昨日、9月23日(祝)大阪商業大学堺高等学校において、硬式野球部が令和7年度秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選の4回戦、星翔高等学校との試合を行いました。21日(日)の府立鳳高等学校戦に16対9の8回コールドで勝利した次の試合です。
昨日は、歴史街道推進協議会主催の「日本文化体感プログラム」に本校生徒4名が参加することもあり、主催者への挨拶と生徒たちへの激励のために、最初に訪れた「五風荘」まで同行した後、硬式野球部の応援に向かいました。大阪商業大学堺高等学校に行くのはおよそ35年ぶりになります。私の初任校である堺上高等学校時代に硬式野球部の責任教諭として試合で何度か訪れたことがあります。とても懐かしく感じました。
最初に結果をお伝えします。13対9で見事、勝利しました。初の私立高校との試合となるこの4回戦で、どのような戦いぶりを見せてくれるのだろうと楽しみにしていました。1回戦のサヨナラ負けを覚悟したピンチを乗り越え、よくここまで勝ち進んだなというのが正直な気持ちです。これで「ベスト16」となりました。おそらく、部員たちの当初の目標は達成したのではないかと思います。おめでとうございます。
この4試合ずっと見守ってきましたが、特に精神的な面で少しずつ成長が見られます。今回も3回戦の鳳高校戦の16対9と同じような結果になりましたが、多くの回でピンチがありながらも、よく踏ん張り、鳳高校戦よりも評価できると思います。試合時間は今回も3時間ぐらいという長い試合となりなした。できれば、7回コールドで終わってほしかったところですが・・・。
昨日は曇り空で、一時小雨も降るような天候の中、12時25分頃に試合が開始されました。曇り空であったので、生徒たちは快適に野球できたのかと思います。では、1回表から順に、試合内容を報告させていただきます。
1回表の攻撃は、レフトフライ、三振、三振の三者凡退に抑えられました。相手投手は右上からストレートとカーブを投げ、ストレートは結構早く、伸びがあるように感じました。コントロールも良さそうで、その時は苦戦しそうだなと感じていました。
1回裏の守備は、セカンドゴロの後、フォアボールを与えましたが、サードライナーでランナーが飛び出しダブルプレーを取ることができました。本校はこの3試合、1番をつけた投手が先発でしたが、昨日は8番をつけた選手が先発でした。ストレートには勢いがありましたが、どこまでストレート中心で抑えることができるのだろうという不安はありました。フォアボールを出しましたが、ダブルプレーで切り抜けることができたのは大きかったです。
2回表の攻撃は、センター前ヒットで出塁しましたが、次打者は見逃し三振でランナーを送ることができませんでした。ただ、次の打者がショート内野安打で1,2塁、デッドボールで満塁となりました。ここで、レフト前ヒットが出て先取点をあげ、続く打者も2球ファウルで粘ってフォアボールの押し出しで2点め、さらにレフトフライでタッチアップ。2塁ランナーは3塁でタッチアウトになりましたが、本塁への生還のほうが早く得点が認められ、この回に3点を先制することができました。四死球を絡めながらのそつのない攻撃が光りました。序盤に3点先取することができたことで、相手チームに動揺を与えたのではないかと思います。
2回裏の守備は、センターフライの後、またもフォアボールを与えましたが、ピッチャーから1塁への牽制でタッチアウトにしました。ここでの執拗な牽制がこの後の相手の盗塁阻止につながったかもしれません。
ただその後もフォアボールでランナーを出し、レフト前ヒットを打たれた後、ファーストのエラーで1点を与えてしまいました。まだ1,3塁にランナーが残っていましたが、次打者はセカンドゴロに打ち取りました。防ぐことができた点ではありましたが、最少失点の1点で抑えることができたのは3回戦までの経験が活かされたのかなと感じていました。
3回表の攻撃は、三振、セカンド前でイレギュラーしたライト前ヒット、フォアボールの後、ワイルドピッチがあり、1アウト2,3塁。次打者もフォアボールで満塁のチャンスをもらいました。ただ、サードゴロで本塁ホースアウト、空振り三振で得点をあげることはできませんでした。1点取られた後だけに、1点欲しかったですが、ここは仕方のない攻撃であったと思います。
