台風の一生


 台風の一生は,大別すると次の4つの段階に分けることができる。
 (衛星写真は1998年の台風第10号のものです)


発生期

 海面水温が高い熱帯の海上では上昇気流が発生しやすく,この気流によって次々と積乱雲が発生する。 
 発生期とは、それらの積乱雲が多数まとまって渦を形成するようになり,渦の中心付近の気圧が下がり始め,台風となるまでの期間である。
 このころは進行方向や速度は非常に不安定である。









発達期

 発達期とは、台風となってから,中心気圧が下がり勢力が最も強くなるまでの期間である。
 台風は暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し,中心気圧はぐんぐん下がり,中心付近の風速も急激に強くなる。









最盛期

 最盛期とは、台風の中心付近の最大風速は徐々に弱まる傾向に入るが,暴風の範囲はむしろ広がる期間である。












衰弱期

 衰弱期とは、衰弱して消滅するまでの期間である。
 台風は海面水温が熱帯よりも低い日本付近に来ると海からの水蒸気の供給が絶たれ,さらに北からの寒気の影響も加わり,台風本来の性質を失って寒気と暖気の境である前線を伴う「温帯低気圧」に変わる。しかし,中心付近の最大風速のピークは過ぎているが,強い風の範囲は広がるため低気圧の中心から離れた場所で大きな災害が起こったり,あるいは再発達して風が強くなり災害を起こすこともある。
 また,台風がそのまま衰えて「弱い熱帯低気圧」に変わる場合もあるが,この場合は最大風速が17m/s未満になっただけであり、強い雨が降ることがあるので,「温帯低気圧」,「弱い熱帯低気圧」いずれの場合も消滅するまで油断はできない。

 日本に接近する台風は主に最盛期と衰弱期のものである。




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