私は一昨日7月7日(火)、18:30から日本橋にあるインディペンデントシアター1stで行われた「火曜日のゲキジョウ30×30」を観劇してきました。毎週火曜日に、2つの団体が30分の短編劇を交互に2回ずつ上演します。
当日は、劇団「茶わん風呂」の旗揚げ公演となる「にゃんちうら」と、「ル・ポザーユ」による「ポスト(現時点では)」が上演されました。私が日本橋まで行った目的は「にゃんちうら」を観るためでした。
「茶わん風呂」は、一昨年度卒業した77期生の桶谷くんが代表として今年の3月に立ち上げた、「ほっとひと息、ひと遊び」をコンセプトに心休まり楽しめる会話劇を創作する劇団です。
桶谷くんが先日の文化祭で来校した際に、劇団を立ち上げたこと、七夕の日にその旗揚げ公演を行うことを聞きました。前から読んでも後ろから読んでも同じ音になる「回文」の「おけたにたけお」くんは、演劇部員であり、私にとって関わりの強い生徒でした。2年生2月に行われたGLHS合同発表会において、本校の代表として発表してくれた時のこともよく覚えています。心優しく、コミュニケーション力・人間力のある大好きな生徒でした。
旗揚げ公演のチラシをもらったときに、行くことを即決し、それ以降ずっと楽しみにしていました。桶谷くんもですが、チラシの中の出演者に「大石咲恵」さんの名前を見つけ、私の行きたい気持ちは倍増しました。
大石さんも桶谷くんと同じ77期生の演劇部員です。1年生で出演した「オドリ・バリデ・ジュー」が第42回近畿高等学校総合文化祭和歌山大会演劇部門で優秀賞2位となり、3月に大分で開催された第17回春季全国高等学校演劇研究大会にも出場しました。
それ以降も、私の記憶に残る「パビリオン」や「ア・ミーコ」などの劇に出演しています。それらの劇中では、元気で活発な大学生役の桶谷くんとは対称的に、大石さんは言葉数も少なく、動きのないロボット・アンドロイド役でした。演劇以外では関わることが少なかったこともあり、私の中にはその役のイメージが強く残っています。
「にゃんちうら」は、作・演出:おけたにたけお、出演:ツル(劇団カオス)、大石咲恵(学窓座)、おけたにたけお、でした。「にゃんちうら」というタイトルの由来は、猫のいる団地裏のお話しだからということです。

桶谷くんのコメントでは、「私ごとですが、この度20歳になりました。20歳になって、『子供の頃』というのが、だんだんと今の自分から離れていくように感じています。でも、昔よく行っていた場所に行くと、当時の感覚がグワッと再生される時があります。私はその時、とても嬉しくなってしまいます。理由も分からないような、子供の頃の何気ない、でも強烈な感覚。子供の頃の私が蘇ってくる感覚。そんな場所に残る子供の頃の感覚を詰め込んだ作品です。」と記されていました。
劇の前半は、大石さん演じる20歳になった大学生が団地裏にいる猫と会話する場面が中心でした。その会話では、初めてその場所で出会った小3の頃、頑張って勉強した中学時代、高校での楽しかった思い出などを振り返りながら、高校を卒業して現在20歳、「大人」としての責任の重さなどについて考えます。
猫と会話をするという不思議な設定ですが、2人(?)の言葉のキャッチボールがとても楽しく、あっという間に時間が過ぎた気がします。これまでの大石さんのイメージが変わるとともに、実際に20歳、大人となった大石さんを実感でき、とても嬉しかったです。笑いを誘うやり取りが散りばめられていたところも桶谷くんらしいなと感じました。とても面白かったです。
私は今回の猫と会話をする場面を観て、演劇部77期生による卒業公演「こたつやこんこん」を思い出していました。その劇では、会話の内容に違和感を持ちながらも、途中まで、こたつで寝転がって喋っているのが猫だとは気づきませんでした。あの時も、会話をとおして、自分自身もこたつに入っているような、温かい気持ちになったことを思い出したのです。
先ほども少し書きましたが、「茶わん風呂」という劇団名は、茶わん風呂のような温かさで、「ほっとひと息」してもらいたいという思いが込められているそうです。また、「ひと遊び」として、茶わんの「わん」には、楽しげな犬の鳴き声の「ワン!」と、中国語の「玩(Wán):遊ぶ」がかけられているそうです。だから、イラストは猫ではなく、犬だったのでした。観ている者にこうした思いが十分に伝わる、ほっこりする劇でした。特に、2人のことをよく知る私にとっては特別な劇だったと思います。

次は12月に公演をとのことでしたので、ぜひとも時間が空いておれば観劇したいなと考えています。また声をかけてください。
最後に。今回、高校での経験や学びを活かし活躍する先輩たちのことを伝えようと、校長ブログに掲載しました。他にも岸和田高校で共に同じ時間を過ごし、送り出した卒業生の活躍を聞くことがあり、校長として喜びを感じています。今後も、先輩たちが頑張っている姿も報告させてもらいたいと考えています。