲間を大切にするというメッセージが込められています。さあ、ショーの始まりです。お楽しみください」と紹介がありました。足で舞台の床を踏み鳴らす力強い曲から始まり、これまでにどこかで聴いたことがあるような気がしました。物語の進行とともに、その場面にあわせた曲調の変化を楽しむことができました。

 3曲めは、今年度吹奏楽コンクールの課題曲Ⅲとなったマーチ「メモリーズ・リフレイン」でした。「『リフレイン』とは繰り返すなどの意味をもつ音楽用語です。曲中でたくさんの楽器群どうしの掛け合いやアンサンブルが登場し、各楽器の魅力や個性が感じられる曲となっています。」と紹介がありました。この曲については、4月12日に開催された「岸城清明祭」で初めて聴いたのを覚えています。その時にも増して、マーチらしい軽やかで、伸びやかなメロディーが心地よく、先ほどの「SEDONA」同様、大きな成長が感じられました。

 4曲めは「Fantasy and Fugue on the name of Bach for Wind Orchestra~バッハの名による幻想曲とフーガ~」でした。「この曲はリストによりオルガン曲として作られました。序盤の低音によるB-A-C-Hの音列はバッハの名からのモチーフで、これが形を変え、至る所に現れます。今回は田村文生さんの編曲です。リストが生きている時代にはなかった形式で、もしリストが吹奏楽に出会っていたら、こんな作品が生まれたかもという編曲者の想像も込められています。少し暴力的であったり、美しい旋律が出てきたり、聴きごたえのある1曲です。バッハの名を探しながらお聴きください。」と紹介がありました。3曲めのマーチとは異なり、とても重厚感のある曲だと感じました。私には、そもそもB-A-C-Hの音列とは何のことか分かりませんので、バッハの名を探すどころではありませんでしたが。

 

 

 第Ⅰ部が終了し、15分の休憩後、第Ⅱ部として、OBバンドによる「ストライク・アップ・ザ・バンド」、「天国の鳥」、「ディスコ・キッド」の3曲の演奏がありました。ブラスバンド部顧問の北本教諭もOBとしてトランペットを吹いていました。また、顧問の長谷川教諭はクラリネットで特別参加していました。

 OBバンドで指揮をされる平成2年卒業の西内さんは、リズムにあわせて全身を使い活き活きと曲を表現され、見ているほうも楽しくなります。私は毎年の楽しみになっています。

 1曲めの「ストライク・アップ・ザ・バンド」は弾むような、とても高揚感のある曲で、まさに西内さんは飛び跳ねるように指揮をされていました。

 2曲めの「天国の鳥」は雰囲気が変わり、高い笛の音と太鼓が印象的な「和」を感じさせる始まりで、その後は静かできれいなメロディーが続きました。ただ、テンポや場面の切り替えが激しく、そして最後はドラの音で終わりました。その余韻を楽しみながら、音が消えるのを待つような終わり方が印象的でした。ちなみに、私は知りませんでしたが、この曲はテレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の名物コーナー「DASH島」のテーマとしても知られているとのことでした。

 3曲めの「ディスコ・キッド」は2009年に放送されたテレビ番組「題名のない音楽会」の視聴者アンケートで吹奏楽人気曲の第1位を獲得したそうです。タイトルのとおり、軽快なリズムとアップテンポな曲調が印象的でした。

 OBバンドの皆様、どうもありがとうございました。人数は生徒たちより少ないにもかかわらず、その音量と迫力はそれを上回り、音の伸びやかさなど、熟練の技が感じられる素晴らしい演奏だったと思います。また来年度も演奏いただけることを楽しみにしています。

 

 

 第Ⅱ部が終わり、15分の休憩の間に、「プレコンサート」として、「文明開化の鐘(金管11重奏)」が演奏されました。11名の皆さん、休憩中にお疲れ様でした。

 

 第Ⅲ部では最初に「ディズニー・プリンセス・メドレー」が演奏されました。「この曲は2003年、東京ディズニーランド20周年を記念して編成されたもので、ディズニーのプリンセスが登場する9曲が詰まっています。ぜひ吹奏楽バージョンのお気に入りの1曲を見つけてください」と紹介がありました。曲が始まる前、指揮台にはぬいぐるみが置かれていましたが、全員で「ビビデバビデブー」と魔法をかけると、プリンセスをイメージさせる華やかな水色のドレスを身にまとった学生指揮の吉川さんが現れました。「パート・オブ・ユア・ワールド」、「ひとりぼっちの晩餐会」、「フレンド・ライク・ミー」、「ホール・ニュー・ワールド」など9曲がメドレー形式で演奏されました。

 

 

 そしていよいよ、「岸高オリジナルメドレー」として、恒例となった「企画ステージ」が始まります。その前に、78期企画委員長の升岡さんにインタビューが行われました。「この企画については半年前から準備を重ね、1年生も入部してから2週間、朝練、昼練、毎日頑張ってきたので、皆さんに楽しんでもらえれば嬉しいです」というコメントがありました。確かに、1年生が朝早くから発声練習を行う姿や、平日放課後のみならず、休日にも朝から登校し、劇や踊りの練習をする姿を見てきました。定期演奏会のことを知らない生徒たちは、ブラスバンド部員だと分からなかったと思います。

