平成18年度大阪府高等学校定時制通信制
教育研究会三部合同管外学校視察

視察日時 平成 18 年 8 月 16 日(水) 〜 8 月 17 日(木)
視察校 福井県立道守高等学校石川県立金沢中央高等学校

 平成18816日(水)

8:15 大阪府立今宮工業・工科高等学校集合
 
  8:30 出発(阪神高速、名神、北陸自動車道)
 大阪府立成城工業高等学校兼成城高校山口武史校長先生(大阪府高等学校定通教育
研究会会長)を団長とした総勢41
名の視察団は、観光バスに乗り予定通り今宮工業高
等学校を出発した。行程は順調であった。昼食は福井市内にて。その後バスは予定通
り午後2時に福井県立道守高校に到着。


 14:00 福井県立道守高等学校 視察開始

福井県立道守高等学校では、校長先生初め、統括教頭、定時制教頭、通信制教頭、
定通の教務部長、総務進路部長、生活指導部長から説明を伺った。
 福井県立道守高等学校は、定時制
(昼間 普通科、夜間 普通・商業科)と通信制
(普通科 学年制・単位制、衛生看護科 学年制)からなる。

 昼間定時制課程は普通科二部制。授業時間帯は隔週交代で午前と午後が入れ替わる。
 夜間定時制には普通科と商業科があり、通信制の併修や実務代替(実務代替)を加
味して3年修学制度を導入していた。

 通信制には普通科・衛生看護科の学年制コースと普通科単位制コースがあり、前者
は日曜のみ、年間
25回程度920分から506限のスクーリングを行う。高認試験合格
科目の単位認定や前籍校で修得した単位認定を制度化している。後者は月曜日にスク
ーリングを
505限実施、火曜日〜金曜日は903限の特設授業を実施。2学期制で、
学期ごとの単位認定と卒業認定を実施。後者も高認試験合格科目の単位認定や前籍校
で修得した単位認定を制度化している。
通信単位制コースは大学や短大進学にも実績
を上げている。

 通信学年制コースの進路先は専門学校及び就職が中心である。

 通信制では年間40単位以上の単位を取得でき、他校で単位が取得できずに留年した生
徒も頑張れば後2年間でも卒業することができる。


  

 白く美しい校舎が印象的な道守
高校に到着。
 矢崎波留美校長先生よりご挨
拶をいただく。
 教頭先生方より、各課程
のご説明をいただく。
 校歌は広部英一作詞、中村八
大作曲。流麗な書による歌詞の
額が玄関付近に飾られていた。
 バドミントンのネットが横に3面
張れるほどの広々とした体育館。
 資源ゴミのリサイクルの
ため、ゴミ箱は5種に分別
されていた。
 昼間定時制、夜間定時制、通
信制の共同利用のため、三つの
クラス表示があった。
 廊下に不審者情報が掲示さ
れていた。
 山口会長先生(大阪府
立成城工業高等学校兼
成城高校長)
より謝辞。
 道守高校の校長先生を囲んで
全員で記念写真。
 美しい青空の下、一行はバス
に乗車。宿泊地に向かって出発。
 日本海に沈む夕日の美し
さは感動的であった。
   19:20 宿泊先の美湾荘(和倉温泉)に到着
      かなり遅い時間に到着。月光が波間にきらめく様子が大変感動的。
平成17818日(木)
  8:00  美湾荘出発
  9:0010:00 
     株式会社 スギヨ北陸工場見学
水産練製品・加工品製造)

株式会社 スギヨ北陸工場見学水産練製品・加工品製造)
 外見からは水産練製品・加工
品製造工場とはわからないよう
な自然と調和した緑色の建物。
 徹底した衛生管理のため、見
学者は製造ラインのある空間と
は全く隔てられた会議室で工場
長から説明を伺う。
 硝子越しに、カニ蒲鉾や
ちくわなどの生産ラインを
見学。
抜き取りの製品チェック。食品
の安全性が会社の命。真剣な
検査が日々続いている。
見学路には風味かまぼこに
ゆかりのあるカニの標本など
が展示されている。
見学路には会社の歴史
や様々な説明パネルが
ある。

