第2章 水溶液の調整    



   5.ガラス器具の洗浄



 (1) ガラス器具は実験を行ったあとすぐに洗うことが大切である。よごれた

 まま長い間放置すると、よごれがとれにくくなる。器具洗いは台所の食器洗

 いと同じである。よごれ落しには、お湯、洗剤、みがき粉を使い、ブラシや

スポンジなどでよくこする。

(2) 金属のさびがついて落ちないものは、塩酸を少量かけてみる。鉄さびなどは塩酸でも落ち

 にくいので、還元剤を用いるとよい。

(3) ロウがついた場合には60〜70℃の湯を入れると、ロウが融けて水面に浮かぶのでそのまま

 捨てる。2〜3回繰り返した後、石油ベンジンを浸み込ませた脱脂綿で、残っているロウを拭

 き取る。

(4) プラスチックや木材などがこげついた試験管は、ガスバーナーで加熱しながら、空気を吹

 き込み燃やしきる。

(5) 石灰水などを長く保存したガラスびんは、白くなってしまう場合があるこれは炭酸カルシ

 ウムの膜ができているので、塩酸などで洗浄するとよい。

(6) 取れにくい汚れは、無理をしないでアルカリ溶液に数日つけておいてから洗うと、大抵の

 場合はきれいになる。ワセリンやグリースがついている器具は、前もって紙や綿でよくぬぐ

 いとってから、洗うようにする。

(7) すり合わせのコック付き器具(ビュレットなど)にアルカリ溶液を入れたまま放置してお

 くと、くっついてとれなくなる。アルカリを入れた器具は、できるだけ早く洗うように心が

 ける。