閉校記念式典 式辞  泉鳥取高等学校 第十六代校長 橋本敏和

 


 確かな春の息吹が感じられる今日の佳き日に、教育庁教育監大久保宣明様はじめ多数のご来賓の皆様、保護者の皆様そして泉鳥取高校に携わってこられた方々を多数お迎えして大阪府立泉鳥取高等学校第47回卒業式を挙行できますことは卒業生はもとより、教職員にとりましても大きな喜びであります。本日ご臨席賜りました皆様方には今日まで、本校の教育活動に深いご理解と温かいご支援をいただきましたこと、心より厚く御礼申し上げます。

 さて、ただいま卒業証書を授与いたしました87名の皆さん、卒業、誠におめでとうございます。あなたたちは本校が機能統合をおこなうことがすでに決まっている状況のなか、本校を受験し入学してきた最後のイズトリ卒業生であります。この3年間、様々な喜びや悲しみ、そして苦労が多々あったかと思います。入学時には3学年がそろった状態であったのに、2年生3年生と学年が上がるたびに学校が寂しくなっていくのを身にしみて感じたのではないでしょうか。そのような中でも、体育祭・文化祭等の学校行事では様々な工夫を凝らしすべての行事を全員が参加して実施することができました。
 決して恵まれない状況を悲観するのではなく、苦しい状況だけれども、苦しいなりの工夫や努力をし、その中から喜びや楽しみを生み出してくれました。少ない人数ながら、近年にない素晴らしい行事を作りあげてくれました。あなたたち47期生は逆境にも負けずに、立派に3年間泉鳥取での学業生活を頑張り、今日、晴れある卒業を勝ち取ることができました。
 私はあなたたちの入学式で「どんなときにも前向きで、負けない、最後まであきらめない心がイズトリを卒業した先輩方が作り上げたイズトリの心『イズトリ魂』それを学んでほしい。」とお願いしましたがそれを見事に体現し『イズトリ魂』最後の後継者となってくれました。そして、そんなあなたたちを支え励ましつづけた泉鳥取高校の教職員の皆さま、誠に有難うございます。
 昨年の1月に発生した能登半島地震においては、多くの方々が被災された心痛む報道に触れ「何かしたい」と生徒会のメンバーが中心となって、朝の登校時に募金活動をおこなってくれました。この行動も、入学時から現在に至るまでの自分たちの苦労があったからこそ、今一番大変な思いをしている人々に「何としても手助けをしたい!」という思いからできたことであると思います。これからの人生においても、他人を思いやる心・リスペクトする心を持ち続けて、どんなことがあっても「ありがとう」と感謝できる人であってほしいと願います。
 世界的に見てもいろいろな厳しい状況がつづきますが、本校で身に付けたその「イズトリ魂」と「ありがとう」といえる感謝の心で、どんな困難に直面したとしても、きっと乗り越えられるはずです。常に最善を尽くし、必ず希望や夢を実現できると確信しております。

 保護者の皆様、本日は誠におめでとうございますご家庭でも3年間お子様を支え、学校活動にご理解ご協力を賜り本当にありがとうございました。立派に成長され泉鳥取高校を旅立っていくお子様の姿に感慨もひとしおのことと存じます。教職員一同、心よりお喜び申し上げます。

 また、ご多忙のなかご臨席賜りましたご来賓の皆様には重ねてお礼を申し上げます。「ありがとうございました」 卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを心よりお祈りし、また前途が洋々たることを願いまして式辞とさせていただきます。


令和7年3月4日
大阪府立泉鳥取高校
校長 橋本 敏和