11月8日(土)、9日(日)の2日間、貝塚市民文化会館コスモスシアターにおいて、第75回大阪府高等学校演劇研究大会Ⅰ地区大会が開催されました。以下の9校が参加しました。
■11月8日(土)
12:50~13:50 羽衣学園高等学校 『私たちの恋の形』(本田理子 作)
14:05~14:35 久米田高等学校 『未練』(喜納湧晴 作)
14:50~15:50 鳳高等学校 『その煌めき(フルゴール)は誰が為に』(北坂慶 作)
16:05~17:05 岸和田高等学校 『BA・RA・SHI』(鈴木研太 作)
■11月9日(日)
9:30~10:15 りんくう翔南高等学校 『新古川殺人事件』(金田知夏 作)
10:30~11:30 信太高等学校 『ふがいない私は空をみる』(小林愛美 作)
11:45~12:40 佐野高等学校 『これが正しい物語』(赤井綾華 作)
13:25~14:10 貝塚南高等学校『花束にポインセチアを添えて』(田原みひろ 作)
14:25~15:20 岸和田市立産業高等学校『モラトリアム・ビッグウェーブ』(大久保莉沙 作)
本校は11月8日(土)の最後の時間帯となる16:05から『BA・RA・SHI』を上演しました。私は当日、大阪府学生科学賞の表彰式に参加した後、初めて観る作品『BA・RA・SHI』を楽しみにしながら、急いでコスモスシアターに向かいました。8日(土)、9日(日)はすでに予定が入っていた中、幸運にも、8日(土)の最後の時間帯であったことから観劇することができました。
会場である大ホールには、参加校の演劇部員や関係者をはじめ、多くの方が来られていました。さらに、本校の上演前には、演劇部の3年生や卒業生などが観劇に来てくれました。
幕が上がると、そこは演劇部の部室でした。中央には塔のように高く積み上げられた謎の建造物(劇中では「大屋根リング」と呼び、バラして使われます)があり、2年生部員がカンカンと作業を行っていました。またベンチが2つ置かれており、その片方のベンチにまたがり、ノートパソコンのキーボードを打つ2年生部員がいました。大会本番まで3週間と3日しかないという差し迫った状況の中、いまだ大会用の脚本を考えに考えながら入力しているのでした。
そのような状況を生み出した大きな要因は、演劇部員の「イガラシ」が部活に、いや学校に来なくなったからでした。イガラシは結局、登場しませんでしたが、中央にある建造物の作者であり、大会に向けた脚本も途中まで作っており、皆から尊敬される存在でした。それだけに、他の部員にとって、その抜けた穴は大きすぎたということです。
そのイガラシに代わって脚本を作成する2年生部員は思うように捗らず、まるで「ゾンビ」のようにふらふらになっていました。ちなみに、イガラシが考えた脚本の概要は、万博閉幕の日、東ゲートの入場係員が突然ゾンビになり、入場待ちの観客も次々とゾンビ化するといった内容であったらしいです。
「BA・RA・SHI」とは何?と思っていましたが、昨年度の大会作品「痛み入りますノーチラス」に続き、演劇部を題材にしたものでした。昨年度は地球が滅亡するといった大きな話しでしたが、今回は具体的でとても身近なストーリーでした。
今年度も1年生がたくさん入部し、登場人物がそれぞれ個性的なキャラクター(現実?or 演技?)であり、私にとっては興味深く観せてもらいました。また、「ゾンビ」、「自由落下」などをいろいろな場面で使い分け、「嵐」にかけたと考えられる「BA・RA・SHI」、部員名の「イガラシ」・「コガラシ」など、言葉の使い方がとても面白く感じました。万博やユニバなどが出てくるのも身近であり、楽しい脚本でした。そして何よりも、部員(高校生)たちの悩みなど、心の動きがうまく表現されていたこと、それを素晴らしい演技力で演じていた生徒たちに感心しました。
