「3年保護者進路講演会」を開催

 昨日、6月27日(土)午前10時から岸高ホールにおいて、3年生の保護者を対象とした進路講演会を開催しました。本講演会には180名を超える保護者の皆様にご参加いただきました。お忙しい中、ご参加いただき、ありがとうございました。

 今年度は河合塾岸和田教室長の成瀬様を講師としてお招きし、「1 大学入試最新情報」、「2 志望校選択について」、「3 受験生の心構え」、「4 保護者のみなさんへ」といった内容について、ご講演いただきました。私も保護者の方々と一緒に話しを聞かせてもらいましたが、本校の生徒たちの実態に即した具体的なお話しをいただき、参考になることが多くあったと感じました。特に、今春の大学入試の動向や結果について詳細に話していただいたことで、状況を把握し納得できたことがたくさんありました。成瀬様にはお休みの中、ご講演いただき、感謝申し上げます。

 ではここから、講演の内容に加え、私が感じたことなどについて伝えさせてもらいます。はじめに、大学入試と高校入試との違いについて、高校入試は「保護者>生徒」の入試であるのに対し、大学入試は「生徒>>>保護者」の入試であるとの話しがありました。確かに、高校入試では保護者の方の考えや意向によって、子どもたちを先導されることが多くあったと思います。また、その先導があったからこそ本校に入学できたのだろうとも考えています。

 ただ今回の話しにもあったとおり、大学入試は全国規模であり、中四国、近畿圏に限定しても何十、何百とおりの選択肢があるとともに、将来にも直結するため、生徒自身の進路選択が重要となります。

 また、大学入試は試験範囲が広く、長期にわたる厳しい戦いとなるため、必ず、生徒自身が明確な目的を持ち、目標達成に向けた強い意志と主体的な行動力を発揮することが求められます。したがって、本人がどれだけ意欲的に取り組んだのかによって結果が大きく変わります。そのため、少しでも早くから自分自身と向き合うことが大切であると考えています。

 ここで、今年度版「進路資料」71ページにある先輩からの「合格体験記・後輩へのアドバイス」の文章を紹介します。「どの受験方式の人にも共通して伝えたいことがあります。それは、受験はどこかのタイミングで自分自身と向き合う必要があるということです。これは単に、自分の苦手な教科や将来と向き合うことではなく、自分の弱さと向き合うことも含まれていると思っています。・・・そのときに、自分自身から逃げずに、自分の心の声に耳を傾けてほしいです。ここで自分から逃げないことが、後悔のない受験生活に繋がると思いますし、それが、18歳になる受験生が本当の意味で大人になるということだと思います。」という言葉です。

 私がこの文章を読んだときに、本当にそのとおりだと思うとともに、この生徒の「凄さ」、気持ちの「強さ」を感じました。また、こうした考え方ができる生徒だからこそ、素晴らしい成果を残せたのだと実感しました。自分の弱さを認めながら乗り越えていくのはとても困難なことですが、大学受験のみならず、これから生きていく上でとても重要なことです。「大学受験」という自分自身と向き合うことが求められる機会に、学力をつけることのみならず、ぜひとも自分自身を高めることに取り組み、「大人」として大きく成長してもらいたいと願っています。

 講演の話しに戻ります。「1 大学入試最新情報」において、まずは入試のしくみについて話しがありました。大学入試には総合型選抜、学校推薦型選抜、一般入試などがあるとの説明の後、それぞれの入試でどれぐらいの生徒が入学しているのか、その割合が示されました。結果は、国公立大学では総合型5%、学校推薦型16%、一般79%であり、私立大学では総合型18%、学校推薦型42%、一般40%でした。私はこれを見て、国公立大学の総合型選抜は増えているとの認識でしたが、実際はまだ5%程度なのだと思ったところです。総合型選抜が始まった当初はもっと増えていくだろうというイメージでしたが、やはり変わらず学力重視なのだという感想を持ちました。

 この後、国公立大学の入試のしくみについて話しがありました。大学入学共通テストと2次試験(大学個別試験)で合否判定されること、2次試験は前期日程・中期日程・後期日程があること、大学入学共通テストと2次試験の配点の割合などは大学によって異なることなどについての話しがありました。また、令和8年度入試の結果分析として、大学志願者数は前年並みであること、中後期の志願者数は減少したこと、難関国公立大学では理系の志願者数が減少したことなどの話しがありました。

 また、目標大学の設定(国公立大学)として、大学入学共通テストのボーダー得点率について、大阪大学(経済学部/法学部、工学部)は78%~82%(平均点+20%)、大阪公立大学(文学部/法学部、経済学部、工学部)は70%~75%(平均点+10%)、和歌山大学(経済学部、教育学部、システム工学部)は58%~61%(平均点)という数値が示されました。

 さらに、それらの数値を踏まえ、志望校を選定し、大学入学共通テストにおける目標とする得点率を設定するとともに、実際の結果について、「目標どおり」、「5%程度目標に届かず」、「10%程度目標を下回った」の3つのパターンを想定し、それぞれの場合に対して、前期・中期・後期についての出願校を考えておく必要があるという話しがありました。

