9月26日(金)、岸高祭(体育祭)を開催しました。昨年度は9月20日(金)でしたが、今年度は1週後ろにずらして実施しました。というのは、年々、残暑が厳しくなり、昨年度の体育祭当日は徐々に気温が上昇、昼前の時点でグラウンドは35℃に達し、午後に予定していた男女玉入れと綱引きの実施を取りやめた状況であったからです。
昨年度の体育祭を終え、自治会部を中心に熱中症防止の観点から、今年度の実施形態や実施時期について検討してきました。校外の体育館での実施も検討しましたが、昨年度生徒たちからはリレー重視の意見が多くあり、今年度の体育館実施は見送りました。そのため、9月最終週の金曜日実施にしたところです。1週とはいえ、「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句があるとおり、これまでの平均気温を見てもその差は大きく、一気に季節がすすむことを期待していました。
とはいえ、高温になることへの不安は拭いきれないため、開始時間を例年より30分早い午前8時から、競技は午前中のみとし、昼休みの後、閉会式を屋内で実施することを決定しました。さらに、高温になれば急遽、種目を削ることも視野に入れ、これまで昼休み後に実施していた応援パフォーマンスを開会式後の実施としました。応援パフォーマンスについては生徒たちが時間をかけて準備・練習することから、気温上昇前の早い時間に実施したいという考えに基づく変更です。
また、必ず、すべての生徒がいずれかの競技種目に出場できるよう、各学年すべての生徒が参加する学年全員種目(1年:台風の目、2年:大縄跳び、3年:全員リレー)を前半に配置しました。そして、このタイムテーブルを掲載した文書を作成し、保護者の皆さまにお知らせしたところです。
この1週間ほど前の天気予報から、雨ではないだろう、また昨年度のような猛暑ではないだろうとは思っていました。当日の天気は、予報では午前中曇りのはずでしたが、実際は晴れ間が多くあり、日差しは強く、また、蒸し暑く感じられました。何とか体調不良・怪我なく、終えられることを祈っていました。
以上のとおり、今年度の実施においてはタイムテーブルを大きく変更するとともに、生徒たちに水分補給を促すため、新たに保護者の方々のご協力による給水コーナーやウォーターサーバーを設置しました。また暑さ対策として、ミストファンを増設するとともに、これまでどおり、各クラス用テント、エアコンのある休養室なども準備しました。
こうした様々な視点からの熱中症対策の効果もあり、大きく体調を崩す生徒はなく、無事、体育祭を終えることができました。本当によかったです。
一方、当日の天気や気温などから、昨年度までと同様のプログラムで実施できたのではないかと感じられた人も多いと思います。ただ、あらかじめ計画を立て、その内容を生徒におろし、各クラスで出場種目を決めるなどの準備をすすめつつ、体育祭をご観覧いただく保護者の皆さまにもタイムテーブルを事前にお伝えしなければなりません。
当日の天気はその日でなければ厳密には分からない状況の中、リスクを排除し、万全の対策のもと実施しなければなりません。言い訳のように感じられるかもしれませんが、ご理解いただきたいと思います。もちろん、来年度の実施方法などについては、今年度の成果と課題などを踏まえ、さらに検討をすすめたいと考えています。
さて、体育祭当日の様子について報告させていただきます。開会式では生徒自治会会長による開会宣言と挨拶、校歌斉唱・校旗掲揚の後、私から校長挨拶として、来校されている保護者の方々へのお礼、近隣にお住いの方へのお詫び、そして生徒たちには「思い出に残る体育祭にしましょう」というメッセージや体調管理などについて話しをしました。
そして、準備体操と諸注意の後、青・赤・黄・緑の4つの団の団長が朝礼台前に集まり、選手宣誓を行いました。自分たちが考えた「体育祭短縮バージョンの在り方」について発表するなど、とてもユニークな選手宣誓でした。私は朝礼台の上で爆笑していました。内容もですが、それを真剣に訴える団長たちの真顔が印象に残っています。朝礼台から撮影した写真を掲載しましたのでご覧ください。
開会式が終了し、すべての生徒の写真撮影を行った後、4つの団による応援パフォーマンスを行いました。当日の本番に向けて練習してきた成果が現れた素晴らしいパフォーマンスでした。今年度は昼休みに中庭でも練習していたため、その様子を見ていましたが、短期間でここまで仕上げたことに感心しました。楽しそうな表情で踊る生徒たちの姿を見ることができるのはとても嬉しいです。応援パフォーマンスに参加した生徒の皆さん、ありがとうございました。
その後は台風の目(1年学年種目)、クラブ対抗リレー、大縄跳び(2年学年種目)、全員リレー(3年学年種目)と続きました。
台風の目は4人1組で竹棒を持ち、2つあるコーンでそれぞれ回転しながら戻ってきて、棒を4列縦隊で並んで待っているチームの足をくぐらせて、頭の上を通って次の走者に棒を渡し、アンカーまでつないでいくという競技です。どの団も要領よく竹棒を渡していき、とても拮抗した戦いとなり、とても盛り上がっていました。
クラブ対抗リレーはその名のとおり、4人の代表部員がそれぞれ100mを走るリレーで、男女別に行います。例年は各部のユニフォームなどに着替え、バトン代わりに各部が使用するボールやラケットなどを使って走っていましたが、今年度はプログラムの都合上、着替える時間の短縮もあり、体操服での競技となりました。また、例年行っていたリレー中の少林寺拳法部による演武なども割愛され、ガチのリレーという形となりました。また、誰がどの部なのか分からなくなりますが、これもやむを得ないなと思っていました。