登場人物は先ほどの2人の他に、現状を気にしながら大会に向けてどうしようか2人で一緒に悩む2年生の部長と副部長、イガラシをリスペクトする2年生部員、大会前で何か手伝わせてほしいと入部を希望する2年生、大会前だというのに今からユニバのハロウィン・ホラーナイトに行こうとゾンビを演じる1年生部員4名、軽音楽部でありながら何故か演劇部の部室でギターを弾く1年生でした。1年生部員4名のうち男子2名は大会の打ち上げで「しゃぶしゃぶ」か「焼肉」かを議論しているなど、1年生部員は皆、大会前でも完全に先輩任せの様子でした。
このような状況の中、部長は顧問の先生から、「イガラシ作品の企画はもうバラシ(無かったことにして、準備していたものを撤収)にしよう」と言われますが、イガラシから脚本作成を引き継ぐ形となった部員を考えると既成の作品にはできません。悩んだ末、もう万博をゾンビで埋め尽くすしかないという結論になります。
そこから突然、ゾンビ討伐作戦が開始されます。副部長はゾンビを銃で撃ちまくる狂気の万博解体作業員、部長は命をかけてワクチンを開発する防護服を着たパビリオンクルーを演じます。また、建造物(大屋根リング?)は解体(バラ)され、バリケードとして使われます。
最後は部長がつくったワクチンを飲んだ入部希望の部員を食い散らかしていたゾンビ(1年生部員)たちがワクチンの効果で人間に戻っていくというストーリーでした。といっても、この話しが大会の脚本になったのかどうかは不明なのですが・・・。鈴木研太先生の脚本はいつも不思議な世界に連れて行ってくれます。
今回、「ゾンビ」に関して、「夢も目標もなく、ただぼーっと学校来て、ただぼーっと授業受けて、ただぼーっと塾行って、ただぼーっと言われたとおりに生きていて、気づいたら何も残ってなくて・・・ゾンビになってしまう」という表現がありました。生徒の皆さんはしっかりと夢や目標を持ち、自ら主体的に生活していますか?決して「ゾンビ」にならないでくださいね。
とはいえ、脚本の作成を引き継いだ部員のように、頑張りすぎ、自分一人が責任を背負ってしんどくならないようにしてくださいね。また、成績も「自由落下」しないようにしてくださいね。
この『BA・RA・SHI』は「最優秀賞」を受賞し、府大会への出場を決定しました。あわせて、個人演技賞2人と創作脚本賞(部顧問)を受賞しました。府大会に出場できることを信じてはいましたが、それが実現したと聞いて本当に嬉しかったです。
さらに本日の放課後、演劇部員たちが受賞報告のため、校長室まで来てくれました。受賞したこともですが、校長室の椅子が満席になるぐらい部員が増えたことにも嬉しさを感じました。演劇部がこれからもますます活発な部活となり、大きな成果をあげることを願っています。
なお、第75回大阪府高等学校演劇研究大会 府大会は、11月29日(土)、30日(日)の2日間、枚方市総合文化芸術センター 関西医大大ホールにおいて開催されます。本校を含めて、A〜Iの各地区大会において最優秀賞を受賞し、地区代表として推薦を受けた学校が2日に分かれて上演します。
本校演劇部は昨年度も府大会に出場しており、1年前に枚方市総合文化芸術センターまで観に行ったことを思い出します。関西医大大ホールは3階席まで含めると約1,500席あるレンガの重厚感が感じられる素晴らしいホールでした。ぜひとも、今回も行きたいなと考えています。
ただ、29日(土)、30日(日)のどちらかはまだ決まっておらず、抽選により決定されるようです。29日(土)は全日予定があるため、本日、部長にはぜひとも、30日(日)の上演を引き当ててほしいとお願いしたところです。幸運が続くことを祈っています。
演劇部の皆さんには、一人ひとりが先日のⅠ地区大会を振り返り、改善すべき点についてさらに稽古を積み、府大会に臨んでもらいたいと願っています。本日、直接伝えることはできませんでしたが、まずは、76期・77期の先輩たちが果たした近畿大会への出場を期待しています。