昨日、10月10日(金)にPTA社会見学が開催されました。会員の教養を高め、親睦を深めることを目的として、2年生PTA生活委員会の方々に企画・実施いただきました。
PTA社会見学はコロナ禍の間は実施できていませんでしたが、私が着任した令和4年度から再開し、令和4年度は大阪大学豊中キャンパス・大阪天満宮・生野コリアンタウン、令和5年度は同志社大学・北野天満宮・錦市場、令和6年度は立命館大学びわこ・くさつキャンパス・日牟禮八幡宮・ラコリーナ近江八幡にそれぞれ訪れました。
そして今年度は、3年前にとても好評であった大阪大学豊中キャンパスと、箕面市にある高野山真言宗の寺院で、西国三十三所第23番札所である勝尾寺に訪れるという企画でした。
当日は47名の保護者の方に参加いただきました。私も参加させてもらい48名、この4年間では最多となり、観光バスは満席の状況でした。たくさんの保護者の皆さまにご参加いただき、とても嬉しかったです。8:00にJR東岸和田駅近く、8:15に南海岸和田駅近くに集合し、大阪大学豊中キャンパスに向かいました。バスでの移動中には、自己紹介をした後、本校のことや今回のPTA社会見学で訪れる大阪大学と勝尾寺などに関するクイズ大会が行われました。とても盛り上がりました。
大阪大学には10:00前に到着予定でしたが、JR阪和線の遅延による出発の遅れや阪神高速の渋滞などにより、大きく遅れてしまいました。そのため、大阪大学での滞在時間が短くなりましたが、大阪大学の進藤副学長による大学概要説明と本校卒業生で法学部2年生の神藤さんからのプレゼン・質疑応答の時間帯をずらしてもらい、その後予定していたキャンパス案内を短縮する形で対応いただきました。
進藤副学長は私が府教育庁高等学校課で勤務していた10年ほど前からの知り合いです。大阪大学が高大連携推進に向けて開始したSEEDSプログラムなどにおいて協力関係にありました。昨日、久しぶりにお会いしSEEDSプログラムの話しをしたことで、その立ち上げ時のことや、代表生徒の発表にあたり運営指導委員として東京まで同行したことなどが思い出されました。
そのような繋がりもあり、令和4年度にPTA社会見学で訪れた時にも大学の概要説明をしていただきました。また、令和5年度には、1年生対象「SD(セレンディピティ)講演会」の講師として来校いただき、課題研究の意義や課題設定の仕方に加えて、大学で行う研究などについてお話しいただいたこともあります。
今回の大学概要説明においては、自己紹介の後、大阪大学の歴史をはじめ、吹田・豊中・箕面の3つのキャンパス、11の学部と15の研究科、外国人留学生を含めた在籍学生数(学部生の人数は国立大学1位)や地域別入学者数などに加えて、1年次の初めに学部を越えて少人数で学ぶ「学問への扉『マチカネゼミ』」や受験生向けコンテンツ「学問コンシュルジュ」などについて説明していただきました。保護者の皆さんに、丁寧に分かりやすく大阪大学の特長と魅力を伝えていただいたと思います。
私自身はこれまで様々な機会をとおして大阪大学の魅力を十分に理解しています。また、「教養」、「高度な専門性と深い学識」、「国際性」に「デザイン力」を備えた人材を育成するという教育方針は、グローバルリーダーズハイスクールである本校の方針と重なり、とても共感しています。そして、学校として一人ひとりの学生の成長を大切に考え、指導・支援してくれていることが最大の魅力だと考えています。
進藤副学長にはお忙しい中、本校のために時間をとっていただき、感謝申し上げます。ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いいたします。
神藤さんには当日1限の授業を終えてから合流してもらうことになっていましたが、到着が遅れたこともあり、進藤副学長の話しが始まる頃には会場であるダイセルスタジオに来てくれました。忙しい中、プレゼンの準備をしてもらうとともに、授業の合間に来てもらい、ありがとうございました。