大縄跳びは、各団20人が1分30秒の間に最大何回跳べるかを競います。全員が参加するという条件で、これを計4回実施し、4回の跳んだ合計数で順位を決定します。リズムよく跳ばなければ長く続かず、苦労している様子が見られました。
3年学年種目の全員リレーは、各団40人ずつ、2レースを行います。1~2走者は4人1組で縦列をつくり、3つのサッカーボールを身体で手を使わずに挟みゴールをめざします。3~10走者は2人1組となり二人三脚(50m)、11~12走者は5人1組となりムカデ競争(50m)、そして13~18走者は100m走という形でつないでいき、最終の順位を競います。それぞれのレースに難しさがあり、この全員リレーは面白いなと感じています。
その後は100m走、玉入れ、スウェーデンリレー、綱引き、団対抗リレーを行いました。100m走についてはセパレートコースで行いました。玉入れは団対抗で男女別に行い、1分間での球数の多い順に順位を決定します。
スウェーデンリレーは1年・2年・3年の順に50m-100m-100m-100m-100m-200mでリレーを行い、そのタイムで順位を決定します。これまで最終走者は300mでしたが、今年度は走る距離を減らしての実施としました。
綱引きは学年ごとに団対抗で実施し、順位を決定しました。長時間どちらにも動かず、ともに諦めることなく全力を出し合う熱戦も見られました。
そして最後の団対抗リレーは、男女別に実施します。女子は各団6名に加えて、アンカーとしてパフォ長(パフォーマンス長)が走ります。男子は、第1走者として副団長が走った後、各団6名がバトンをつなぎ、そしてアンカーとして団長が走ります。3年生の多くは部活動を引退し、全力で走ることから遠のいていますが、素晴らしい走りを見せてくれました。
この団対抗リレーは体育祭最後の種目であり、この体育祭をリードしてくれた団長がアンカーとして走ることもあり、もっとも盛り上がりました。体育館ではなく、グラウンドでリレーをしたいという生徒たちの思いがよく伝わってくる場面でもありました。皆さん、お疲れ様でした。
これで午前中のすべての競技が終了し、昼休みをはさんで午後から、3年生は岸高ホールで、1,2年生は各教室で閉会式を行います。保護者の皆さまには朝早くからご来校いただき、どうもありがとうございました。十分に体育祭を楽しんでいただくことはできたでしょうか。また、ご意見をお聞かせいただければ幸いです。
閉会式では成績発表を行い、第78回体育祭は「青団」が優勝しました。青団の団長に表彰状を渡した後、団長から生徒たちに向けた言葉がありました。自分自身の思いをしっかりと語っていました。その後、学校長講評として私から生徒たちに、3つのことについて話しをさせてもらいました。
1つめは、「生徒たちの素晴らしい人間性」についてです。今回、給水コーナーでご協力いただいた保護者の方から、「ありがとうございます」と言ってくれる生徒たちのことを褒めてもらったと伝えました。私自身も生徒たちの心の優しさや他への思いやりを感じる場面を多く見ていますが、保護者の方や近隣の方から伝えられると校長としてとても嬉しいと話しました。
先日、「生きる力」に含まれる「知」「徳」「体」について話しをする機会がありました。これらすべてが重要であり、バランスよく育むことが求められています。特に「徳」は豊かな人間性、すなわち、他者を思いやる心や協調性であり、私自身はこれから生きていく上で最も重要ではないかと考えています。生徒の皆さんにはぜひとも、そういった資質を備えた人間であってほしいと願っています。
2つめは、「何事にも全力で取り組む姿勢」についてです。今回の体育祭でも感じましたが、学習、学校行事、部活動をはじめ、生徒たちの何事にも熱心に取り組む姿には感心させられます。私にはない優れた資質・能力であると話しました。一人ひとり個性があり、こうあるべきだという言い方はしませんが、私からは羨ましいと感じることがたくさんあります。これからも何事にも前向きな姿勢・態度で生きていってもらいたいと願っています。
3つめは、3年生の成長です。78期生が入学してからここまで見ていますが、3年生(最高学年)であるという自覚なのか、大人になったと感じることが多くあります。この体育祭では自分たちが後輩たちを引っ張ろう、盛り上げていこうとする振る舞いが多く見られました。改めて、これが「よき伝統」なのだろうとも感じました。
直接顔を見ながら伝えることはできませんでしたが、次は79期生の皆さんに受け継いでもらいたいと話しをさせてもらいました。こうした「縦のつながり」により、学校行事がさらに充実し、新たな伝統が生まれていくことに期待しています。
今年度の岸高祭は終わりましたが、2年生は台湾への修学旅行があります。その後も、1,2年生は合唱コンクールやクラスマッチがあります。中間考査、期末考査にも注力しながら、学校行事も楽しんでもらいたいと思います。
一方、3年生にとってはおそらく最後の楽しみであっただろう体育祭を終えましたが、この体育祭での充実感・達成感を活力とし、自らの進路目標に向かって後悔することのないよう、全力で取り組んでもらいたいと願っています。
最後になりますが、改めて、体育祭にお越しいただいた数多くの保護者の皆様方にお礼申し上げます。また、体育祭の実施にあたり、大きな音・大きな声を出し、ご迷惑をおかけした近隣にお住いの方々にお詫び申し上げます。
今後とも本校の教育活動にご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。