 その後、令和8年度入試の結果分析について、大学入学共通テストの難化に伴い安全志向が強まり、大阪公立大学や和歌山大学の志願者数が増えたという話しがありました。具体的に大阪公立大学の例として、共通テストリサーチ後に志望を下げて出願先を大阪公立大学に変更した受験生が増えた証として、合格者のボーダー得点率以上の人数が前年に比べて増加したという結果が示されました。

 また、国公立大学受験者の私立大学合格率についても示されました。全体的に私立大学合格も難しくなっていることが分かりました。その理由として、私立大学の志願者が全体的に増加しているにもかかわらず、合格者数は減少していることによる倍率の上昇が影響しているようです。例えば、大阪公立大学に合格した受験生でも関関同立不合格者が多くいることに少し驚きを感じました。もちろん、安全校と挑戦校など、複数の大学・学部を受験するといったことが数値に影響しているのだとは思いますが。

 私立大学の入試のしくみについて、入試日程は大学により異なるため何校でも受験できること、一般選抜には「一般方式」と「共通テスト利用方式」があること、必要な教科数は国公立大学より少なく2~3教科が主流であることなどが伝えられました。具体的に、近畿大学と関西大学を例として、日程や配点などについてそれぞれの違いなども含めながら説明がありました。

 また、私立大学の場合の進学にかかる費用について、併願校の入学手続きについて、入学時の納付金について、授業料と入学金の変化についてなどの話しもしていただきました。さらに、私立大学出願決定のヒントとして、「受験校数を絞って効果的な対策を」、「同じ大学は傾向も類似」、「連続受験は3日間連続までが理想」、「できる限り一発めは第一志望を避ける」、「安全校の確認を。1,2月に受験しておく」といった話しがありました。

 その後、令和9年度入試の情報として、学部・学科を新設する大学や入試科目を変更する大学について紹介がありました。また、全統共通テスト模試と本試との得点の相関を表すグラフが示されました。英語と数学は春夏段階でも相関関係がすでに強く出ていることからも、夏休み終了までに学習すべき優先度が高い教科であるという話しがありました。理科と社会は3年生での学習の進行状況もあり相関が低いのは理解できますが、国語の相関が低いのはなぜだろうと、その理由についてはとても気になったところです。

 最後にまとめとして、受験指導にあたっては、「国公立大学では後期まで検討を(欠席率が高く、諦めるのはもったいない)」、「私立大学では過度な出願に見直しを(その「滑り止め」は本当に必要か。併願校は入学してもよいところ、合格が欲しいだけの併願は再検討を)」、「入学後を視野に入れた大学選びを」といったメッセージがありました。

 ここからは「2 志望校選択」についての話しに入ります。志望校・志望学部へのこだわりが重要であり、悪いパターン例として、「安易に入れる大学を選んで進学した」、「偏差値、ネームバリュー、流行で決めた」、「他者(保護者、塾、・・・)の意見で決めた」が示されるとともに、「やりたいこと、将来の自分をイメージして大学・学部を選んだ生徒は、志望も変わりにくく後悔も少ない」という話しがありました。

 また、志望校決定時期と成功の相関ということで、第一志望合格した生徒と不合格であった生徒を比べたときに、成功の7割の生徒は早期に志望校を決定しており、失敗の7割は志望校決定が遅いというデータが示されました。「目標はモチベーションの源です」とのことでした。

 志望校決定の参考として、国公立大学の利点について、「国公立大学のほうが私立大学より少人数できめ細やかな教育・指導が行われている」、「大学院進学率を主な学部で見ると、国公立大学は私立大学の約3倍である」、「学問・研究の面でも国公立大学が優位である」などの話しがありました。そして、オーブンキャンパスに出かけよう、大学案内・ホームページを徹底的に調べようと伝えられました。

 ここからは「3 受験生の心構え」についての話しに入ります。最初に、受験勉強は、「今日やったことを今日できるようにする」、「学校の授業を最重要視する」、「模試で状況把握・課題に取り組む」、この3つのポイントだけですという話しがありました。この言葉を聞いて、76期生で本校から東京大学に合格した生徒の「昨日の自分よりも賢くなる」という言葉を思い出しました。本当に日々の積み重ねなのだろうなと感じたところです。

 その後、「模試の活用が合否を分ける」として、いくつか話しがありました。模試の判定については、D判定は合格圏内に入った証拠であり、上のC判定(合格可能性50%)まであと何点たりないのかがとても大事であるという話し、また、模試終了直後、記憶が鮮明なうちに自分の弱点を確認しよう、特に設問別成績をチェックし、正解率の高いにもかかわらず自分が間違っている問題を補うようにしようといった話しがありました。

