教育について

人権教育

「人権」は、「いい人間関係」の基本

貝塚高校での三年間を実り多いものにするために大切なのが、「いい人間関係を築くこと」です。

貝塚高校を巣立っていった卒業生 -「貝高に来てよかった」「夢への一歩を踏み出せた」と語ってくれた生徒たち、難関を突破して希望の進路を実現した生徒たちは、みんな、「いい人間関係」を持っていたと言えます。「自分らしく、落ち着いて一緒に過ごせる友達がいる」「付かず離れず、見守ってくれる人がいる」「同じ目標に向かってがんばれる仲間がいる」「信頼できる友がいる」「周りに支えられている、周りに必要とされていると感じられる」・・・いい関係は、生徒の力を引き出し、伸ばします。(「いじめ」や差別という悪い関係とは正反対のものです。)

このような関係の基本にあるのが、「自分も人も大切にすること」「お互いの人権を大切にすること」という、人権尊重の考え方です。まず、「自分が大切な存在である」ことを自覚すること、そして「大切にする」とはどういうことなのか、考えを深めていきます。身近な人を大切に思うことから始まり、排除ではなく対話で問題を解決し関係を作ってゆく力を養うことをめざします。

「人権」は、「よりよい社会」への希望

身近な「違い」から、より大きな「違い」へ、世界を広げてゆくこと。それが次の段階です。

人間は、生まれる場所も家庭も体も自分で選ぶことは出来ません。それぞれが違った条件を持って生まれてきます。その生まれつきの違いによって、支配・被支配の関係が固定される社会では、皆が希望を持って生きていくことが出来ません。 「違い」を差別や格差の固定に直結させるのではなく、お互いの違いを認めあう豊かさにつなげること。「強い者が正しい」「自分がよければそれでいい」ではなく、少数者の声に心を開くこと。違いは違いとしてそれぞれの生き方が尊重されることが、全ての人にとって生きやすい社会作りにつながります。

そのために、「立ち止まって考える力」「知ろうとする意志」「確かな知識」「共感する心」「ともに生きていこうという姿勢」などを育みたい、豊かな人と人との繋がりの中で生きる力をつけたい、そう考えて取り組んでいます。

人権教育今年度の重点

  • 1.自己肯定感を持ち、他の人々と共生できるためには、「安心できる環境」が必要です。貝塚高校、担任や年次、人推委をはじめとする校務分掌とより細かな情報交換行い、生徒の話をしっかり聴き、話し合うことで生徒たちとの信頼関係を築き、日常的な関わりを具体的な支援に結びつけていきます。
  • 2.人権ホームルームや「総合的な探究の時間」等で、「他者の痛みを自分のこととして感じられる人権意識、感性」を育て、いじめや差別を許さない学校を作っていきます。
  • 3.知的障がい自立支援コース生ら、知的障がいがある子どもたちとともに学び、ともに育つことで、インクルーシヴな学校をめざします。
  • 4.地元に、生徒個々の人権、個性を大切にするという本校の理念が伝わるよう、本校の人権教育について発信し、地域での行事に積極的に参加します。また中高連携等、地域ネットワークの中で生徒を育てていくことをめざします。
  • 5.部落問題を始めとする人権課題について、個々の教員がさらに深い理解と共感に基づいて指導できるよう、人権研修を充実させます。
  • 6.進路保障は人権教育の総和です。進路指導部とともに、キャリア教育企画委員会を構成し、キャリア教育の充実をめざします。
  • 7.ICT機器の発達による人権侵害事象が急増しています。見かけの「匿名性」に依拠した人権侵害はことさらに許すことはできません。生活指導部や外部組織(警察・法務局人権擁護部など)との連携を密に取りながら、人権侵害事象の予防と、メディアリテラシー教育の充実をめざします。また、生徒・保護者の啓発にも力を注ぎます。

教職員向け人権研修計画

4月  今年度人権教育基本方針の確認
5月  新転任教職員向け人権研修(フィールドワークを含む)
7月  外部講師による研修1
8月  年次別人権研修
10月 年次別人権研修
11月 外部講師による研修2
1月  PTA共催人権研修
3月  年間総括