神藤さんは一昨年度に卒業した76期生です。在学中には課題研究などで関わることが多くあり、とても印象深い生徒の一人です。課題研究では、学習塾などに通う費用を助成する事業の必要性について取りまとめ、実際に泉佐野市議会において市議会議員に訴えかけてもらい、その事業の導入を実現させました。そして、そのことが、「高校生熱意、泉佐野市動かす。小中生塾代助成導入へ」という見出しで新聞に掲載されました。自らの考えに基づき、主体的に信念を持って行動することができる力に感心させられた生徒でした。
神藤さんからは自己紹介の後、高校生活について、大学生活の良いところと悪いところなどについて話しがありました。そして最後に、「大阪大学に進学するために」として、自らの経験を踏まえた自分の考えを述べてくれました。
高校生活では、バドミントン部に所属し、課題研究にも頑張ったこと、そして大阪大学にはその課題研究の成果を活かし、総合型選抜で合格したことなどが伝えられました。また1年生の頃から大阪大学をめざし、努力を重ねていたことが分かり、改めて目標を持って自分が決めたことを継続して実践することの大切さを伝えてもらったなと感じました。
大学生活について最も印象に残ったのは、「学生が落ち着いている」という言葉でした。大阪大学に合格するためには、神藤さんのように高い目標をもって諦めることなく努力することが求められます。したがって、単に学力が高いだけではない優れた人間性を備えた学生が多いということだと思います。しっかりと先のことも考えながら、大学生活をエンジョイしていることが分かりました。
そして、「大阪大学に進学するために」のスライドで示されたのは、「1年から課題、定期テストをちゃんとやる」、「学年で30位以内に頑張る(1年生でだいたい決まる)」、「部活、課外活動をやめて、控える必要は全くない」、「文スパ、理スパにいといたほうがいい」、「可能性はあるので、諦めない(進路希望を簡単に下げない)」という言葉でした。
個人の考えとはいえ、具体的に、かつ率直に話しをしてくれたので、保護者の方には大学受験に向けて大切にするべきことが伝わったと思います。神藤さん、どうもありがとうございました。また、会える日を楽しみにしています。
神藤さんへの質疑応答を終えた後、会場を出て、大阪大学会館を背景に全員で記念写真を撮影しました。そして、売店で阪大グッズなどのショッピングをした後、バスが停まっている場所に向かいながら、高大連携担当の方にキャンパス案内をしてもらいました。
大学見学を終え、三田屋本店-やすらぎの郷-箕面小野原店でのステーキコースの昼食後、「勝尾寺」に行きました。勝尾寺は1300年の昔から「勝ち運の寺」として信仰され、現代では受験、厄除け、病気、スポーツ、商売、選挙、芸事など「人生のあらゆる場面で勝つ寺」として知られています。
境内のいたる所に置かれた「ダルマみくじ」や奉納された「勝ちダルマ」など、勝尾寺ならではの光景が広く知られ、世界中から勝ち運を祈る参拝者が多く訪れる由緒あるお寺であるとのことです。確かに当日も、海外からの参拝者がたくさんいました。また、季節がすすみ、11月中旬にもなれば、紅葉が美しく、もっと参拝者は増えるのだろうとも思いました。
境内は約8万坪という広さであり、参拝経路に従って6か所のスタンプを順番に押すスタンプラリーをしながら、また、それぞれのスポットで写真を撮影しながら歩いていたため、戻ってくるまでに結構時間を要しました。保護者の皆さんはしっかりと祈願をし、買い物をしたりしていたため、さらに時間が必要であり、勝尾寺での滞在時間としていた1時間ではまったくたりない状況でした。
全員がバスに戻ってきてから、帰路につきました。帰りのバスでは、ビンゴゲームなど、楽しい時間を過ごしながら、岸和田に帰ってきました。帰りも渋滞しており、当初の予定時刻よりも大幅に遅れての解散となりました。
昨日は天候にも恵まれました。また、参加された皆さんそれぞれが、早朝から暗くなるまでの長い時間ではありましたが、とても楽しく充実した時間を過ごされたのではないかと思います。私自身もこれまでの人生で初めて、観光バス最後列の真ん中に座らせてもらい、バスでの移動中もずっと笑っていたように思います。
今回のPTA社会見学を企画・実施いただいた2年PTA生活委員会の皆様に感謝申し上げます。また、ご参加いただいた保護者の皆様にもお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