3回裏の守備は、先頭打者のショートへのゴロをショートが好守備でアウトにしました。ただ、その後、レフトへの二塁打、ライト前ヒット、レフト線二塁打と3連打で同点とされました。その後もフォアボールを与え、サードへのバントはアウトにしましたが、ランナーは2,3塁にすすみました。ここも試合の流れとしては大きなポイントでしたが、しっかりとセカンドフライに打ち取り、逆転は食い止めました。チャンスを逃した次の回は気を付けなければならない、2打席めとなり打たれ始めたため何か工夫が必要だなと感じていました。また、先制した3点を早くも3回で追いつかれてしまったため、次にどちらが点を取るのかが重要だなと考えていました。
4回表の攻撃は、三振、三振で先ほどの同点で投手も調子を取り戻したかと思ったところ、セカンドがエラーをしました。出塁したランナーが盗塁成功。フォアボールの後、ライト前ヒットの貴重なタイムリーが出て1点取ることができました。さらに、ショートがファーストへ悪送球をして2点を追加し、打ったランナーは3塁まですすみました。
ここで投手が交代しました。先発投手と同様、球は早く、ストレート中心かなと感じました。投手交代後の打者もライト前へのポテンヒットを放ち、この回4点めを取ることができました。この後もデッドボールがありましたが、次打者はサードゴロに抑えられました。
2アウトからのセカンドエラーをきっかけに4点を取ることができました。改めてエラーの怖さを実感したところです。また、3点取られた後に4点取ることができたので、試合の流れは改めてこちらに引き寄せることができたなと感じました。
4回裏の守備は、三振振り逃げで出塁の後、次打者は三振を取りましたが、バントヒット、フォアボールで1アウト満塁になりました。この場面でのセーフティースクイズがピッチャー前に転がりました。正直、助かったと思った瞬間、ピッチャーがキャッチャーへ悪送球し1点を与えてしまいました。このエラーをきっかけに崩れないだろうかと思った通り、レフト前ヒットを打たれ2点めを取られました。ただ、ここからは見逃し三振とセカンドゴロに抑え、何とか2点で終えることができました。よく踏ん張ったと思います。表に4点を取って、裏を2点に抑えたのだから仕方ないかという感覚になったのはおかしいでしょうか?
5回表の攻撃は、サードゴロ、セカンドフライの後、レフト前ヒットで出塁しましたが、次の打者はセカンドゴロに打ち取られました。
5回裏の守備は、サードゴロ、センターフライで2アウトとした後、ライト前ヒットを打たれ、次の打者のショートへの内野安打を弾いてランナーは2,3塁にすすみました。その後もフォアボールを与えて満塁に。ここも試合の流れを変えることになりそうな大きなピンチでした。次打者の打球はレフトを超えるかという大きな当たりでしたが、レフトが見事に好捕してくれました。超えていたら走者一掃で逆転されていると考えると、とても大きなプレーとなりました。5回を終えて、7対5の2点差で勝っているという状況でした。
6回表の攻撃は、先頭打者は三振でしたが、フォアボール、フォアボールでランナーを2人出した後、左中間への三塁打で2点取りました。この後も、次打者は空振り三振でしたが、デッドボール、フォアボールで満塁までいきました。ただ、次の打者はよい当たりでしたが、ショートライナーに終わりました。この回もヒット1本で2点を追加し、4点差とすることができたのは大きかったです。
6回裏の守備は、先頭打者をセンター前ヒットで出しましたが、後続は三振、三振に打ち取りました。2アウトからセンター前ヒットを打たれましたが、セカンドゴロでピンチを切り抜けました。先頭打者を出しましたが、よく抑えてくれたと感じました。
7回表の攻撃は、デッドボールで出たランナーがワイルドピッチで2塁に。次の打者もフォアボールで1,2塁になったところで、投手が交代しましたが、送りバントをフィルダーチョイスで満塁に。その後もフォアボールの押し出しで1点、ライト前ヒットで2点めを取り、まだノーアウト満塁でした。ここで、レフトへのフライでタッチアップし3点めを取りました。この後、バントで2,3塁にすすみましたが、セカンドゴロに打ち取られました。
この回も3点を取り、これで12対5の7点差となりました。すなわち、7回裏を「0」に抑えれば7回コールドで勝利を決定できます。この時点では、私の横で一緒に応援していたマネージャーの生徒にその話しをしていましたが・・・。