 「学校の授業を最重要視する」に関しては、授業中心の学習を!予習・復習が重要!ということで、「予習については解けなくても『する』ことに意味がある」、「授業については単なる答え合わせや板書写しで終わらず、知っていることや考え方の『確認』をする」、「復習については、直後の復習で『自分のモノ』にする、わかったつもりではなく『できる』にする」といった話しがありました。

 次に、成績の伸びを感じるのはいつ?として、「すぐに結果はでない」、「まずは学習量を増やす」、「正しい学習方法で努力を」という話しがあり、「勉強方法が分からない、不安がある場合は学校の先生に相談しよう!まずは行動すること!」と伝えていただきました。4月に実施した学習状況調査において、「勉強方法が分からない」と答えた生徒の割合が高かったことが気になっています。時間をかけて学習に取り組んでいるが学力が着いているのか不安だということがあるだろうと思います。すぐに結果は出ないということではありますが、不安な場合は遠慮なく、先生に相談するようにしてもらいたいです。

 夏期学習に関する3つのポイントについても話しをしていただきました。1つめは「学習計画を立てる」です。学習計画には「調整日」と「入試に必要な全科目の予定」が含まれているかをチェックすること。2つめは「第一志望校と今の実力との距離をはかる」です。入試レベルの問題を解いたり、模試で全国のライバルの中での自分の位置を把握すること。3つめは「1学期中に重点的に取り組めなかった科目にも取り組む」です。1学期の復習だけする、特定の科目のみ集中して学習することはよくないとのことでした。

 その後、先輩から学ぶ「今からすべきこと」として、高校を卒業した先輩の現役時代の反省が紹介されました。「苦手科目の克服ができなかった」、「基礎学力不足」、「受験勉強の開始が遅れた」、「演習量の確保ができなかった」、「計画性がなかった」、「大学進学への強い意志と目的がなかった」といった言葉です。高校生時代の私にとっては、どれも当てはまることばかりでした。皆さんは反省することなくいけるよう取組をすすめてください。

 ここからは最後の「4 保護者の皆さんへ」についての話しに入ります。最初に受験体験談として、子どもの側から保護者に言われたくなかったことについて、「自分が一番焦っている時期にこのままで大丈夫なのかと言われたこと」、「受験にどれだけの費用や時間がかかっているかを繰り返し言われたこと」、「秋の模試でB判定以上でないと受験させないと言われたこと」などが紹介されました。

 一方、保護者に感謝していることについては、「不満を吐き出しても黙って聞いてくれたこと」、「気分が沈んで勉強できなかった時期も何も言わずに見守ってくれていたこと」、「勉強だけしていればいいように、サポートしてくれていたこと」、「不安な気持ちを話すと、励ましてくれたこと」などが紹介されました。

 これらを踏まえ、保護者の方へのメッセージとして、「保護者が無理をしない」、「励ましの言葉はタイミングよく」ということが伝えられました。また、保護者の心構えとして、「他の生徒と比較しないでください」、「進学の条件をもう一度共有しましょう。お金のこと、将来のこと。齟齬があるとお互いが不幸になります」、「入試情報は自分で調べさせる。あくまで保護者はサポーター役」、「変化があったら声をかける。それまではガマン・・(例えば、急に多弁に(無口に)なる、大きな進路変更を考え出すなど)」、「受験よりつらいことは、将来たくさんあります。合格がゴールではなく、成長の機会と捉えましょう」の5つが伝えられました。

 そして最後に、保護者の皆さんの役割は「励ますこと」、「諦めさせないこと」です。「心配、可愛さのあまり、可能性を狭めるアドバイスは避けたいものです」という言葉で締めくくられました。

 以上のとおり、大学受験に向けて頑張っている子どもに親としてどのように関わるのかについて、保護者はあくまでも子どもを見守り、サポートする役に徹して、子どもを信頼し任せることが重要だということだと思います。ただし、頑張っている子どもに対してはということになるのでしょうが・・・。保護者の皆様には、子どもの第一志望の大学合格をめざし、励ましながら応援・支援してあげていただきますよう、お願いします。

 最後になりますが、今回の講演会を踏まえ、3年生の皆さんにメッセージを伝えます。学んだことが実を結び、成績の伸びとして表れてくるのは秋からということです。そのことを認識し、たとえそれまでの模試がE判定であったとしても諦めることなく、最後まで第一志望の大学をめざし努力を積み重ねてもらいたいと思います。

 上にも書きましたが、講演会の中で、受験勉強で大切なのは、「今日やったことを今日できるようにする」、「学校の授業を最重要視する」、「模試で状況を把握し課題に取り組む」という話しがありました。この3つのポイントをしっかりと受け止めてください。限られた時間の中、自分の弱点を把握し、埋めていくことが大切であり、そのためにも、模試をうまく活用してほしいです。

 今後、大学受験が近づくにつれ、不安や焦りが膨らんでくると思います。無理することなく、自分のペースで着実に取組をすすめながら、決してしんどくならないようにしてください。まずは結果を気にすることなく、学力を高めていくこと、自立した大人として成長していくことを目的に日々の生活を送るようにしてください。

 

 

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