 今回のタイトルは「舞台『ラドえもん』~岸子と和田男の異世界祭~」でした。岸子と和田男の登場は今回も継承されていました。今回の岸子は、岸和田城に住む「キ・シワーダ王国」のおてんばな姫という設定でした。岸子姫はメイドのリリアンとはぐれてしまい、祭りに参加させる人を探していたジェイサー・マレニオン(ボス)にさらわれてしまいます。

 そこで、「キ・シワーダ王国」の警備にあたっている和田男とラドえもん、リリアンの3人がラドえもんの出した「どこでも行けるドア」を使って、行方不明の岸子姫を探しに行きます。最初に着いたのはライブ会場、次に祭り会場へ。そこで岸子姫を見つけ、岸和田城に連れて帰ろうとしますが、ボスの抵抗にあい、和田男とボスが決闘します。ラドえもんの出す「空気で撃つあれ」による援護もあり、和田男はボスをやっつけます。そして最後はボスが自分の王国の祭りを盛り上げたかったということを知り、皆で踊り、フィナーレを迎えます。今回はそのようなストーリーでした。

 今年で4回めの定期演奏会となりますが、毎年、この「岸高オリジナルメドレー」を楽しみにしています。2,3年生の演奏のみならず、今年はどんなストーリーなのだろうか、1年生の劇や踊りの練習の成果はどうだろうかなど、期待が膨らんでいました。とても楽しかったですし、1年生の頑張りに感心しました。劇も踊りもとても高いレベルの仕上がりであったと思います。特に、和田男役の男子生徒の声のよさとセリフのうまさには感心しました。舞台に上がった1年生の皆さん、お疲れ様でした。

 

 

 

 

 第Ⅲ部が終わり、15分の休憩の間に、最後の「プレコンサート」として、「ハルカ(木管二重奏)」が演奏されました。休憩中にお疲れ様でした。

 

 第Ⅳ部の1曲めは「ジャパニーズ・グラフィティⅫ」でした。ジャパニーズ・グラフィティは、日本の歌謡曲やアニメソングなどを吹奏楽アレンジしたメドレーで構成された人気シリーズです。その中の「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」のメドレーが演奏されました。銀河鉄道999(TV版)から宇宙戦艦ヤマトへ。そして最後に銀河鉄道999(劇場版)へとつながれます。この曲は4月6日の「お城まつり」で、次に4月11日に本校中庭で行った「新入生歓迎コンサート」でも聴きましたが、演奏する場所の違いだけではなく、生徒たちの経験からくる自信が音にも現れていたように感じました。私は特に、最後に演奏する「銀河鉄道999(劇場版)」が大好きで、聴いていると楽しく幸せな気持ちになります。

 

 この曲の演奏が終わり、部長の越岡さんがこの演奏会で引退となる3年生の紹介を、そして、顧問の長谷川教諭が部の6役(部長、副部長、学生指揮、会計、木管セクションリーダー、金管セクションリーダー)の紹介を行いました。その後、これまでの活動で撮影した写真や動画のスライドショーがスクリーンに流されました。舞台上からは笑い声が漏れるとともに、泣いている様子も感じ取れました。そして、2年生から花束が渡された時には、多くの3年生が涙を拭っていました。

 その後、部長の越岡さんから挨拶がありました。定期演奏会に来てくれたことへのお礼、2年間の部活動生活を振り返っての楽しい思い出、入部から誰一人欠けることなく24人が引退の日を迎えたこと、それを支えてくれた保護者をはじめとした多くの人々への感謝、これからの岸高ブラスバンド部への応援のお願いなど、とても立派な挨拶をしました。すごいなと感心させられました。

 

 その後、引退する3年生による「さくらのうた」が演奏されました。聴くのは初めてだと思いますが、心穏やかになれる、とてもきれいなメロディーが印象に残りました。

 

 そして、演奏会最後の曲となる「マードックからの最後の手紙(2021年版)」が演奏されました。タイタニック号に一等航海士として乗船していたマードックが日課として綴った家族宛の手紙をモチーフにした曲とのことです。

 

 これで予定していたすべての演奏を終えましたが、会場からの拍手は鳴りやまず、顧問の長谷川教諭が出てきて挨拶を行ったうえで、アンコールに応える形で、最後にもう1曲「オーメンズオブラブ」を演奏しました。この曲も一度聴いたら忘れられないメロディーでとても大好きな曲です。

 

 3年生24名の皆さん、お疲れ様でした。この日に向けて練習を積み重ねてきたことが大きな成果として現れた立派な演奏でした。また、演奏だけではなく、この2年間の活動の集大成として、大きな成長が感じられた素晴らしい演奏会でした。最高でした。これで1年前に77期の先輩たちが引退したその日からの目標であった定期演奏会をやり遂げることができたので、これからは次の新たな目標に向かって日々充実した生活を送ってください。

 2年生、1年生には、3年生が引退し新たな体制となりますが、新部長を含めた6役を中心に、部員全員でブラスバンド部を盛り上げていってもらいたいと願っています。ここから1年間での大きな成長に期待しています。来年度の定期演奏会を今から楽しみにしています。

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