1日にちくわ30万本、揚げかまぼこ・カニ風味かまぼこ15万パックを製造・出荷す
るスギヨの工場は、スギヨ仕様の独自生産ラインを有し、日本全国に日々商品を安定
供給している。生鮮食品を扱うという責任から、徹底した品質管理、総合衛生管理体
制を整備している。1997年、業界内にさきがけて、対米輸出用HACCPを北陸工場で取
得。1999年には厚生省(現厚生労働省)が認める「総合衛生管理製造過程承認工場」
として認定された。
 工場についた我々は、生産ラインの空間からは切り離されたセミナールームでビデ
オにより説明を受け、製品の試食などを体験、その後、生産ラインを覗ける硝子窓の
続く見学路から加工工程についての説明を受けた。昔は3K「汚い(生もの)・臭い
(魚)・きつい」と言われ、若い世代からは工場の仕事は敬遠されがちだった。現在
工場は大変美しいが、労働力不足は続いている。また、最近の世界的な原料争奪戦
による原材料の高騰、ガソリン高騰による輸送費コストの上昇などもあり、工場の運
営は決して楽とは言えないが、智恵を絞り、工夫と努力でこの危機を乗り越えて行き
たいと、説明に当たってくださった工場長の田内氏は力強くおっしゃった。田内工場
長はバスが遠く離れるまで見送ってくださった。


 11:3012:30 昼食(金沢市内)
 13:0014:30 石川県立金沢中央高等学校 定時制総合学科(昼間制・夜間制)到着

 金沢中央高校は、昭和23年に金沢第二高校に定時制普通科を設置し、昭和27年には
金沢菫台高等学校定時制商業科と合併し、金沢中央高校として定時制の独立校となっ
た。昭和
39年には昼間二部制家政科を設置し、昭和43年には昼間二部制に普通科と専
攻科を設置。昭和
44年には専攻科を県立金沢家庭専門学校に引き継ぎ、夜間制に衛生
看護科を設置した。昭和
51年には昼間二部制を廃止し、昭和58年には夜間衛生看護科
を廃止した。昭和
60年には夜間普通科にビジネスコースを設置、昭和63年には夜間商
業科を廃止した。昭和
63年には単位制による課程を設置し、昼夜ともに、技術科・流
通科を設けた。平成
2年には流通科を流通情報科と改め、平成6年には昼間二部制普通
科の募集を停止、昼間午後普通科を設置。平成
16年には、普通科、技術科、情報流通
科を募集停止し、総合学科による課程を設置した。昼間制午前部2学級、中間部(
10
時開始)2学級、夜間1学級より構成している。金沢中央高校のこの改革の後を見た
だけでも、流石に「金沢中央」の名を背負う高校と思わせる歴史を持っておられると
感心する。常に機を見るに敏であり、創造も廃止も必要とあればすぐに取り組んでき
ておられる様子が良くわかる。
 九州方面に移動していた台風
の影響で、金沢中央高校に到着
した頃から急に大雨。
 多くのトロフィーが玄関陳列棚
に飾られていた。
 昼間制の教頭先生、夜
間制の教頭先生、教務部
長・進路部長・生指部長
の各先生方が待ち構えて
くださっていた。
 Power pointを使って、「本
校における学科改編と課題に
ついて」と題するプレゼンテ
ーションで説明していただく。
平成13年から、生徒の変化
に応じた改革をするために
学校改革プロジェクトを立
ち上げ、現在の学校の生徒
のニーズと高校の現状につ
いての分析に取り組んでこ
られた。
 昼間制の総合学科には
スタンダード系列、クリ
エイティブ系列、スキル
アップ系列。
 夜間制の総合学科にはアク
ティブ系列、スキルアップ系
列などがある。

 15:00 視察終了、バスによる帰阪(北陸自動車道・名神・阪神高速道)
 
19:30 府立今宮工科高等学校到着・解散(山脇正隆校長先生がお出迎えくださった。)

  今回視察させていただいた高校と見学させていただいた工場  
  ・福井県立道守高等学校
  ・石川県立金沢中央高等学校
  ・株式会社 スギヨ本社工場
  福井県と石川県の皆様の温かいご協力に感謝致します。有難うございました。
  また、参加して下さった総勢41名の先生方有難うございました。
    今年度主担当の部会:進路研究部会               
    部会長 :冨田 昇(堺市立第二商業高等学校教頭)
    副部会長:美濃幸男(府立天王寺高等学校定時制教頭)
    委員長 :美甘忠孝(今宮工業・工科高等学校定時制教諭)
    副委員長:永井 良(城東工業高等学校定時制教諭)
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