7回裏の守備からは1番をつけた選手に投手を交代しました。この3試合投げている左投手です。その代わったところ、先頭打者にレフト前ヒットを打たれました。次の打者をセンターフライ、ショートゴロに打ち取り、0点で終われるかと思ったところ、ワイルドピッチで2塁にランナーをすすめ、フォアボールで1,2塁に。ここで踏ん張ってほしかったですが、レフト前ヒットで1点取られ、7回コールドでの勝利はなくなりました。さらに、レフト前ヒットで2点めを取られました。ただ、2塁ベースを越えて飛び出したランナーをタッチアウトにして、この回を終えました。ここで走者をタッチアウトできたのは相手の流れを切るうえでも大きかったと思います。もしアウトにできていなければ、厳しい状況での投球が続いただろうと思います。
8回表の攻撃は、ショート内野安打、ショート内野安打で1,2塁とした後、サードへの送りバントをサードが悪送球で1点を取り、ランナーは2,3塁に。まだノーアウトでしたが、ファーストフライの後、ショートゴロで本塁上タッチアウトとなりました。この後、盗塁で2,3塁としましたが、次打者はライトフライに打ち取られました。この回も1点のみで終わってしまい、9回まで試合が行われることが決定しました。この時点で13対7です。
8回裏の守備は、レフト前ヒット、センター前ヒット、センター前ヒットの3連打で満塁とされた後、ワイルドピッチで1点を与えてしまいました。さらに、セカンドゴロで2点めを取られた後も、フォアボール、フォアボールで1アウト満塁となりました。まだこの時点では4点の差があったので、私自身は余裕を持って臨めばよいのにと思っていましたが、やっている生徒たちにはそのような状況ではないのだろうと感じていました。
ただ、次の打者にもボールが先行したことで開き直れたのか、しっかりと腕を振り投げるようになり、その結果、セカンドフライ、レフトフライに抑え、何とか2点で終えることができました。この開き直りからくる思い切りのよさ、しっかりと腕を振るイメージを常に持ち続けてもらいたいと思います。この時点で13対9でした。
9回表の攻撃から左投手に交代しました。先頭打者をフォアボールで出し、バントヒット、送りバントで1アウト2,3塁のチャンスをつくりましたが、次打者はセカンドフライに終わりました。次打者はフォアボールで満塁としましたが、ショートゴロで得点することができませんでした。チャンスをつくりながら得点できなかったこともあり、生徒たちにいやな雰囲気がなければよいがと思っていました。
いよいよ9回裏の守備です。本来は4点差あるため全く心配するような場面ではないのですが、これまでの戦いぶりを見ているだけに、不安を拭いきれないところはありました。とりあえず、先頭打者の出塁は避けてほしいと願っていました。その期待どおり、まずはレフトフライに打ち取りました。次の打者はボールが先行しワンスリーまでいきましたが三振に抑えました。そして、最後の打者もライトフライに打ち取り、13対9の勝利で試合は終了しました。
1回からの経過を読んでいただければお分かりのとおり、ほぼ毎回互いに塁を賑わす、どちらにとっても厳しくしんどい試合となりました。ただ、本校にとっては、3対3に追いつかれた場面はあっても、追い越されることなく試合をすすめることができたのが勝利に結びついたものと考えています。
この試合でもエラー絡みで得点を奪われる場面が何度かありましたが、大きく崩れての大量失点を防ぐことができたことが、勝利の要因でもあると思います。また、チャンスでタイムリーが多く出たことも生徒たちの成長の証であると考えています。
昨日の4回戦に向けて、このブログで生徒たちに伝えたのが、「試合の流れを常に自分たちに引き寄せておく」、「もしエラーやミスが出たとしても、ひきずらず、最少失点で食い止める」、「常にポジティブに物事をとらえる」、「せっかくの大会、自分たちの野球を楽しむ」でした。おおよそ、その言葉どおり実践してくれたのではないかと思います。
次の5回戦は「ベスト8」をかけて、27日(土)に近畿大学附属高等学校との試合を行います。ここまでの4試合で様々な経験をし、多くのことを学んだと思います。その上、5回戦で近畿大学附属高等学校と試合ができるのですから、これほど素晴らしいことはありません。
5回戦に向けて、生徒たちに伝えたいことを付け加えるとすると、「結果を考えることなく、その時のプレーに集中する」、「ここまできたのだから、思いっきってやる」でしょうか。目標は、「どれだけ自分たちの実力を出し切れるか」です。120%の実力を発揮しても、そう簡単に勝てる相手ではないと思います。皆さんがどれだけ粘り強く、諦めることなく、食い下がることができるのかを楽しみにしています。
最後になりましたが、昨日も保護者の方をはじめ、たくさんの方々に応援に来ていただきました。皆様方に感謝申し上げます。